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開き戸(ひらきど)

開き戸とは、建物や部屋の出入り口に設置されるドアの種類のひとつです。ドアの片側の端を蝶番(ちょうつがい)などの金具で壁に固定し、その固定した箇所を軸としてドアノブやドアハンドルなどの把手(とって)を手で持ち、ドアを手前に引くか奥に押して扇状に弧を描きながら開く種類のドアのことをいいます。日本では、開き戸は城や寺の門などのごく一部で古くから使用されていましたが、一般的には引き戸が主流でした。明治時代後期から官庁や銀行などの洋風建築が建設され始めると、引き戸に変わって開き戸の需要が高まり、昭和30年代の高度経済成長期には庶民の生活にも開き戸が急激に普及しました。開き戸は、ヒノキやタモなどの木製やアルミやスチールなどの金属製・ガラス製やドアの一部にガラスを使用したものなど、さまざまな種類の素材が使われています。開き戸は、引き戸に比べて防音性がありますが、開閉の際にドアを開くスペースが必要なため、開き戸の開閉スペース付近には物を置けません。開き戸は、小さな子どもや高齢者・車いすユーザーなどの人々や、台車で荷物を運んでいる場合などには開け閉めがしづらいこともある種類のドアになります。
 
開き戸の開き方の種類には、ドアが建物や部屋の外側に開く外開きと内側に開く内開きがあり、日本の家屋の開き戸は外開きが多い傾向があります。日本では玄関で靴を脱ぐ習慣があるため、内開きだとドアが脱いだ靴に当たる恐れがあることや、玄関に十分なスペースを確保できないことが関係しています。海外では防犯性の面から内開きの開き戸がほとんどで、万が一のときには開き戸の内側からドアを押して侵入者が建物や部屋に入れないようにすることが可能です。映画館や公会堂など多くの人が集まる場所に設置する開き戸は、非常事態の際に人々が避難しやすいよう外開きと建築基準法で決められています。トイレのドアなども外開きだと、なかで人が倒れた時などに救助しやすいといわれています。反対にホテルの客室は内開きのドアを採用しており、これは客室のドアが開いたときに廊下を歩いている人にぶつからないためです。豪雨や津波などの水害の際は開き戸が外開きだと水圧でドアが開かず、脱出できないことがあるため内開きのほうが良いとされています。このように防犯上や水害対策などの理由から、日本でも内開きの玄関ドアが増えてきているのです。
 
開き戸の開く方向の種類には右開きと左開きがあり、右勝手・左勝手ともいいます。右開きの開き戸は、右手のほうが開けやすくドアを開けると右にドアがきます。反対に左手で開けやすくドアを開くと、左側にドアがくるのが左開きの開き戸です。開き戸を右開きにするか左開きにするかは、ドアを設置する場所の人の動線や壁までの距離などが関わってきます。狭い場所で開く方向を間違うと使いづらい開き戸になってしまいます。一般的には右開きの開き戸が多いですが、とくに玄関ドアの場合はドアを開けた時に人が出入りしやすいことや、家のなかの様子がどのように見えるかを考慮する必要があります。ほかにも開き戸を開ける人の利き腕や、地域によっては風の向きに逆らわないなどの条件を含めることも重要です。
 
開き戸には、片開きドア・両開きドア・片袖ドア・両袖ドアなどいくつかの種類があります。片開きドアは、もっとも普及している種類の一枚扉の開き戸で、シングルタイプとも呼ばれています。玄関ドアのほか、室内用のさまざまな種類のドアとして使われているのです。両開きドアは二枚扉が並んだ種類のドアで、この二枚のドアはどちらも中央から手前かもしくは奥に向かって開くため、観音開きともいわれています。個人の住宅では玄関ドアに使うと開口部が広く取れるだけでなく住宅に重厚感が出ます。ホテルの宴会場のドアや、会社のエントランスなど、比較的大きな部屋や建物のドアなど多くの人が出入りするドアに使われる種類のドアです。親子ドアは片開きドア(親扉)の隣に幅の狭いドア(子扉)の2枚が並んだ種類のドアで、親扉のみに把手がついていることが多いです。通常、子扉は固定して親扉だけを使用し、大きい家具の出し入れなどの際に親子両方の扉を開けて開口部を広く取って使用することが可能となっています。
 
片袖ドアや両袖ドアとは、どちらも主に玄関ドアに使われる種類のドアです。片袖ドアとは見た目は親子ドアに似ています。親子ドアと異なるのは、幅が狭い袖の部分は固定されていて開きません。通常は袖部分にガラスを入れており、北向きの玄関などでも採光を取ることが可能なドアです。両袖ドアは、片開きのドアの両側に固定された袖部分のある種類のドアのことです。こちらも片袖ドアと同じように通常、両側の袖部分にガラスが入っており、光を取り入れるため玄関が明るくなり、両袖があるため建物に重厚感が出るドアとなっています。開き戸が開閉しづらくなるなど不具合の原因には、蝶番のネジの緩みやドアの素材の乾燥などでドア本体にゆがみが出ていることなどが考えられます。ほかには、ドアノブや鍵や錠の不具合、建物のゆがみや開き戸を取り付けている床の反りなどさまざまな種類の原因があります。とくに、玄関ドアの不具合は防犯の面からもすぐに修正する必要があるため、専門の業者に相談するのが最善です。

開き戸(ひらきど)
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