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レバータンブラー錠(ればーたんぶらーじょう)

棒鍵錠のひとつであるレバータンブラー錠は、細長い棒状の鍵を鍵穴に差し込んで操作する錠です。レバータンブラー錠で用いられる鍵は真鍮(しんちゅう)製で、鍵の先端付近には小さな板のような部品が付属しています。建物に多く用いられるシリンダー錠と異なり、前方後円墳を模したような特徴的な鍵穴を持つ点がレバータンブラー錠の特徴です。18世紀のイギリスでその原型が生まれたレバータンブラー錠は、仕組みの単純さから安価で生産できるメリットを持ちます。国内でもシリンダー錠が普及するまでは、レバータンブラー錠が住宅用の錠前の代表でした。しかし、古典的な仕組みの錠のため、現代の住宅でレバータンブラー錠を見かける機会は少なくなってきています。現在、レバータンブラー錠の仕組みを採用した事例で多いのが、古い建物に取り付けられた自動ドアです。棒鍵錠を用いた国内の自動ドアは、多くがレバータンブラー錠を採用していると言われています。そのほか築年数の経過した店舗や倉庫の扉、机の引き出しの錠にレバータンブラー錠が使用されているケースがあります。建物以外の使用例には、アンティーク調の家具やトランクケース、南京錠があげられます。
 
てこを意味するレバーの名称からわかるように、レバータンブラー錠はタンブラー(障害物)を、てこの仕組みで持ち上げるように動かし、施解錠する錠です。鍵に備わる突起を利用し、レバータンブラーと呼ばれる障害物の金属板に働きかけることでデッドボルトを動かす仕組みです。錠ケース内の機構に収められた複数のレバータンブラーには、アルファベットのHに似た形の切り欠きが設けられています。レバータンブラー錠が解錠する仕組みにおいて重要となるのが、H型の横棒にあたる切り欠きの高さです。切り欠きの高さは、複数のレバータンブラーでそれぞれ異なります。レバータンブラー錠の錠ケース内には、デッドボルトの動きに連動する部品が存在します。H型の縦棒にあたる片側の切り欠きに、このデッドボルトに働きかける部品が入っている場合が、施錠状態です。鍵を差し込むと、まず鍵の突起部分が障害物の底面に接する仕組みですが、差し込んだ鍵に備わる突起の形状が内部の機構と一致しなければ、レバータンブラーが適切な位置まで上がりません。つまり、切り欠きの位置がずれている状態のため、溝内の部品がストッパーとなりデッドボルトが動かない仕組みです。一方、正規の鍵をレバータンブラー錠の鍵穴に差し込むと、まず適切な高さまでレバータンブラーが持ち上げられます。次に鍵が回転するにつれてレバータンブラーも半回転するように上昇し、全てのレバータンブラーの切り欠き位置が揃います。そうするとデッドボルト後方の部品が、H型の横棒にあたる切り欠きを通り抜けられるようになり、最後にデッドボルトが錠ケースの機構内に引き込まれます。部品が反対側の切り欠きへ移動すると、デッドボルトの引き込みを遮るものがなくなり、解錠される仕組みです。またレバータンブラー錠の鍵穴は扉に対して貫通している場合が多くなっています。そのため、室内から操作する際にもシリンダー錠のようなサムターンではなく、鍵で施錠できるメリットがあります。レバータンブラー錠は、複数の障害物を内部に採用することで防犯性を保っていますが、何かしらの手段ですべての障害物の持ち上げに成功すると、容易に不正解錠ができてしまう仕組みです。近年販売されている錠に比べ防犯性能が劣るため、玄関などの重要な箇所の施錠にレバータンブラー錠を利用するのは推奨されません。
 
施解錠の仕組みがシンプルなレバータンブラー錠は、防犯面に注意が必要な錠です。近年流通している錠と比較するとレバータンブラー錠の鍵穴は大きくなっています。そのため、針金などのピッキングに使用する道具を挿入しやすい仕組みです。特徴的な鍵穴をしたレバータンブラー錠は、古い仕組みの錠だと判断するのが容易です。不正解錠しやすい錠として空き巣のターゲットになる危険性があります。長年の使用により、錠自体に摩耗がみられる場合にも注意が必要です。長期に渡って使用されてきたレバータンブラー錠の場合、経年劣化による歪みや湿気による錆びが原因で、鍵が回らなくなったり折れたりするトラブルのリスクが起こり得ます。経年劣化したレバータンブラー錠は、衝撃をともなう強引な破壊攻撃への耐性が弱くなります。自動ドアや倉庫の扉などで現在もレバータンブラー錠を使用している場合、ピッキングに強いディンプルキーなど、新しい仕組みの鍵に交換すると安心です。暗証番号やカードでの認証に対応可能な電気錠や電子錠を導入すると、鍵穴への直接攻撃を避けるほか、利便性の向上にもつながります。レバータンブラー錠のように古典的な仕組みの錠は、製品の廃盤や依頼件数の減少などにより、一般的な鍵に比べて合鍵作製に時間がかかるケースがあります。鍵の破損など突発的な故障に備え、レバータンブラー錠の合鍵作製やトラブルに対応している鍵業者を見つけておくとスムーズです。

レバータンブラー錠(ればーたんぶらーじょう)
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