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FeliCa(ふぇりか)

FeliCa(フェリカ)は、ソニーの非接触ICカードによる通信技術です。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードやnanacoなどの電子マネー、マンションやオフィスの電子錠の解錠に利用されています。FeliCaは1988年にソニーが開発したもので、2001年にJR東日本のSuicaで活用されたことをきっかけに、急速に普及し、社会インフラを担う非接触のデータ通信技術となりました。FeliCaは日本だけでなく、香港やシンガポールの公共交通機関でも使用されています。似た言葉にNFC(Near field communication)がありますが、こちらは「近距離無線通信」という意味です。FeliCaはソニーが開発したNFCのひとつで「Type-F」と呼ばれています。FeliCaはカードのみならず、スマートフォンにも内蔵されており、電子決済ができる「おさいふケータイ」として使用されています。また、FeliCaはカード以外にもFeliCaチップを腕時計やキーホルダーにも内蔵できるため、実にさまざまな形態があります。FeliCaは1枚のカードで複数の利用方法が可能で、社員証の入退室管理システムにおける解錠やPCのログイン認証などができます。
 
FeliCaの構造は、カードのなかにICチップ、CPU、アンテナ、メモリが内蔵されています。ICチップはカードの中央部に埋め込まれている集積回路で、情報の保存や処理を行います。アンテナはカードの表面に銅線やアルミ箔で作られており、カードとリーダーの間でデータの通信を行います。ICチップ内のメモリには、残高情報や利用履歴などのデータが保存されています。また、FeliCaカードの種類や利用目的も識別します。FeliCaの特徴は、情報処理速度が速くセキュリティにも優れている点があげられます。FeliCaを搭載したカードや端末をリーダーにかざすことにより、正確に高速で大量のデータ通信が行えます。データは何回でも書き換えが可能なため、カード本体の再利用が可能です。FeliCaはカードとリーダーの間を電磁波によって通信します。カードがリーダーの電波を受信し、カードの検出、カードとリーダーの相互認証、データの読み書きを自動で行います。そのため、カードを接触しないでカード内のアンテナが電波を受信できる距離までかざすだけで通信が可能です。FeliCa のひとつであるICカードSuicaでは自動改札機にかざすことで、期限や使用可能なカードかどうかの判定、フラップの開閉の信号を瞬時に送ります。金額のデータもFeliCaに書き込みますが、処理が暗号化も含めて0.1秒で完結します。FeliCa搭載のカードに保存されている情報は暗号化されていて高いセキュリティを有しています。そのため、不正な読み取りや改ざん、なりすましは非常に難しいとされています。
 
FeliCaのカードは、折れたり曲がったりするとカード内部のICチップやアンテナが破損することがあります。ズボンのポケットに入れて座るというような物理的な圧力が加わると、ICチップやアンテナが故障しカードが読み込めなくなることがあるので注意が必要になります。FeliCaのアンテナ部分に汚れや傷がつくとカードを読み込めなくなることがありますので注意してください。FeliCaは、圧力や衝撃がかからないようカードケースに入れ、良質な保管環境で変形しないように保つことが大切です。静電気が溜まった状態でリーダーにかざすとICチップが故障する可能性があります。そのため、静電気が溜まっている場合は事前に放電する必要があります。FeliCaのカードは磁力を使用しているため、強力な磁場がある場所だとデータが消えたり損傷したりすることがあります。金属やスマホ、ほかICカードと重ねて一緒に保存すると通信できなくなることがあります。テレビやラジオ、スピーカーなど磁界を発生させる場所の近くに保存することも避けてください。
 
FeliCa のICカードは、プラスチックで作られているため耐水性はありますが、ICチップの内部に水が浸入するとメモリが故障しデータが消え、FeliCaが機能しなくなる可能性があります。またアンテナ部分に水が浸入すると正確な通信が行えなくなることもあります。そのため、FeliCa を使用する場合は水場や湿気の多い環境下での使用は避けてください。もしカードが濡れてしまった場合はできるだけ早く水分を拭き取り、自然乾燥させます。FeliCaは高温に弱いためヘアドライヤーで乾燥させないよう注意する必要があります。また暑い車内への置きっぱなし、直射日光の当たる場所、日の当たる窓際、ヒーターやストーブのそばに置かないようにしてください。FeliCaの寿命は、データの書き込みを10万回以上行った場合、0℃~50℃の保存状態でデータの保存期間が7年以上になると、経年劣化でICチップとアンテナの接触不良により使えなくなることがあります。もし機能しなくなった場合は、速やかに発行元にて修理や再発行が必要です。
 
FeliCaは偽造や変造をしにくく、防犯性も厳重なため、集合玄関や共有部、フィットネスルームといったホテルやマンションの電気錠や電子錠の解錠方法のひとつとしてよく使われます。電気の力で解錠を行うため、鍵穴がないためピッキングの心配もなく、鍵を紛失した時に必要なシリンダーの交換もありません。FeliCaのカードを読み取り部分にかざすことで、非接触で手軽にドアの解錠ができます。物理的な鍵を差したり回したりする必要がなく、便利にスマホやカードを使って解錠ができ、安全でセキュリティにも優れています。FeliCaはICチップが内蔵されているため、カードに多くのデータを保存できます。個人の入退室履歴や利用データを管理できます。また、高いセキュリティ性を持っているため不正な入退室を防ぐことができます。入室制限をすることで顧客情報や機密情報の漏洩、データの持ち出しや不正アクセスも防止できます。利用者ごとに部屋の解錠ができるかの認証や入退室制限の設定も行えるため、入退室の解錠鍵を電子的に一元管理できるため、建物のセキュリティ性が向上します。

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