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戸車(とぐるま)

戸車とは、引き戸や窓などの下部、上部、または両方についている小さな車輪のことです。敷居やレールの上を車輪が回ることで引き戸の開閉をスムーズにします。戸車は消耗品なので、すり減ったり壊れたりした場合は交換が必要です。材質はさまざまで、ウレタン製、ジュラコン製、ステンレス製、鉄製、スチール製などがあります。それぞれに特徴があるので、何を重視するかによって使われる材質も異なります。戸車の各材質の特徴としては、ウレタン製はやわらかいので、摩耗による変形の可能性がありますが、開閉音が静かです。ジュラコン製は摩耗しにくく安価です。ステンレス製は高価ですが、硬く錆びにくいので水回り向きです。鉄製とスチール製は錆びますが、安価で耐久性があります。戸車の種類は、長年使われ続けてきた平型と丸型に加え、最近主流になっている調整戸車、重量戸車、サッシ取替戸車などがあります。
 
平型戸車は、レールを使用せず、敷居の溝を直に走らせるタイプの戸車で、主に住宅の戸襖など、レールが不要な敷居に使われています。車輪の形状は平らです。丸型戸車は、床面に出っ張った甲丸レール(断面は半円のかまぼこのような形)の上を走らせるタイプの戸車で、古い校舎や雨戸、キャビネットなどで使用されています。レールが床面とフラットではなく、埋め込み式のレールよりも破損の可能性が高いので、今ではあまり使われなくなりました。しかし、故意にレトロ感を演出したい店舗や建物など、新築または、戸車を取替えるときに使われることがあります。調整戸車は、施工と使用中の調整が簡易なので最近の主流です。レールが出っ張ることなく埋め込み式なので、床面がフラットなまま引き戸が設置できます。戸車の車輪の形状とレールの形の違いで、V型、Y型、T型などのタイプに分かれます。住宅は元より、店舗や公共施設、病院、介護施設など、バリアフリーのニーズがある建物に向いています。ちょっとした引き戸の不具合は、ドライバーで戸車のネジを調節することによって簡単に改善できるので大変便利です。
 
調整ネジは、引き戸本体の両側面、下部、上部、または両方についています。調整戸車V型は、完全に床に埋め込んであるレール上をスムーズに、かつ静かに開閉できます。レール全てを床に埋め込むので、Y型、T型に比べて掘り込みは深くなります。調整戸車Y型は、脱輪防止溝があり脱輪しにくいのが特徴です。ただし、レールの上部が少しだけ床表面よりも高いので、完全に床とフラットではありません。調整戸車T型は、脱輪防止溝の溝の部分だけが床に埋め込まれているので、3つのタイプのうちで1番掘り込みが浅いです。重量戸車は、重量のある引き戸用の戸車で、主に門扉、倉庫、工場などで使われています。車輪のサイズ展開や形状のバリエーションも豊富で、さまざまなレールに対応しています。重量のある引き戸を支えるため、耐摩耗性、耐久性に優れた材質を使った商品も多く販売されているので、用途に合わせて選ぶことも可能です。
 
引き戸の動きが悪いとき、重くなってきたときは、戸車の調整または交換で直る場合があります。引き戸が下がって床を擦ってしまっているときは、戸の下部、または上部、戸の両側面に高さを調整するためのネジが付いているので、回して戸の上下前後の調整をするとスムーズに動くようになります。ネジを回すと戸が上がったり下がったりします。左右どちらに回せば戸が上がるのかは、調整戸車によって違うので、確認しながら作業を進めます。作業時は、手で回すドライバーを使うことが大切です。電動のドライバーを使うと破損の原因となる恐れがあります。また、ネジを回す前に戸を少し持ち上げて、薄めの段ボールなどを挟んでからはじめてください。戸の重さで、戸車にもネジにも負担がかかり、破損の原因になるケースがあります。インテリア用のバールなどがあれば、持ち上げてネジを回せば簡単に調整できます。ある程度のところまで回すとネジが重くなるので回すのをやめ、次は逆サイドのネジも同様に回して調整を行います。
 
引き戸が床に擦っていないのに動きが悪い場合、引き戸自体が傾いて、上部の戸枠に擦っているか、戸車が劣化して回らなくなっている可能性があります。まず戸の上部についている調整ネジを回し、戸の上部が左右どちらに移動するか確認します。戸枠に擦らないように真っ直ぐになったところで回すのをやめ、戸の開閉具合を試します。戸の傾きを調整してもまだ動きが悪い場合は、戸車自体を交換することで、戸がスムーズに開閉するようになります。まずは戸を外し、戸車を固定している方のネジを外します。戸車を上下に調整するネジとは違う方のネジです。戸車を外したら、新しい戸車に付け替えます。同じメーカーで同じサイズの戸車が用意するのが基本ですが、手に入らない場合は代替え品を探します。戸車の縦、横、幅のサイズと、車輪の直径を測り形状を確認します。車輪の形は主に、V型やY型、T型などがあり、選択を間違うとレールと合わなくなるので注意が必要です。車輪の材質や枠の材質、使う場所によっては耐荷重も確認するポイントです。重量戸車の場合は、ボルトのピッチも測って確認しておくことが大切です。

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