ドアノブ（どあのぶ）

ドアノブとは扉に取付けられた取っ手のことで、あらゆる形状があります。ドアノブの構造は、内側から順に内側ノブ、丸座、座金、ラッチ、外側ノブという仕組みになっています。内側ノブ、外側ノブは、取っ手の部分を指していて、丸い握り玉タイプやレバータイプなど形状はさまざまです。丸座は内側ノブとドアの間のカバーとなるパーツで、ドアによってはないタイプもあります。座金は固定リングとも呼ばれており、ドアの開閉時にドアノブが回転しないように固定するものです。ラッチはドアの横から出ている金具で、風などで開かないようにドアを固定しています。多くのラッチは、スプリング式で扉が閉まるとストライク（受け部）に収まり扉を固定する仕組みになっています。ドアノブを回す、あるいはレバーハンドルを押し下げることで扉を固定していたラッチが扉側に引っ込むので、扉を開けることができるようになります。そのほかにもドアノブによっては、鍵を施錠するためのボルトであるデッドボルトや、サムターンというドアの内側についたつまみがついているものもあります。

ドアノブの種類は大きく分けて4つあげられます。ドアの開閉のしやすさや防犯面など、ドアノブのタイプや仕組みによって機能は変わるので、それぞれの特徴を理解して交換や修理を検討してください。握り玉タイプは昔ながらのスタンダードな形で、電球のような丸い形をしておりつかみやすいのが特徴です。トイレや書斎など屋内のドアに使用されています。ノブの中央にある鍵穴に鍵を差し込んで施解錠を行います。内側ノブは中心がサムターンになっているのでノブを回すと解錠ができる仕組みです。ノブは内側も外側も鍵と一体型なのでドアノブとしてはコンパクトな形状となっています。防犯面で不安があるため室内のドアに使用されることが多いです。

レバーハンドルは、持ち手が横に一直線になっているレバー状のドアノブです。ドアノブを握り下へ押しながら倒すことでラッチが開いてドアが開く仕組みとなっています。握り玉タイプとは違って握って回す動作ではなく、下に押し倒すだけで開くので、握力が弱い高齢者の方でも使いやすいのが特徴です。鍵穴とサムターンは、レバーの上に設置されていることが多く、鍵穴とドアノブは一体化している仕組みです。屋外でも屋内でも使用されるタイプで、材質はアルミやステンレスを中心に木目調などスタイリッシュなタイプもあり、インテリアに合わせてデザインを選ぶことができます。握り玉タイプより価格帯は高い傾向にあるので、ワンランク上のドアノブとしてドアノブ交換で取り入れる方が多いです。

プッシュプルハンドルは、持ち手が縦一直線になっている細長いタイプのドアノブです。鍵穴とサムターンがドアノブと一体化している仕組みで、持ち手を少し押すか引っ張ることでドアが開きます。細長いドアノブ全体を押し込むか引っ張る動作だけなので、ほかのドアよりもそこまで開閉に力が必要ないところが特徴です。そのため、高気密の高い住宅や24時間換気が作動している住宅には大きなメリットとなります。そのような住宅は、外と室内の気圧差が原因で玄関ドアが開けづらいことがたびたび起こります。ブッシュプルハンドルタイプであれば長いドアノブに対して全体に力を入れやすいため、力強くドアを開閉することができます。また、鍵穴は上下に2つ付いていることから防犯性に優れており、玄関ドアに採用されることが多いです。

サムラッチハンドルは縦方向の細長いハンドルが固定されているドアノブです。ハンドルの上についているつまみとラッチがつながっている仕組みになっており、つまみを親指で押し下げながらドアを開けます。サムラッチの「サム」は英語で「thumb」と表記し、親指という意味を持ちます。親指を使ってドアを開けることから名前の由来となりました。ドアノブを握る動作とラッチを開ける動作を同時にできるため、握ってひねるドアノブと違い効率的にドアを開けられます。高級感あるデザインや、他と差別化できるようなエッジの聞いたデザインのものがあり、洋風住宅の玄関に採用されることが多いです。プッシュプルハンドルとサムラッチハンドルは複雑な仕組みとなっているため、不具合が生じた際は業者に修理を依頼してください。

ドアノブは、玄関の開け閉めのたびに使用するので、長く使用していると不具合がでてくることがあります。例えばドアが開きにくい場合はラッチの不具合が原因の可能性が考えられます。錆びていたら錆を落とすことでラッチの動きがスムーズになることがあります。内部のバネが破損している場合は、取り外して分解する必要があります。ドアノブの仕組みや特徴を理解して、不具合に対する処置を行いますが、知識や経験が浅い人が作業を行うとかえって修理代が高く付くことになります。緊急のトラブルやドアノブ交換は専門業者へ依頼するのが安心です。