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CP認定錠(しーぴーにんていじょう)

CP認定錠とは、関係省庁と民間団体による厳しい性能試験に合格し、高い防犯性能を認められた錠前のことです。ピッキングやこじ開けなどに強く、空き巣被害防止の効果が期待できます。CP認定錠のCPとは「Crime Prevention(防犯)」の頭文字を取ったものです。CP認定錠が登場した背景には、日本での空き巣被害の拡大があります。とくに平成12年頃にはピッキング被害が急増したため犯罪への対策として、平成14年11月に警察庁・国土交通省・経済産業省・民間団体から構成される「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議(通称・官民合同会議)」が設置されました。その主な目的は、建物部品の防犯性能の評価・運用方法を整備し、防犯性能の高い製品を世の中に周知させることです。ここでいう建物部品には錠前も含まれます。官民合同会議が定めた防犯性能の評価基準をクリアした錠前がCP認定錠です。CP認定錠にはその証として「CPマーク」が付けられています。
 
CP認定錠の性能試験の内容は、平成15年10月に官民合同会議によって定められました。試験は全部で3段階あります。まず、専門技術を持った試験員が鍵を破壊せずに解錠可能かを試験します。具体的には、ピッキング・インプレッション(鍵穴から合鍵を作成する)・バイパス解錠(かんぬきを動かすパーツを外側から操作する)・サムターン回し(サムターンと呼ばれる鍵を開け閉めするためのつまみ状の金具を外側から回す)などの試験があります。続いて、鍵を破壊して開錠できるかを試験します。シリンダーをドリルで破壊する・シリンダーを引き抜く・かんぬきを切断する・ガスバーナーで部品を溶かすなどの項目があります。最後に、ドアに錠前を取り付けた状態で、バールなどを用いてドアをこじ開ける・ドアの受け座を破壊するなどの試験を行います。電気錠の場合は3段階の試験に加えて電気回路・入出力端子部への攻撃や、暗証番号の総当たり攻撃などの試験も実施します。CP認定錠の性能試験で実施される解錠手段は、犯罪の手口としても使われている方法です。CP認定錠としての基準を満たすためには、これら全ての試験で解錠されることなく5分以上の耐久性を認められる必要があります。CP認定錠の耐久時間を5分以上としている理由は、約7割の犯罪者が侵入するまでに5分以上かかると犯行を諦めるというデータがあるためです。
 
CP認定錠を取り付けるメリットは、防犯性能が高くなることです。近年、ピッキングやサムターン回しなどの鍵開けの手口は多様化しています。警察庁の発表では、令和2年の空き巣被害は全国で2万件以上にも上るというデータもあります。これは施錠忘れや窓からの侵入なども含む被害件数ですが、防犯性能が十分ではない鍵を使用していると比較的容易に建物内へ侵入できてしまうのです。一方、厳しい性能試験に合格しているCP認定錠は不正解錠に強く、専用の道具を使っても簡単には開けることができません。さらに、CP認定錠は物理的な破壊や脆弱性を狙った攻撃にも耐性があるため、侵入被害に遭うリスクを抑えることが期待できます。
 
性能試験に合格したCP認定錠は、官民合同会議が作成した「防犯性の高い建物部品の目録」に掲載されており、官民合同会議のホームページで閲覧可能です。CP認定錠にはさまざまなタイプの鍵があります。たとえば、美和ロック(株)の「PRシリンダー」はディンプルキータイプのCP認定錠です。ディンプルキーは鍵の表面に複数のくぼみがあり、一般的なものと比べて作りが複雑になっています。そのぶん合鍵の作成やピッキングが難しいため、CP認定錠にはディンプルキーが多く採用されています。また、(株)GOALの「TMB型 防犯性向上サムターン」のように、サムターン回し対策が施されたCP認定錠もあります。どれだけ複雑な構造の鍵穴でも、サムターンを回されると簡単に解錠できてしまいます。CP認定錠には、スイッチを押しながらサムターンを回さなければ解錠できない製品や、専用の鍵を使ってサムターンを回す製品などがあるため、不正開錠防止に有効です。(株)アルファの「PASSIVE KEY シリーズ(PS800)」のような電気錠タイプのCP認定錠もあります。電気錠は鍵穴がないためピッキングされる恐れがなく、キーレスタイプなら鍵の紛失や盗難の心配もありません。さらに、(株)ユーシン・ショウワの「VZ-PPA4シリーズ」のように、1ドア2ロックタイプと呼ばれるひとつのドアに対して2つの鍵を設置するタイプのCP認定錠もあります。1ドア2ロックタイプのCP認定錠は解錠に時間がかかるため、犯罪者に対する抑止効果も期待できます。
 
CP認定錠のデメリットとしては、鍵の紛失や故障時の鍵開け費用がかさむことがあげられます。CP認定錠は防犯性能が高く、製品によっては専門の業者でも開けるのが難しいため、解錠費用は高くなることがあります。また、鍵を壊さなければ開けられない場合だと、鍵の交換費用を含むとさらに高額になります。CP認定錠は不正解錠に強い反面、鍵がなければ簡単には開けられなくなってしまうため、管理には十分な注意が必要です。

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