ビジネスホン（びじねすほん）
ビジネスホンとは、オフィスで使われる電話システム全般のことを表し、外線と内線を制御する主装置と複数のビジネスホン専用電話機から構成されています。ビジネスホンは、電話回線の発着信や内線電話、保留、転送、録音などのオフィス業務に必要とされる便利な機能を備えています。ビジネスホンと一般的な電話機との違いは、主装置の有無になります。一般的な電話機は1電話回線につき通話できる電話機は１台です。コードレス電話機のように子機が付属されていても、ひとつの回線を使用中は他の電話機は使えません。それに対してビジネスホンは、外からかかってきた電話は１度主装置を経由し、複数のビジネスホン専用電話機で発着信させることができ、同時に複数人との通話が可能です。ビジネスホンの主装置は、ビジネスホン専用電話機とケーブルで繋いで使います。主装置は小型の交換機の役割を担い、外部から着信する外線を制御してビジネスホン専用電話機に振り分けたり、ビジネスホン専用電話機同士の内線通話をつなぐ機器です。主装置には、ユニットと呼ばれる基盤が数種類内蔵されています。電源ユニットの他に、外部との通信に関する外部ユニット、ビジネスホン専用電話機同士で回線を制御する内線ユニット、他機器との接続に関する他機能ユニットなどがあります。ユニットごとに使える台数が違うため、オフィス業務のニーズに合わせて電話回線の数や電話機の数を設置後にカスタマイズする必要があります。
ビジネスホンの代表的な基本機能に、外線の同時着信、内線通話、保留転送機能があります。外線の同時着信は、ひとつの電話番号で複数のビジネスホン専用電話機へ同時に着信させる機能です。外部からかかってきた電話をどの電話機でも受けることができるので、オフィス内で担当者が電話に出られないときには、他の社員が代わりに電話を受けることが可能になります。また、全部の回線が通話中になるまで「話し中」にならないので、来客を待たせる時間を短縮できます。内線通話は、それぞれのビジネスホン専用電話機に割り当てられた「内線番号」を使用します。受話器をあげて通話したい内線番号を押すだけで、対応するビジネスホン専用電話機にかかります。主装置につながっているビジネスホン専用電話機同士ですので、通話料金は発生しません。内線通話は、コストをかけずに別室や他フロアの社員と連絡できるので、業務の効率が上がります。保留転送機能は、通話を保留にして内線で別な電話機に取り次ぐ機能です。外線にかかってきた電話の担当者が別の人だった場合に、保留ボタンで保留にしたまま担当者につないだり、内線番号を使って他フロアのビジネスホン専用電話機にまわしたりすることができます。
ビジネスホンは他機器と接続できる専用のユニットを使用して、インターホンや電気錠と連動させることができます。ビジネスホンと電気錠を連動させると、入退室の管理がしやすくなります。電気錠とは、電力で施解錠する錠のことをいいます。一般的な鍵は、鍵を差し込んで回すことで、鍵のかんぬき部分を動かして施解錠します。電気錠は、かんぬき部分を動かす動作を電力で行うため、常に施錠されたオートロックの状態になっています。鍵のかけ忘れがなく、認証手段のない部外者が解錠できないので、防犯性に優れています。訪問者は、インターホンやドアホンを使って呼び出し、内部から解錠してもらう必要があります。電気錠が設置されているオフィスでは、受付担当がいない場合は、インターホンに近いデスクの人が席を立ち、応対してから電気錠を解錠することが多くなり、来客の度に業務に支障をきたします。このような不便な状態を解消するには、電気錠との連動が役立ちます。
ビジネスホンと電気錠を連動させると、来客があったときビジネスホン専用電話機の内線機能で訪問を知らせます。その際に、ビジネスホン専用電話機に設定した電気錠の解錠ボタンを押すだけで解錠される仕組みです。内線機能で、来客の相手や訪問の要件を確認してから解錠するかどうか決められるので安全を保つことができ、来客のたびに席を立つ必要がなくなり、業務効率が上がります。電気錠が複数の場所に設置されている場合でも、それぞれをビジネスホンと連動させることが可能です。ビジネスホン専用電話機の内線ボタンに「正面玄関」「通用口」「搬入口」などそれぞれの名前を登録しておくと、光ったランプによってどの入口の電気錠から呼び出されたのかひと目で確認できます。
ビジネスホンと電気錠を連動させるには、主装置に電気錠と連動させる機能を組み込むユニットが内蔵されている必要があります。また、連動できる電気錠の数も主装置の機種によって違うため、事前に確認が必要です。ビジネスホンの主装置には、さまざまな機器が装備されているので、不用意に触れるとビジネスホンのシステム全体がダウンする可能性があります。そのため、ビジネスホンの取り付けや連動の工事は専門業者へ依頼してください。
カギ舎のお役立ち情報サイト
電気錠・リーダー 情報サイト
電気錠・電子錠 情報サイト
