ビジネスホンの交換が必要なとき
多くのオフィスで利用されているビジネスホンは、通話機能のほかにも転送機能など便利な機能が搭載されており機能性に優れている機器です。ビジネスホンは業務上毎日使用するものであるため、その交換時期を見極めることも非常に重要となります。この記事では、ビジネスホンの耐用年数や交換が必要となる不具合について、またビジネスホンの交換の際に重視すべき点などについて詳しくご紹介します。
◎ビジネスホンと家庭用電話機との違い
ビジネスホンとは主にオフィスなどで利用される複数の外線と内線を共有できる業務用の専用電話機のことを言います。ビジネスホンには多数のボタンが付いており、内線や外線機能のほかにも転送機能や留守番電話の録音機能などが備わっているため、使いこなすことにより業務効率をアップさせることが可能となっています。ビジネスホンを作動させるためには主装置が必要であり、電話機に複数のボタンがついていること、主装置につないで使用する点が一般的な家庭用電話機との違いです。また家庭用電話機では、家に複数台の電話機があった場合でも使える回線は1回線ですが、ビジネスホンでは電話番号がひとつしかなくても複数の電話機があれば契約した回線数だけ同時に通話対応することができます。MEやPBXとも呼ばれているビジネスホンの主装置は、電話回線とビジネスホンを中継する交換機のことを指して言います。主装置にはユニットと呼ばれる基盤があり、制御ユニットや多機能電話機内線ユニットなどそれぞれ機能や収容数が異なります。また契約する企業により光ファイバーを利用してデータの送信や受信を行う光回線、インターネット回線を用いたIP電話回線、デジタル信号を利用するISDN回線、アナログ信号によって通信するアナログ回線など、さまざまなタイプの電話回線サービスを利用することができます。ビジネスホンは、それぞれの電話機に内線番号を振り分けることにより、社内からほかのビジネスホンに転送し通話することが可能となっています。そのため、担当者が自席をはずしている場合でも内線電話を使用することで電話をかけてきた相手と通話することができます。業務の効率化や社員同士のスムーズなコミュニケーションだけでなく、内線電話同士の通話は料金が発生しないためコストパフォーマンスにも優れています。また、ビジネスホンは外線からの電話を他の部署につないだり留守番電話にメッセージを保存しておくことが可能となっています。

◎ビジネスホンの耐用年数
ビジネスホンには法令で定められている法定耐用年数があります。新品でビジネスホンや主装置を設置した場合、耐用年数は約6年、電話ケーブルの耐用年数は約10年と言われています。しかしこの耐用年数はあくまで目安であり、超えたからといってすぐにビジネスホンの交換をしなければならないというわけではありません。ビジネスホンや利用している環境や使用頻度にもよりますが、なかには10~15年使い続けている企業もあります。ただし、耐用年数を超えてビジネスホンを使用していると突然故障するリスクが高くなり、業務に支障が出たり取引先などに迷惑をかけることになってしまいます。また、ビジネスホンのメーカーごとに修理や交換の際に必要な部品の保有期限があります。耐用年数を超えて使用しているビジネスホンだと、故障してもメーカーに部品がないため修理を行えないことも想定されるため、早めにビジネスホンの交換を行うことをおすすめします。
◎ビジネスホンに見られる不具合
ビジネスホンの故障としてよくあるのが発信や着信の不良です。内線や外線から電話を受けることができない、電話しても相手につながらないといったトラブルがあげられます。たとえ電話はつながっても通話中にノイズや雑音が入ったり、通話が途切れるといった症状が起こります。ビジネスホンに液晶モニターがついている場合、普段であればモニターに相手方の電話番号や登録アドレスの情報など相手データが表示されますが、データが表示されなかったり正常に液晶画面が映らないといった不具合が発生することがあります。さまざまなビジネスホンの故障の原因として最も多いのはケーブルの断線であると言われています。ビジネスホンのケーブルが机や椅子などの下敷きになっていたり、直射日光を浴びている、また湿気の多い場所にケーブルがある場合は断線が起こりやすくなります。さらに、経年劣化により配線自体が傷んで断線を起こして電気が流れなくなることによりビジネスホンが正常に作動しなくなるケースもあります。断線しているかどうかは外側から見てもなかなか分かりにくいため、長期でビジネスホンを使っている場合は定期的に専門業者の点検を受けるようにしましょう。複数のビジネスホンに故障のような症状が見られるときは、主装置内に組み込まれているユニットの不具合が考えられます。主装置はオフィスの比較的目立たない場所に設置されることが多いことから掃除を忘れがちになるため、主装置のケースの隙間からホコリが侵入して内部回路の接触に不具合が起きて故障することがあります。主装置の基盤のなかでも制御系の基板であるCPUユニットは、ビジネスホンの情報処理をする特に重要な役割を担っています。CPUユニットは、24時間稼働し続けているため負担がかかりやすいため、内線や外線系の基板や機能系の基板などほかの基盤より早く劣化が進んでしまいます。しかし主装置内の基盤を見てもどの基板が何に使われているかなど素人目には分かりにくいため、専門業者に連絡して交換や修理を依頼すると良いでしょう。ビジネスホンにさまざまな不具合が起こると業務に支障をきたすため、急いで交換しなくてはと焦るかもしれませんが、交換の前に具体的にどのような症状が起きているのかを確認することも重要です。

◎交換の前に確認してみること
ビジネスホンの発着信ができない症状が見られたら、ビジネスホンの発信音や着信音の音量のボリュームを操作するボタンを押し、聞こえるかどうかをチェックしてみましょう。ビジネスホンの音量設定が高すぎると「ザーザー」といった雑音が聞こえることがあるため、そんなときはビジネスホン本体の音量を下げてみてください。ビジネスホンのコードレス子機が使用できない場合は親機と離れすぎてしまっている可能性があるため、1度ビジネスホンの親機に近い場所で子機が使えるかどうかチェックしてみましょう。ケーブルに足を引っかけたりなどすると接続が緩みビジネスホンがうまく動作しなくなることがあります。そんな際にはケーブルの配線がしっかりと接続されているか、コンセントや電源がきちんと入っているかどうかをチェックします。ほかのビジネスホンと入れ替えてみてそのビジネスホンが正常に作動するのであればケーブルではなくビジネスホン本体の故障だと判断でき本体の交換が必要であると分かりことがあります。複数のビジネスホンが故障している場合は、主装置に何らかの問題が起こっている可能性があります。その場合には主装置を再起動してみましょう。主装置の電源をオフにした状態で5分ほどそのままの状態にしておき再び電源を入れ直してみてください。それでも不具合が続くようであればビジネスホン主装置内のユニットやデータが故障し修理や交換が必要となるので専門業者などに連絡して交換を依頼しましょう。なお専門業者へビジネスホン交換の依頼を行う際には、不具合の状況を伝えるだけではなくビジネスホンの音量や配線の確認などを自身で試してみたことも一緒に伝えると良いでしょう。実際に不具合が見られた場合にはビジネスホンの交換が必要ですが、ほかにはどのようなときに交換が必要となるのでしょうか。
◎ビジネスホンの交換
ビジネスホンは耐用年数を超えたり、たびたび不具合が起こるようになった場合など、適切なタイミングで新しいビジネスホンに交換する必要があります。ビジネスホンの耐用年数は約6年となっており、それ以上使い続けると故障のリスクが高くなるためスムーズに会社での業務を行うためにも早めに買い替えを行うなど交換した方が良いでしょう。ビジネスホン本体のみが故障して交換する際にビジネスホンの設置台数が少ないオフィスであれば自身で本体だけを購入しビジネスホンの裏側にケーブルを接続することで交換することが可能です。ただしビジネスホンによって1台ずつに割り振られている整理番号であるTEN番号が設定しなければならなかったり、キーモードの設定を変更しなければならないなど、機種によっては本体の使用モードを変更する必要があります。またこれまでと異なる機種のビジネスホンに交換してしまうとうまく作動しないことがあるため、今まで使用してきた同じ機種や型番のビジネスホンを準備して設置しなければなりません。ビジネスホンはさまざまなメーカーから多くのシリーズが販売されているため、交換するためにビジネスホンを購入する際には機種や型番をよく確認する必要があるので専門業者へ依頼をした方が安心です。オフィスの規模が大きく数十台のビジネスホンの交換を行わなければならないという場合は手間や時間がかかるため、専門業者へ交換を依頼しましょう。ビジネスホンの交換を業者に依頼する場合、ビジネスホンに関しての知識やビジネスホン交換の豊富な経験を持つ業者、電話配線工事やケーブル工事を請け負っている専門業者などに相談しましょう。特にまだ耐用年数までには期間があるけど業務の効率化のため新しい機能を搭載したビジネスホンに交換したいという場合や、交換するビジネスホンの機種や台数などを選ぶ際に迷った際には専門の知識を持つ業者からアドバイスを受けるのが最適です。交換するビジネスホンのメーカーと機種名、ビジネスホンの機器や電話回線の種類、必要なビジネスホンの台数などについて業者と打ち合わせを行い、現地調査したあと正式に契約し工事の日程を決定します。オフィスの広さやビジネスホンの設置台数などにより異なりますが、ビジネスホンの交換は数台程度であれば数時間程度、20台以上の交換となると1日以上かかることがあります。ビジネスホンの切り替え作業を行う15分程度はビジネスホンの使用を止める必要がありますが、それ以外はビジネスホンを使用できる状態で交換工事を進めることが可能です。ビジネスホンの主装置を交換する場合は、電話の配線工事が必要となります。電気通信事業法において電話配線については国家資格である工事担任を保有する作業者が監督、もしくは工事をすることが義務付けられています。資格を保有していない作業者が工事をすることは違法であり違反すると罰金が課せられるケースもあります。耐用年数を過ぎたビジネスホンや主装置、配線の経年劣化などにより交換する場合には、古いビジネスホンの取り外しや新しい機器の接続、電話配線、LANケーブルの配線や電話機の設定作業なども行わなければならないため、資格保持者による作業が必須となります。

◎ビジネスホンを交換する業者の選び方
ビジネスホンを交換する場合かかる費用は業者によって差があるので、ビジネスホンの交換を依頼する際は、最初に費用の見積もりを出してもらい確認を行いましょう。作業費はもちろん出張費などが見積もりのなかに含まれているかどうかチェックすることが大切です。交換後の保証やアフターフォローなどもあるかも事前に確認しておきましょう。見積もりを見ても内訳が分かりにくくビジネスホンを交換する際の具体的な費用を明確にしない業者は、施工当日に追加料金を上乗せしてくるなど、後にトラブルが発生する可能性が高いため要注意です。悪徳な業者のなかには無免許で工事を行うケースもあるため、依頼する業者のビジネスホンの修理や交換工事に関して実績とともに資格を所有しているかをよく確認しておきましょう。ビジネスホンの交換後に保証期間やアフターフォローがないと工事後に何らかの不具合が発生した際に、再び高額の費用がかかるリスクが生じるため注意しましょう。
◎まとめ
ビジネスホンは耐用年数を過ぎて使用したり不具合を無視して使い続けていると、ある日突然使えなくなってしまうことがあります。通常業務に支障をきたすことが考えられるため気になる症状が見られたら早めに交換することが大切です。鍵の専門業者であるカギ舎では鍵に関する依頼のほかに、ビジネスホンの交換や修理などの依頼、相談にも応じています。故障をきっかけとして古いビジネスホンから新しい機種に交換したい、また新たにオフィスにビジネスホンを導入したいと検討している企業さまは、ぜひカギ舎へご相談ください。