玄関ドアや窓における鍵の防犯対策
犯罪はいつどこで、誰が被害に合うかわかりません。住宅においては玄関ドアや窓を狙った空き巣などの侵入犯罪があとを絶ちません。犯罪に遭わないためには、ひとりひとりが高い防犯意識と正しい防犯知識を知ることで、侵入犯罪を未然に防ぐことにつながります。住宅の玄関ドアの鍵や窓のクレセント錠は、大切な財産や物を守るための役割があります。玄関ドアに鍵を2つ設置するワンドアツーロックで防犯性を高くしたり、窓には鍵付きのクレセント錠や補助錠を設置し防犯対策をすることで、空き巣被害のリスクを軽減できます。玄関ドアの鍵にはピッキングされやすい鍵や不法侵入に強い防犯性の高い鍵など、鍵の種類によって異なります。この記事は、玄関ドアや窓の防犯対策、および補助錠の取り付けでワンドアツーロックにする方法などをご紹介します。
◎住宅で防犯対策の重要性
住宅などを狙って建物内に不法侵入する犯罪のことを侵入犯罪といいます。侵入犯罪は、凶器などで脅かし金品を強盗する侵入強盗と、金品を盗む侵入窃盗があげられます。もっとも多い住宅対象侵入窃盗の手口としては、不在中の住宅の屋内に不法侵入し金品を盗む空き巣や、夜間の就寝時を狙って住宅内に侵入して金品を盗むことが目的の忍込み、家に人が居るすきを狙って金品を盗む居空きの3つがあります。警視庁のデータによると、平成16年から侵入窃盗のうち住宅対象侵入窃盗は減少傾向にあり、令和4年には1万5,692件と前年比よりさらに-9.2%減少しています。しかし1日当たり約43件も発生しており、未だ多くの住宅が被害に遭っていることがわかります。侵入窃盗の発生場所別では、一戸建住宅が33.0%ともっとも多く、共同住宅も含めると住宅だけで45.1%にもなります。侵入窃盗の手口別では、留守の隙に侵入する空き巣の手口がもっとも多く、全体の約1/3を占めています。住宅の侵入手口では、無締りでの被害が最多となっており、どんな防犯性が高い鍵をつけても、無締りでは意味がないことがわかります。普段から短い時間の外出でも、戸締まりをする防犯意識が求められます。無締り被害の次に多いのが、合鍵や道具を使用したドア錠破りやガラス破りです。侵入犯はドライバーなどの工具を持って、出入口や勝手口、窓などから侵入してきます。主な侵入手口では、ガラス破りやドア錠こじ破り、ピッキング、サムターン回し、カム送り解除があげられます。ガラス破りとは、窓ガラスを破壊し、その穴に手を入れて窓を解錠して侵入する手口です。具体的な手法としては、こじ破り、焼き破り、打ち破りなどの方法で窓ガラスを破壊します。こじ破りとは、錠前周辺のガラスを破壊する手法で、マイナスドライバーで錠前近くの窓ガラスとサッシの境目に差し込んで、窓ガラスを小さくカットし、指や手を入れて解除する手法です。焼き破りは、あらかじめクレセント錠の付近をバーナーなどで熱してから、冷却スプレーや水などで急激に冷やしてから、窓ガラスを破壊する手法になります。焼き破りは熱衝撃によるもので、簡単に行えて短時間で破壊が可能なことから、近年広まっているので、防犯対策が求められます。打ち破りとは、バールやドライバーなどの道具を用いて窓ガラスを叩き割り破壊する手法です。大きな音がするため、周りの目が気にならない場所で行われる手口です。ガラス破りのこじ開けと同様の手法であるドア錠こじ破りは、ドアとドアの枠の隙間にバールなどを差し込んで、てこの原理で錠をこじ開け、住宅の室内に侵入する方法です。強引な開け方ですが、ピッキングのような特別な技法が必要でなく、誰でも短時間でドアが開けられることから、よく使われる手口のひとつです。ピッキングとは、ピックと呼ばれる特殊な小型金属製の棒を用いて玄関ドアの鍵穴に差し込み、ドアの錠前を破壊することなく解錠されて屋内に侵入することをいいます。ピッキング手口に対応されていない錠前だと、いとも簡単に解除されてしまいます。ピッキングの犯行はドア錠こじ破りのように、ドアの見た目ではわからないため、発見が遅れる場合があります。ピッキングとは、本来は鍵を無くした時に鍵を開けるなどの錠前技術者が行う行為です。ピッキング犯は、それを悪用して玄関ドアなどを不法に解除してから住居に侵入し犯行を行います。ピッキングは平成12年頃をピークに、集合住宅に多く取り付けられているシリンダー錠を中心に被害が多発しました。サムターン回しは、玄関ドアの外側にドリルなどで穴を開けて、玄関ドアの室内側についているサムターンを、穴から金属の棒を使って強引にロック解除する手法です。サムターンとは、ドアの室内側に付いているつまみで、つまみを回してドアの施錠、解除をします。サムターン回しには、ドアスコープやドアの郵便受けなどを狙って犯行に及ぶので、防犯グッズなどで対策することが必要です。カム送り解除とは、シリンダーを浮かせてその隙間から特殊工具を用いて、直接錠ケースを攻撃しデットボルトに働きかけて解除する手口で、バイパス解錠とも呼ばれます。シリンダーを引っ張って動くようであれば、カム送り解除される可能性があるので注意しましょう。ピッキングなどにより住宅侵入犯罪が増加したことを受けた政府は、侵入被害を防止するため「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」、いわゆるピッキング防止法が平成15年6月に施行されました。一定の条件を満たしたドライバーやバールなど、法で指定された工具を正当な理由がなく所持していることや、カバンやポケットに隠し持っていると、1年以下の懲役もしくは、50万円以下の罰金となります。侵入者は常に簡単に侵入できる手口を考えています。家族の安全や大切なものを守るために、住宅の玄関ドア、勝手口、窓などの防犯対策をすることで侵入犯罪を抑止させることが期待できます。

◎玄関ドアや勝手口に使われている防犯性の低い鍵
侵入犯罪に遭わないために、防犯対策を講じることが必要になります。住宅の玄関ドアには、不法侵入されやすい鍵と防犯性が高く侵入されにくい鍵があります。侵入されやすい鍵は、ディスクシリンダー錠、ピンシリンダー錠などがあげられ、一般的に防犯性が低い鍵といわれています。ディスクシリンダー錠とは、2000年以前に建てられた建物にもっとも多く取り付けられている鍵のひとつです。鍵の両側に山型の刻みが入っており、シリンダーの鍵穴が「く」の字になっていることが特徴です。ディスクシリンダー錠は1950年代から販売されており、戸建て住宅や集合住宅などさまざまな場所に使用されています。ディスクシリンダー錠は、手ごろな価格で誰でも気軽に選ぶことができる反面、防犯性が低くピッキングされやすいという弱点があり、1990年頃からディスクシリンダー錠を狙ったピッキング被害が多く報告されました。それを受けディスクシリンダー錠は、2000年に国内生産は終了しており、現在は販売されていません。ピンシリンダー錠とは、鍵の片方がギザギザしており、もう片方が真っ直ぐの形状でシンプルな鍵のことです。ピンシリンダー錠は、シリンダーの内部でピンタンブラーと言うピン状の障害物でピンシリンダー錠の回転を妨げています。キーを正しく差し込むと、ピンが上下の間のシャーラインが内筒と外筒の間に揃って回転し、解除できる仕組みになっています。ピンシリンダー錠の構造上、針金やヘアピンなどで解錠することが可能なため、防犯性能はあまり高いとはいえないものの、鍵を複数付けたいときに比較的価格がリーズナブルなことが特徴です。そのほかにも、インテグラル錠や円筒錠も玄関ドアには防犯性が低い鍵といえます。インテグラル錠は、ドアノブと鍵穴が一体化している形状になっています。インテグラル錠は、ドアノブと鍵穴が一体化している形状になっています。外側のドアノブ部分に鍵穴と、内側のドアノブの中央にあるサムターンと言うつまみを回してインテグラル錠の施錠、解除を行います。昭和30年代の戸建て住宅やマンションに多く取り付けられていましたが、防犯性が低いことから近年では玄関ドアの鍵ではなく、室内側のトイレや会議室などに使用されています。しかし、数十年前に建てられた一戸建て住宅やマンションの玄関ドアや勝手口などに使用されていることもまだまだ多いです。インテグラル錠のメリットは、安価な鍵でシンプルな構造のため、取り付ける工事費も安く抑えられます。円筒錠はインテグラル錠と似た形状で、モノロックとも呼ばれています。インテグラル錠はドアノブの内側のサムターンで施解錠する一方で、円筒錠はドアノブの内側中心部にあるボタンを押して施錠し、ドアノブを回して解除します。円筒錠は構造上、一定の方向から衝撃に与えると内部のロックが外れることから、ピッキング犯に狙われやすいため注意が必要です。このように玄関ドアに防犯性が低い鍵を使用していると、侵入窃盗犯に狙われるリスクが高まります。仮に防犯性が低い鍵を玄関ドアに使用しているのであれば、防犯性能が高い鍵に交換や補助錠を追加するなどの防犯対策をとることを検討しましょう。

◎玄関ドアや勝手口に効果的な防犯対策
玄関ドアの鍵を不正解除して侵入されないよう防犯対策をするには、耐ピッキング性能や耐鍵穴壊し性能が高い鍵を選ぶことが大切です。耐ピッキング性能とはピッキングによる解除までにかかる時間で、耐鍵穴壊し性能とはシリンダーを破壊して解除までにかかる時間を示しています。侵入者が玄関ドアの鍵を不正解除するときには周りの目を気にしているため、解除までに要する時間が5分かかると約7割があきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめるとされています。鍵には、耐ピッキング性能や耐鍵穴壊し性能の時間が10分以上、5分以上、5分未満などと表示がされています。つまり耐ピッキング性能や耐鍵穴壊し性能の時間が長いほど防犯性が高い鍵といえます。鍵には防犯性能が高いさまざまな種類の鍵があります。なかでも、ディンプルキーは複雑な仕組みのためピッキングに時間がかかり、複製も難しいことから防犯に優れた鍵といえます。ディンプルキーは、鍵の表面に小さな丸いくぼみがいくつもあいているのが特徴です。2000年以降に防犯性の高い鍵として主流になり、賃貸物件のアパートやマンションにおいても防犯意識が高まっていることから、ディンプルキーを採用している物件は増加傾向にあります。防犯性に優れたディンプルキーのなかでも、耐ピッキング性能や耐鍵穴壊し性能が高いディンプルキーがあります。GOALのV-18シリンダーは、18本の高精度ピンのすべてがアンチピッキングピンになっており、耐ピッキング性能が10分以上と高い防犯性能を誇っているディンプルキーです。電動ドリルなどの工具を使用した不正解錠にも強く、防犯システムのセキュリティIDカードシステムを付加すると、第三者による不正な複製を防ぐことが可能です。MIWAのPRシリンダーは、メインタンブラーとサイドタンブラーの2WAY構造で、すべてのタンブラーが同時に揃わないと回転しないロータリータンブラー内蔵のディンプルキーになっています。非常に繊細なつくりのため耐ピッキング性能が高い鍵で、シリンダー内は高硬度部品を複数使用しているため、ドリル攻撃にも耐える強固なもので防犯効果が期待できます。またキーはリバーシブルのため、向きを気にすることなく施解錠ができます。ドルマカバ(旧KABA)のカバスタープラスは、鍵登録システムをおこなうため、持ち主以外の人が勝手に複製することができません。ピン配置が5列最大26ポジションで、膨大な鍵違い数により耐ピッキング性能も非常に高く、耐鍵穴壊し性能も超硬ピンを内蔵しているため10分以上と、防犯性が優れている鍵です。ディンプルキー以外にも防犯性能が高い鍵は複数あります。トラブルに強いウェーブキーは、波型のような模様の刻みが特徴で、鍵穴にスルッと滑らかに差し込めます。ピッキング道具が差し込めない構造の防犯性の優れたサイドバー式を採用しており、耐ピッキング性能は10分以上を誇っています。マグネットタンブラーシリンダーキーとは、シリンダーの内部のタンブラーにマグネットを使用したキーを指します。すべてのS極とN極の配列が合うとシリンダーの内筒が回転して施解錠されます。タンブラーが鍵穴内に露出してないため、ピックなどを使用したピッキングは極めて困難で防犯効果が高いシリンダーキーといえます。ロータリーディスクタンブラーキーとは、キーはディスクシリンダーとほぼ同じ形状で、キーの両側にギザギザが刻まれています。シリンダーに内部にロッキングバーと呼ばれるタンブラーでロックされており、さらに防犯システムの複数のダミーも含まれているため、よりピッキングに強い構造になっています。防犯性が高い鍵を選ぶ際にチェックしたいポイントは、登録制シリンダーを利用することで複製を防止できる点があげられます。登録した持ち主以外はスペアキーが作れないシステムなので、鍵の複製が難しいタイプのキーは防犯性が高いといえます。防犯性が高い鍵の目安としてはCPマーク付き錠を選ぶとよいでしょう。CPマークとは、防犯性能が高い建物部品につけており、侵入に5分以上を要する防犯性能の高い建築部品と認定された商品のことを指します。CPマークはサッシ、ガラス、防犯フィルム、鍵、などさまざまな建物部品に表示されています。リフォーム工事で防犯対策を強化したいのであれば、CPマーク付き錠だけでなく、窓ガラスやサッシなどもCPマークのものにするとさらに防犯性が高まります。玄関ドアや勝手口の防犯対策を強化するには、玄関ドアの鍵の周りにもうひとつ鍵を設置することや、防犯グッズの防犯対策部品を設置することも有効です。玄関ドアの主錠を補助する役割の補助錠や、内側から取り付けるドアチェーンも防犯性を高めます。ドアの隙間にバールなどをさしこみドア錠を破壊するこじ破りによる侵入を未然に防ぐために、ガードプレートを取り付けることも防犯対策に効果的です。ガードプレートは、ドアとドアの隙間を隠すように設置しデットボルトも見えなくなります。取り付けはドライバーがあれば簡単に設置できるタイプや、取付工事が必要なタイプがあります。さらにサムターン回し対策には、ドアの内側にサムターンに覆うようにサムターンカバーを取り付けることで、防犯性を強化し不法に解除されることを防ぎます。サムターン自体を工夫されているものも複数あります。サムターンに鍵が付いているタイプ、サムターン自体を押さないと回らないタイプ、サムターンの形状が卵型で紐などが引っかかりにくく工夫されたタイプ、着脱式のサムターンタイプ、均等に負荷をかけないと回らないサムターンのタイプなどがあり、サムターン回しの防犯対策に非常に有効です。このような防犯対策を利用することで、不法侵入の被害を未然に防ぐことが可能です。もし玄関ドアや勝手口の鍵に古いタイプや防犯性が低い鍵を使用しているのであれば、空き巣に狙われないように防犯対策を行うことが大切です。

◎住宅の窓に効果的な防犯対策
部屋やトイレ、お風呂など窓の数は意外と多いものです。玄関ドアは防犯対策の意識が高くなっていることから、ピッキングされにくい鍵が増えています。そのため、住宅侵入窃盗の侵入口は窓からがもっとも多くなっています。クレセント錠の近くの窓ガラスを破り、そこから手を差し込んでクレセント錠を解錠して侵入をしていきます。特に、1階の窓や人目につかない窓などは空き巣や泥棒に狙われやすいため、窓の防犯性を高めることが求められます。窓のクレセント錠をしっかりと締めていても、一般的な窓ガラスは侵入者によっていとも簡単に破壊されてしまいます。戸建て住宅やマンションなどの窓ガラスには、網入りガラスや複層ガラスなどが使用されています。網入りガラスは、火災時にガラスが飛び散らないように特化していますが、侵入犯は小さな穴があけばそこからクレセント錠を操作してしまうので、防犯的には万全でないといえます。また一般家庭に普及率が高い複層ガラスは、2枚の窓ガラスの間に中間材を挟み込み、断熱性が高い窓ガラスですが、侵入犯の手口では突破されてしまいます。防犯性を重視するのであれば、窓ガラスはすぐに破られない防犯ガラスや防犯性能の高いCPマーク付きの窓ガラスを選びましょう。窓ガラスをそう簡単に交換できない場合は、窓に防犯グッズの防犯フィルムを貼ることも、空き巣の侵入を妨げます。窓ガラス全体に防犯フィルムを貼ることで、防犯ガラスと同様の効果が得られます。窓用の補助ロックは、窓サッシに付いているクレセント錠に加えて付ける錠で、窓用補助錠のことを指します。取り付けることでクレセント錠を開けられても補助ロックで窓が開かないようにできます。補助ロックを設置することによって、空き巣が手間と時間がかかり犯行を抑止することができます。窓の防犯性を高めたい場合は、窓サッシの補助ロックを設置し、窓からの侵入を阻止しましょう。補助ロックの取り付け方法には簡単に設置できるものも多く、テープで貼り付けるタイプや、何度も設置が可能の差し込むタイプ、防犯性に優れた鍵付き差し込みタイプなどがあります。防犯以外の用途としては少し窓を開けて換気ができることや、小さな子どもが勝手にクレセント錠を開けないように、補助ロックを手の届かない所に設置することで転落防止の役にも立っています。補助ロックを追加で設置するのではなく、窓に付いているクレセント錠に細工を施すタイプの防犯性グッズもとても効果的です。クレセント錠はもともと、防犯のために付いているのではなく、防音のためについているものになります。そのため、レバーハンドルを上下するだけで簡単に施解錠できる仕組みとなっています。クレセント錠には防犯能力を補強する、鍵付きタイプがあります。鍵付きのクレセント錠は、施錠した状態でキーをかけるとロックされ、キーで解除しないとクレセント錠が動かないようになっています。さらにクレセント錠にダイヤルロックが付いていて、暗証番号が合わないと開かないタイプもあります。侵入者は窓ガラスを壊したとしてもクレセント錠が開かなければ侵入できないため、付加機能によって防犯性が向上します。そのほかにも、人目につかない場所などにある窓には窓の外側に面格子を取り付けることや、窓シャッターを導入することは、視覚的にわかるので防犯の抑止力が期待できます。不在にする際には、雨戸等を閉めるなどして防犯意識を高めましょう。

◎防犯性を高めるワンドアツーロック
防犯のため玄関ドアには最低1個は鍵が設置されています。防犯性を高めるためにワンドアツーロックの設置が増加しています。ワンドアツーロックとは、1つのドアに対して2つの鍵が設置されている状態のことを指します。ワンドアツーロックのメリットは、鍵が増えることで防犯性が高まるだけでなく、侵入犯によるピッキングやロックを解錠に要する時間を引き伸ばすことで防犯効果が期待できます。侵入犯が犯行を行う前に「侵入しやすい家か」などの下見を行っているケースが多いとされています。玄関ドアや窓などに2重ロックされていると不正解錠に時間がかかるため、侵入犯には不利な条件となり対象から外れやすくなります。ワンドアツーロックは、一般的には同じ種類のキーを使用することが多いですが、主錠と異なる補助錠を取り付けることも可能です。2種類のキーを持ち歩くことになりますが、防犯効果が高まります。玄関ドアなどをワンドアツーロックするには、錠前そのものを交換する方法、錠前をひとつ追加する方法、簡易なタイプの補助錠を追加する方法があります。錠前そのものを交換する場合は、錠前自体がツーロックになっているものを選びましょう。つまり錠前の鍵穴は2つありますが、キーを2本所持するのではなく、1本のキーでドアに開け閉めができます。設置費用は錠前を追加する方法より高いことが多いです。錠前を追加する場合は、面付本締錠や本締錠などの補助錠が適しています。面付けとは、ドアの外側に取り付けるタイプの錠前です。面付けタイプの補助錠のなかでも面付本締錠は、デットボルトが外側から見えない構造になっているため防犯性が高く、ドアのこじ開けやバールなどの攻撃に強い特徴があります。防犯性が高いことから主錠のほかに補助錠としても多く使用されています。本締錠は、キーやサムターンで解錠するデットボルトのみが付いている鍵のことで、見た目がすっきりした印象になります。簡易なタイプの補助錠の取り付けには、穴を開けて取り付けるタイプや両面テープで取り付けるタイプなど防犯効果があがるさまざまな種類が存在します。補助錠の取り付け場所には、玄関ドアの外側に取り付ける外付け型とドアの内側に取り付ける内付け型があります。外付け型は見た目で「防犯対策しています」と防犯意識の高さをアピールすることができます。一方で施錠する際に、なかに人がいると締め出される恐れがあるので、同居人がいる場合は使い方を共有しておきましょう。内付け型は、表から見えないため侵入者からピッキングされることがなく、在宅中や就寝中などに安心です。また内付けは認知症の高齢者の方がいる家族が寝ている間に、1人で勝手に出ていかないようにできるので命を守ることにつながります。引き戸タイプの補助錠は、ドアやドア枠に穴を開けて取り付ける防犯性が高いタイプや、粘着テープ・ネジで止める取り付ける簡易なタイプがあります。防犯対策のための補助錠は、玄関ドアや勝手口などの目的に合わせた防犯システムの補助錠を選ぶとよいでしょう。

◎敷地内の侵入を防ぐ防犯対策
侵入窃盗犯から狙われやすい侵入口において、住宅の玄関ドアや窓のクレセント錠周りの防犯対策はもちろんですが、庭などの防犯対策がされていなければ、住宅の敷地内に侵入されてしまう恐れがあります。そのため庭などの敷地内に侵入されることも防ぐ防犯対策もしっかり行いましょう。自宅の庭や玄関口といった家の回りに砂利を引くと防犯対策に有効です。砂利の上を人が歩くとサクサクと音がします。空き巣は、足音がすると周囲に気が付かれてしまうかもしれないので砂利の音を嫌います。砂利の音が大きく鳴るように砂利を多めに敷くとより防犯効果が期待できます。戸建て住宅の場合では、庭は泥棒が隠れる場所としてもってこいなので、なるべく植栽などは剪定して見通しをよくすることで防犯対策につながります。ブロック塀は死角になりやすく、塀、柵などは侵入犯が乗り越えられない高さにしたり、見通しのよいフェンスタイプにすると効果的です。庭には足場になるバケツや脚立などは倉庫などにしまい、足場になる可能性があるものは置かないようにしましょう。モニター付きインターホンや防犯カメラの導入も増加しています。モニター付きのインターホンは、訪問者の顔やインターホン前の様子が家のなかから確認できます。モニターも広角カメラで左右がしっかり映るパノラマワイドや、録画機能付きのインターホンもあり、住宅の防犯につながります。防犯カメラは、オフィスや店舗など街中のさまざまな場所に設置されていますが、戸建て住宅やマンションに導入されることも増えています。防犯カメラは家のなかにいても外の様子を見ることができるほか、録画機能も付いているので、不在中でも後から確認することが可能です。防犯カメラは、空き巣に防犯対策をしっかりしている住宅だと周知させることができるため、空き巣の侵入を防止することができます。防犯カメラの設置場所は、玄関先やガレージ前のほか住宅の死角となる場所などに取り付けると効果的です。防犯対策の目的のためにセンサーライトをつけることも不審者の侵入を防止します。センサーライトとは、通常はライトがオフの状態ですが、センター側で人や動物などの動きがあると反応してライトがオンになると点灯するライトのことです。空き巣が犯罪を行うときは目立たないように暗闇を好んで行動します。センサーライトは不審者が忍び寄るときに突然のライトで威嚇します。住宅周りの防犯の死角をセンサーライトでなくしましょう。不在中に洗濯物をベランダに干しっぱなしにする家がありますが、雨が降っても洗濯物が干されたままや、暗くても取り込まれていないなど、洗濯物が干された状態だと留守中であることが悟られる可能性があります。侵入犯に目を付けられないように長時間不在になる場合は、洗濯物は部屋干しにする方が防犯面では安全です。侵入犯は、連帯感のある地域住民を好みません。近所の人の声かけやあいさつなどの近所づきあいを大切にすることで、防犯意識を持ち犯罪が起きにくい街づくりにつながります。

◎まとめ
侵入犯の多くは、玄関ドアや窓から侵入を試みます。空き巣の被害に遭わないために、玄関ドアや窓の防犯対策は非常に有効な手段です。侵入犯が手間と時間がかかるワンドアツーロックは玄関ドアや勝手口はもちろん、窓やサッシに取り付けることで防犯性能を格段に高めることができます。鍵の寿命は約10年と言われています。もしも防犯性の低い古いタイプの鍵であれば、トラブルが起きる前に防犯性の高い鍵に交換しましょう。カギ舎の鍵交換は、施工後2年間保証のサポート体制と確かな技術者が施工を行い、お見積りは無料です。お困りの際はご連絡いただければ迅速に対応いたします。当社では、防犯性が高い鍵やCPマーク付鍵など取り揃えております。玄関の周りや窓の周りの防犯対策をお考えの方はカギ舎へご一報ください。