自動ドアの出入りを管理するカードリーダーの後付け導入
自動ドアは、近づいた人を検知して開く仕組みになっており、関係者か部外者かを区別しているわけではありません。営業時間中は誰でも通行できる状態が続き、人の出入りが増えるほど自動ドアのセキュリティに対する不安は高まります。近年はこうした課題への対策ひとつとして、カードによる認証を後付けし、通行できる人を限定する方法が広がっています。この記事では、自動ドアの仕組みと鍵が抱えるセキュリティ課題、カードリーダーを後付けするポイント、後付けに対応したカードリーダーKJ-150をご紹介します。
◎人を検知して安全に開閉する自動ドアの仕組み
店舗やオフィス、マンションなど、さまざまな場所で使われている自動ドアは、人や物が近づくとセンサーが検知し、ドアが自動的に開閉する設備です。センサー、コントローラー、モーターという3つの装置が連携して作動し、人を検知すると開き、通過後は一定時間が経つと自動で閉まります。便利な仕組みである一方、こうした自動開閉の仕組みだけでは、通行してよい人かどうかまでは区別できません。自動ドアのセキュリティを見直すには、まずこの仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
自動ドアが開くきっかけになるのがセンサーです。ドアの周辺に設置されたセンサーが、人が近づいてきたことを検知すると、その情報をコントローラーに伝えます。コントローラーは自動ドアの頭脳にあたり、ドアをどのタイミングで開き、どれくらいの時間開けたままにし、どれくらいの速さで閉じるのかを判断する制御装置です。判断結果はモーターに伝えられ、モーターの回転がベルトを介してドアに伝わることで、実際のドアの開閉動作が行われます。
センサーの検知方式にはいくつかの種類があり、赤外線で人の動きや熱を捉えるタイプが広く使われています。近年は、ドアに触れずに手をかざすだけで開く非接触スイッチや直接触れて操作するタッチスイッチを組み合わせた機種も増えました。センサーの種類によって検知できる範囲や感度が異なるため、自動ドアを設置する場所の環境にあわせて選ばれています。
自動ドアには、通行する人を守るための安全機構も備わっています。人が近づけば開くという利便性の裏側で、事故を防ぐ仕組みがあります。ドアの開閉を判断する起点センサーとは別に、ドア周辺には補助センサーや保護センサーが設置されており、通行中の人や物を検知している間はドアが閉まらない仕組みです。閉まりかけたところに人が入ってきた場合は、動作を停止したり反転させたりして、挟み込みを防ぎます。自動ドアが閉じる速度そのものも緩やかに設定されています。
ここでおさえておきたいのは、これらの仕組みがすべて、人を挟まない、傷つけないための安全装置であって、誰を通すかを判断するものではないという点です。自動ドアのセンサーは人がそこにいることを検知できても、その人が関係者なのか部外者なのかまでは判断できません。安全のために緩やかに閉じる設計や、人を検知し続けている間は閉まらない仕組みは、セキュリティ面では弱点にもなります。自動ドアの安全性と防犯性は別のもので、自動ドアがどれだけ高い安全性を備えていても、通行できる人を限定し、セキュリティを高めるには、施錠と解錠の仕組みを新たに整える必要があります。
◎自動ドアの鍵が抱えるセキュリティ課題
自動で開閉する自動ドアにも、建物を閉めるための施錠の仕組みが備わっています。一般的な玄関ドアとは異なり、自動ドアの鍵は左右のドアが閉じ合わさった状態で、ドアが動かないように固定されています。多くの自動ドアの鍵は、ドアの戸先や下部などに取り付けられており、鍵を回すことでデッドボルトと呼ばれるかんぬき状の金具が受け穴に入り、固定される仕組みです。電源を切っただけでは施錠されず、鍵による操作があってはじめてドアが固定されるという点が、自動ドアの施錠の特長です。
施錠方法には、物理的な鍵を使うもののほか、電気信号によって施錠・解錠する電気錠などがあります。自動ドアの施錠に使われる代表的な物理的な鍵がシリンダー錠です。鍵穴に鍵を差し込んで回すことで施錠します。鍵という手段を使う以上、ピッキングによる不正な解錠や、鍵の複製といったリスクは避けられません。さらに、複製された鍵は外見上、正規の鍵と見分けがつきません。合鍵が不正に作られていたとしても、鍵そのものからは誰が持っているのかを把握できずセキュリティ面での不安は残ります。日々の運用面でも負担は生じます。人が増えるたびに合鍵を作る必要があり本数を管理しなければなりません。自動ドアの鍵を借りたまま返却されない、退職時に回収できていないといった状態も起こり得ます。紛失が判明すればシリンダーごと交換することになり、費用と時間の両方を要します。加えて、自動ドアの施錠は最終退勤者による操作に依存しているため、閉め忘れのリスクもあり、人が行う作業である以上ミスを完全に無くすことは難しいのが現状です。
一方、電気錠は電気信号によって施解錠を制御する錠前で、鍵穴そのものが存在しないため、ピッキングによる不正な解錠のリスクをおさえられます。ただし、電気錠を設置しただけでは解錠されず、カードや暗証番号、指紋や顔などの認証を行うリーダーの設置が別途必要です。こうした認証機器と組み合わせることで、通行できる人を機器の側で判断できるようになります。電源を使う仕組みである以上、停電時にどう動作するか、設置にかかる工事の規模も導入前に確認しておきたい点です。物理鍵や電気錠は、解錠されている間は、通行しようとする相手が関係者かどうかに関わらずドアが開きます。たとえば営業時間中に自動ドアを常時解錠しているオフィスや施設では、関係者だけでなく部外者も入室できる状態になってしまいます。自動ドアのセキュリティを高めるには、営業時間中であっても常に施錠した状態を保ち、関係者が通行するときだけ認証によって解錠する仕組みを取り入れることが重要です。
◎自動ドアにカードリーダーを後付けするポイント
自動ドアの出入りを管理する仕組みとして広く使われているのがカード認証です。カードリーダーにカードをかざすと、内蔵されたICチップの識別情報が読み取られ、あらかじめ登録された情報と照合されます。一致した場合にのみ解錠の信号が出るため、登録されていないカードでは通行できません。一般的な入退室管理では、認証を担当するカードリーダーと、施解錠を担当する電気錠を組み合わせて使用します。カードリーダーが認証し、その信号を受けた電気錠が解錠し、自動ドアを開けるという役割分担です。
カードリーダーの中には、自動ドアがセンサーの信号で開閉する仕組みを利用し、カード認証と連動させられる製品もあります。たとえば、カードリーダーを自動ドアのセンサーの配線につなぎ、認証された場合だけ開閉動作を許可する方式です。この方式では、センサーが人を検知しただけではドアは開かず、登録されたカードをかざして認証された場合にのみ開くようにできます。既存の自動ドアが開閉する仕組みを活用できるため、電気錠を別途設置する方式と比べて、工事の負担をおさえられます。認証が必要になるのは外側のセンサーだけで、内側からの退室には既存のセンサーがそのまま使われるため、室内からは従来通りドアに近づくだけで自動ドアが開閉します。カード認証を後付けする際に確認しておきたいのが、ICカードの規格です。ICチップにはいくつかの規格があり、交通系ICで使われるFeliCaや、オフィスや施設で広く利用されているMIFAREなどが代表的です。使用したいカードと、自動ドアに設置する機器が対応している規格が一致しているかをあらかじめ確認しておく必要があります。
運用面での大きな利点は、カードを1枚ずつ登録したり、削除したりできることです。自動ドアで物理的な鍵を配る運用では、鍵の本数を増やすたびに合鍵を作る必要がありました。カード認証であれば、人が増えたときはカードの登録を追加し、退職や異動があったときは登録を削除するだけで、通行できる人を整理できます。紛失した場合も、該当カードの登録を削除・無効化できるため、物理鍵のようにシリンダーを交換せずに対応できます。暗証番号のように、番号を利用者間で共有することによって認証情報が広がるリスクもおさえられるため、カード認証は自動ドアの管理がしやすい方法のひとつといえます。なお、誰がいつ通行したかという履歴まで管理したい場合は、履歴管理機能を備えた入退室管理システムなどが必要です。一方、通行できる人を限定することが目的なら、単独で動作するカードリーダーを選ぶことで、シンプルな運用ができます。
導入にあたっては、いくつか確認しておきたい点があります。使用中の自動ドアに後付けできるかどうかは事前の確認が必要です。屋外など雨風にさらされる可能性がある場所への設置の際は、機器が防水防塵性能を備えているかも見ておきたいところです。カードを持たない来客への対応方法も、あらかじめ決めておくことでスムーズな運用ができます。カード認証は電気の力で動作するため、停電時にどう動作するかも重要な確認事項で、避難経路として使用する出入口の自動ドアであれば、非常時に開放できる仕組みになっているかの確認が必要です。
◎既存の自動ドアに導入できるカードリーダーKJ-150
KJ TECH japanのKJ-150は、自動ドアへの後付けに対応したカード・暗証番号リーダーです。カード認証と暗証番号認証の両方に対応しており、どちらか一方の認証だけで解錠できる設定にできるため、普段はカードを使い、必要に応じて暗証番号を使うという運用もできます。カードはMIFARE規格に対応しており、1,000件まで登録可能です。従業員の多い事業所でも十分に対応できます。暗証番号は、数字8桁で100人まで設定が可能です。設置面では、自動ドアの感知センサーの配線に直接つなぐ方式を採用しています。使用中の自動ドアをそのまま使い続けられるため、ドア自体を交換する必要はありません。サーバーやクラウドと契約する必要もなく、機器だけで動作します。入退室管理システムを構築せずにカード認証をはじめられるため、大がかりな仕組みを導入せずに自動ドアのセキュリティを見直したい事業所にも向いています。インターホンとの連動にも対応しており、カードや暗証番号を持たない来客があった際は、インターホンで応対した上で、内部から自動ドアを解錠する運用が可能です。従業員や関係者はカード認証で通行し、それ以外の来訪者はインターホン経由で解錠するという使い分けができます。防水防塵性能は、IP65対応しており、雨のかかる屋外の入口にも安心して設置できます。本体は45mm×25mm×132mmの縦長でコンパクトな形状のため、自動ドア横の限られたスペースにも収まります。
◎自動ドアの出入りを管理するカードリーダーKJ-150の導入事例
既存の自動ドアにKJ-150を後付けすることで、人の出入りを管理でき、鍵の管理負担や部外者の立ち入りなど、現場が抱えるさまざまな課題を解決します。
⚪︎サテライトオフィスの自動ドアにカードリーダーKJ-150を導入
複数の部署の社員が利用するサテライトオフィスでは、常駐する管理者がおらず、無人になる時間帯もあることから、入口の管理が課題になっていました。自動ドアにKJ-150を後付けし、MIFARE規格に対応した既存の社員証を登録して使用する運用に切り替えたことで、入口の自動ドアを常時施錠した状態に保ちながら、登録した社員だけが通行できる環境が整いました。異動や退職があった際には、カード情報を削除するだけで済み、新たに利用者が増えたときも登録を追加するだけで対応できるため、管理負担の軽減を実現しています。
⚪︎士業事務所の自動ドアにカードリーダーKJ-150を導入
顧客の機密書類を扱う士業事務所では、関係者以外の立ち入りが課題となっていました。自動ドアはシリンダー錠で施錠していましたが、鍵の管理負担や紛失のリスクが残り、誰が鍵を持っているのかを把握しきれない状況でした。入口の自動ドアにKJ-150を導入し、カード認証での運用を開始したことで、権限のない人物が入れない状況を保てるようになりました。来客時はインターホンで応対してから解錠する仕組みを取り入れたことで、機密性を保ちながら来訪者にもスムーズに対応できる体制が整いました。
◎まとめ
自動ドアにカードリーダーを後付けすることで、常に施錠した状態を保ちながら、登録されたカードによる出入りの管理が可能になります。物理鍵の紛失や返却漏れなど、鍵の管理にかかる負担も解消します。KJ-150なら既存の自動ドアをいかし、センサーの配線につなぐことで、カード認証を導入できます。カギ舎では、既存の自動ドアに後付けできるカードリーダーKJ-150を取り扱っております。自動ドアの出入り管理をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。












