MIWA AL02はMIWA ALAへ鍵交換を
古い電気錠は経年劣化によって、施錠や解錠ができなくなったり扉が開かなくなるなど、不具合が起こりやすくなります。美和ロックの電気錠MIWA AL02は、すでに廃盤になっている古い電気錠なので、突然の故障で修理もできずお困りの方もいるのではないでしょうか。MIWA AL02の故障や経年によるリニューアルは、同じ美和ロックのMIWA ALAシリーズへ交換することが多いです。この記事では、MIWA AL02の不具合の事例やMIWA ALAの機能についてご紹介します。
◎電気錠の耐用年数
MIWA ALAなど電気錠には「耐用年数」が存在します。耐用年数とは、製品を安全上支障なく使用できる標準的な期間のことで、製品の保証期間とは異なります。電気錠のMIWA ALAに不具合や故障がなくても、長い間使い続けていると当然のことながら電気錠の劣化は進み、最悪は鍵として機能しなくなり空き巣被害など、わたしたちの財産・生命・身体への被害が発生する恐れも生じます。MIWA ALAによる重大事故を未然に防ぐためにユーザーへの注意喚起をおこなう目的で設定されているのが「耐用年数」です。MIWA ALAなどの電気錠は耐用年数を経過したからといって、すぐに製品が故障したり重大な事故が起こったりするとは限りませんが、耐用年数をひとつの目安としてMIWA ALAの保守点検やリニューアルなどアクションを促すきっかけになります。日本ロック工業会の定めるガイドラインによると、MIWA ALAなど電気錠の耐用年数は建物(製品)引き渡し後あるいは購入後から7年と定められています。この耐用年数を経過すると開閉操作や施解錠操作などの基本性能の不具合がメンテナンスによって回復しない可能性もあるため、電気錠の交換が推奨されています。耐用年数とは別に、MIWA AL02など古い電気錠の修理に必要な部品は保有義務期間があり、電気錠の製造終了から7年となっています。例えば、MIWA ALAの製造が終わってから7年を経過すると、不具合が生じても修理をすることができなくなります。これはどの電気錠メーカーでも共通で、耐用年数を経過した古い電気錠は不具合を起こしやすくなり、製造終了の時期によっては修理用部品の保有義務期限を早く迎えるので修理が難しい場合もあります。

◎美和ロックの電気錠
1945年創業の美和ロック株式会社は東京都港区に本社を置き、錠前やセキュリティシステムを販売する鍵メーカーです。美和ロックは建築用錠前が国内シェアの6割以上を占め、世界50カ国でも使用されている国内最大手の鍵メーカーです。美和ロックの主力商品にはマンションや一戸建てなどの住宅用に使われる建築用錠前のほかにも、すでに廃盤になっているMIWA ALAなどの電気錠があります。電気錠とは電気の力で施錠や解錠をする錠のことで「操作部」「制御部」「電気錠本体」から構成されています。オートロック機能で施錠されている電気錠を解錠するためには、鍵や暗証番号、ICカードといった認証方法によって本人であると認証される必要があります。「操作部」はこれらの方法で認証させるための認証装置がある場所で、鍵を差し込むシリンダー、暗証番号を入力するテンキー、カードをかざすカードリーダーなどが該当します。「電気錠本体」は、一般的な錠前と同じく施錠や解錠をするために扉に設置されるものでMIWA ALAがそれに該当します。施錠するためのカンヌキの役割をするデッドボルトや、扉を開閉するためのレバーハンドル、鍵を差し込むシリンダーがついている電気錠もあります。操作部と電気錠本体をつなぎ正しく動作をさせ、電気を供給する役割を持つのが「制御部」です。操作部で認証されるとその信号が制御部へ伝わり、制御部からMIWA ALAなど電気錠本体へ解錠の信号を送ることで錠が開きます。美和ロックでは用途に応じてさまざまな場所に適した電気錠を製造・販売しています。住宅の玄関扉に設置する電気錠では、スマートフォンのBluetooth通信を利用して施解錠ができるアプリがあり、マンション用にはハンズフリーキー・ノンタッチキー・カードキーなど、さまざまな認証方法に対応して共用エントランスにも連動できるインテリジェント電気錠などがあります。またオフィス向けには、入退室管理ができる電気錠、研究機関や病院など高い防犯性が求められる施設には静脈パターンなど生体認証による高精度な本人認証が可能な電気錠があります。
◎MIWA AL02とは
MIWA AL02とは美和ロックが販売していた電気錠で、電気錠を構成する「操作部」「制御部」「電気錠本体」のうちの電気錠本体にあたります。すでに廃盤になっており修理用部品の供給もストップしている古いタイプの電気錠です。このMIWA AL02は美和ロックの製品のなかでも多く製造・販売されており、古い電気錠本体とは言え、現在でも使用しているところが多くあります。しかしMIWA AL02は耐用年数を経過して修理用部品の供給もありません。突然に壊れて使えなくなる恐れもあるため、急な故障に備えてMIWA ALAなど新しい電気錠への交換の計画をしておくことをおすすめします。自分の使っている電気錠がMIWA AL02なのかどうかを確認するには、電気錠のフロント面を見てください。フロント面とは扉側面にある電気錠本体のプレートのことで、錠のメーカー名や品番がここに刻印されています。
◎電気錠の不具合の症状
MIWA AL02のような古い電気錠は、経年によって不具合が起こりやすくなってきます。使っているMIWA AL02に不具合の症状があらわれ出したら、それは大きな故障の前兆かもしれません。MIWA AL02はすでに廃盤になっており修理用の部品もないため、早めにMIWA ALAなど新しい電気錠へ交換するなどの対処が必要です。電気錠にあらわれる不具合はさまざまな症状と原因がありますが、なかには電気錠本体であるMIWA AL02が原因でない場合もあります。扉の建て付けが悪くなっていたり、ゆがみが生じたりしていると電気錠がうまく施錠できないことがあります。扉には「デッドボルト」というカンヌキの役割をする金属があり、これが「ストライク」という受け部に収まることで扉が固定されるので施錠されます。扉の建て付けが悪くなっていたりゆがみが生じたりしていると、デッドボルトとストライクの位置がうまくかみあわずに施錠できません。この場合は、扉の建て付け調整や扉自体の交換などで不具合が解消されることがあるので、建具業者への調査依頼が必要です。ストライクにデッドボルトがしっかりと収まらない状態でMIWA AL02を使い続けると、負荷がかかり故障の原因ともなるので早めに調整や修理を行いましょう。電気錠は電気の力で動かす錠のため電線が必要ですが、この電線が断線してしまうと通電されずMIWA AL02が正常に動作しません。電線の断線は落雷などの自然災害で発生することが多いので、災害後に急にMIWA AL02に不具合が起こったのであれば断線の可能性が高いと考えられます。また断線以外にも通電されないことによってMIWA AL02が動作しない場合もあります。その場合は電気錠の制御盤を確認し、きちんと電源が入っているかを確認してください。電源スイッチが入っているにもかかわらず電源が入らない場合は、ブレーカーが落ちていないかも確認してみましょう。ブレーカーにも異常がなければ制御盤本体の故障や建物自体に通電していないことも考えられます。オートロック機能によって施錠されている電気錠を解錠するためにはカードをかざしたり暗証番号を入力したりしますが、解錠できないときはMIWA AL02ではなくカードの磁気不良やテンキーのボタン不良、リーダーの動作不良など、認証手段または操作部に問題があることも考えられます。古くなった電気錠は、電気錠本体はもちろんのこと、操作部や制御部でも不具合が起こりやすくなっており、MIWA AL02の不具合の原因を特定するには専門知識と技術が必要です。MIWA AL02に不具合が起こり始めたら大きな故障が起こる前に鍵の専門業者へ調査を依頼し、早めにMIWA ALAなど新しい電気錠への交換を計画しましょう。古くなった美和ロックの電気錠本体MIWA AL02を使っている方は、同じく美和ロックで同じ規格の代替品であるMIWA ALAシリーズに交換することが多いです。

◎MIWA ALAシリーズの特徴
古くなって故障の症状が見られはじめたり、経年で交換を検討したりしているMIWA AL02ユーザーの多くは、同じ美和ロックの製品であるMIWA ALAシリーズに交換をしています。もちろんMIWA ALAではなく違うメーカーの電気錠本体に取り替えることも可能ですが、MIWA ALAシリーズは同じ規格の代替品で互換性があり使い方も大きく変わらないので交換がしやすいです。美和ロックのMIWA ALAは「瞬時通電施解錠型」の電気錠です。瞬時通電施解錠型とは、MIWA ALAに通電するたびにソレノイド(電磁石)が作動して施錠と解錠を繰り返す電気錠のことを言います。ソレノイドとは、電気の力を機械的な直線運動に変換する電磁石で、MIWA ALAのコイルに通電すると吸引力を持ち「引く」「押す」「止める」などの単純動作をおこなう機能を持つので、施錠や解錠ができます。MIWA ALAの電気錠本体に備わっている持ち手はレバーハンドル型で、握って回すタイプのドアノブよりも楽に開けられるので力が弱い高齢者や子どもでも使いやすい形状です。MIWA ALAでは施解錠や扉の開閉の状態を、無電圧接点出力という電圧をかけずに信号を送る安全な方法で確認できる機能を持ちます。MIWA ALAの施錠中の状態については、レバーハンドルが施錠時は固定され、外側からは認証されなければ動かせません。電気錠は配線による電力を使っている錠なので、MIWA ALAも停電によって電力が供給されなければ動作しません。電気錠が停電したときの動作は「停電時には施錠する」「停電時には解錠する」「停電時には停電直前の動作を保持する」に分かれますが、MIWA ALAはこのなかで停電直前の状態を保持するタイプの電気錠です。停電中のMIWA ALAは電力による施解錠はできませんが、一般的な錠のように鍵またはサムターン(ツマミ)を使えば施解錠操作ができます。MIWA ALAに装着できるシリンダーは、美和ロックの「U9シリンダー」です。U9シリンダーはシリンダー交換が簡単にできるインターチェンジャブルシリンダーが可能です。MIWA ALAで使えるインターチェンジャブルシリンダーとは、「リムーブキー」という鍵を差し込み回転させるだけで旧シリンダーが取り外せ、そこに新シリンダーをセットしてリムーブキーを回すと取り替えが完了します。鍵を紛失した際でも外側からシリンダー交換ができるので、鍵業者に鍵開けの依頼をしなくてもすみ、賃貸アパートやテナントビルなど入居者が入れ替わるたびにシリンダー交換が必要な建物にも適しています。このMIWA ALAで使えるインターチェンジャブルシリンダーは鍵の専門知識やドライバーなどの工具も不要なので、自分でシリンダー交換が可能です。
◎MIWA AL02で起こった不具合事例
MIWA AL02は日本ロック工業会の定める7年という耐用年数を過ぎ、すでに廃盤になっている電気錠です。修理用部品の供給もされていないため、経年が原因のさまざまな不具合が起こりやすくなっています。不具合が続くと最終的には施錠や解錠、扉の開閉ができなくなるといった症状が起こる恐れもあります。ここでは実際にMIWA AL02で起こった不具合の症状をご紹介します。
○事例1
ある老人保健施設では、出入口に設置した電気錠MIWA AL02が施錠できなくなりました。この施設では外側からは設置されたテンキーに暗証番号を入力し、室内側からは手でサムターン(ツマミ)を回して解錠します。MIWA AL02が故障したことで施錠できず、外側からも内側からも自由に開閉ができる状態となりました。施錠できない原因を調査したところ、電気錠の制御盤や操作部には問題がなく、ドアの建て付け不良や断線もなかったため電気錠本体のMIWA AL02に問題があると判断されたので新しい電気錠と交換をしました。
○事例2
あるマンションの管理員室扉に設置している電気錠本体MIWA AL02は、扉を閉めると自動的に施錠されるオートロック機能を持っていますが、この機能が正常にはたらかず扉を閉めても施錠されなくなってしまいました。マンションの管理員室には、給排水の異常を知らせる警報盤や火災を通知する自動火災報知設備受信機、共用部の電気を管理する分電盤などが設置されています。共用部に関する重要な設備が設置されている部屋なので、MIWA AL02の不具合を早急に改善する必要がありました。しかしこのMIWA AL02はすでに廃盤になっており修理用部品もないため、同じ美和ロックの後継品であるMIWA ALAに取り替えました。
このほかにも古くなった電気錠MIWA AL02に起こる不具合の症状は「施解錠できない」「施解錠を繰り返す」「手動で施錠しても勝手に解錠またはその逆」「異音がする」「動作が遅い」「機器が反応しない」などが報告されています。電気錠の不具合の症状を放置しておくと、ある日突然に使えなくなってしまう恐れがあり、MIWA ALAなど新しい電気錠に交換をしなければならなくなります。しかし実際に壊れてからMIWA ALAなどの新しい電気錠に交換しようとしても、鍵業者が手配できなかったりMIWA ALAの在庫がなかったりなどしてすぐに交換できないことも考えられます。日頃から古い電気錠の症状には注意を払い、少しでも違和感を覚えたら壊れてしまう前に鍵の専門業者へMIWA ALAなど新しい電気錠への交換を依頼しましょう。また不具合の症状が見られなくてもMIWA AL02のような古い電気錠を使っている場合は、MIWA ALAなど新しい電気錠への交換をおすすめします。

◎まとめ
古くなった電気錠は不具合が起こりやすくなっており、最終的には突然壊れてしまう恐れがあります。とくにMIWA AL02のように廃盤になっている電気錠は、修理もできないので早めの交換がおすすめです。現在、MIWA AL02から後継品のMIWA ALAシリーズに交換するユーザーが増えています。カギ舎では美和ロックの電気錠本体MIWA ALAシリーズを豊富に取り揃えており、見積もりは無料なので交換を検討されている方はぜひお問い合わせください。