美和ロックの電気錠システム
住宅を対象とした侵入窃盗は令和2年で21,030件となり、近年減少傾向にありますが、1日当たり約58件も発生している計算になり、決して少ない数とは言えません。住宅の防犯を考えるうえで、鍵のセキュリティ性を高めることは今も昔も最も重要なことです。鍵や電気錠で有名なメーカーのひとつが「美和ロック」です。この記事でご紹介する美和ロックの電気錠は、住宅やオフィス等のセキュリティ性を高めるのに適しています。
◎鍵と防犯のトップメーカー美和ロック
美和ロックは、国内の鍵市場で半数以上を占める鍵と防犯のトップメーカーです。美和ロック製の錠前は、現在約50か国の国々で製造販売されています。国内シェアトップということもあり、美和ロックの製品には日本の用途や法律などに則った設計が採用されているので安心です。トップメーカーとして走り続けてきた鍵技術やノウハウ、最先端のセキュリティ技術とそのクオリティの高さにより、美和ロックの製品はさまざまな建物に導入されています。たとえば、マンションの共用エントランスやテナントオフィスビルの出入管理システム、ホテルのカードロックシステム、研究所のインターロックシステム、特別養護老人ホームの共用トイレシステム、さらには自動販売機などがあげられます。美和ロックは、錠前に限らずそれに関わるパーツやシステムに至るまで、私たちの日常の暮らしを陰ながら支えてくれる、現代に欠かせない存在です。近年、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ネットショッピングや宅配事業は拡大傾向にあります。在宅勤務など新しい働き方が浸透し、共働き世帯が増加していることもあり、住宅やオフィスにおけるセキュリティ性はさらに重要視されるようになりました。このような状況のなか、美和ロックは鍵と扉によるアプローチから社会課題の解決に取り組んでいます。2021年9月に発表された美和ロックの新しいスマートライフシステム「Akerun.M」は、旧来の鍵での課題を解決し、より快適でセキュリティ性が高いライフスタイルを提案するものです。導入者数は今や6,000社を超え、クラウド入退室管理システムのシェアNo.1となっています。時代によって変化するライフスタイルに対応したサービスを提供する、それが美和ロックなのです。

◎電気錠の「操作盤」「制御盤」「電気錠本体」
美和ロックの電気錠の種類は非常に豊富なので、用途や目的に応じて細かく選ぶことができます。電気錠とは、電気の力で作動して施解錠を行うことができる鍵のことを指します。通常の鍵の場合、物理鍵またはサムターン(ドアの室内側に付いているツマミ)を回すことで、玄関ドアを解錠することができます。電気錠は、「操作盤」「制御盤」「電気錠本体」の3つの部分で構成されています。操作盤で解錠の操作を行うと、その情報が制御盤へと伝わり、最終的に電気錠本体が解錠の動作を行うといった仕組みです。制御盤は心臓部にあたり、電源の供給や施錠の管理などを行っています。電気錠を設置すれば、ドアを解錠する操作をすべて電気による遠隔操作で行うことができ、大変利便性が高いと言えます。建物のセキュリティ性能を上げたいと考えているなら、まず電気錠の導入を検討してみましょう。美和ロックの電気錠は種類が豊富なので、さまざまな扉に対応した電気錠を探すことができます。美和ロックの電気錠を選定するときは、玄関やオフィス入り口なのか非常口なのか、または門扉や防音扉、引き戸なのか「どのような扉に付けるのか?」を確認しましょう。そこからさらに絞り込み、ハンドルの有無、停電時の動作やアンチパニック機能の有無などを決めていきます。美和ロック電気錠を解錠するためのデバイスとしては、テンキーで暗証番号を入力するもの、カードキーをかざすもの、近年ではスマートフォンで操作できるものなど、さまざまな種類が用意されています。どれも物理鍵を持たなくていいという点では便利ですが、暗証番号を忘れてしまったりカードやスマートフォンを紛失すると解錠できなくなるので注意が必要です。また、電気の力で動いているので停電時には動作しなくなります。停電時に電気錠が施錠するか解錠するかは、電気錠の種類により異なるので、鍵の専門業者に確認しておくと良いでしょう。
◎美和ロックのキーレスシステム
一般的な鍵を持ち歩いていると、どこかに置き忘れたり落としてしまう心配があります。美和ロックの製品には、鍵を携帯することなく電気錠を解錠できるキーレスシステムが用意されています。美和ロックのキーレスシステムは、非接触IDキー、指静脈認証などさまざまなシステムがあります。それぞれ特徴があるので、用途に応じたものを利用すると良いでしょう。美和ロックのキーレスシステムのうち、代表的なシリーズを3つご紹介します。
○Raccessシリーズ
4種類のIDキーを使用して解錠する、美和ロックの共用エントランスシステムです。美和ロックRaccessシリーズのIDキーには、キーヘッド・タグ・ポップアップの3タイプが用意されており、使いやすいものを選んで利用することができます。IDキーをカバンの中などに入れてリーダ(アンテナ)の前を通過することで解錠できるので大変便利です。用途に合わせて、ハンズフリー機能・近接機能・手かざしセンサ機能・人感センサ機能を選択することができます。
○ノンタッチキーシリーズ
ノンタッチキーをIDキーとして解錠できる、美和ロックの共用エントランスシステムです。美和ロックノンタッチキーシリーズのIDキーは、ノンタッチキーヘッド、ノンタッチタグが用意されています。キーヘッドやタグをリーダ(アンテナ)に近づけることで解錠できます。
○FeliCaシリーズ
FlicaをIDキーとして利用する、非接触タイプの美和ロックの共用エントランスシステムです。鍵配信サーバのデータが書き込まれたFKLカードを利用して解錠する仕組みになっています。美和ロックFeliCaシリーズのIDキーとしては、キーヘッドとカードが用意されています。カードやキーヘッドをリーダ(アンテナ)に近づけることで解錠できます。キーヘッドを紛失しても、管理者が紛失したキーヘッドを無効化してすぐに再発行が可能になっています。来訪者のために頻繁にカードを発行する必要がある場合は、美和ロックのFelicaシリーズが便利です。

◎美和ロックの電気錠
美和ロックの電気錠には、解錠・施錠の仕様によりさまざまな種類があります。電気錠の種類によって取り付けられる扉やパーツが異なりますので、導入の際は注意が必要です。また美和ロックの電気錠を取り付けには、鍵の専門業者へ依頼しましょう。
○瞬時通電施解錠型
瞬時通電することによって施錠と解錠を繰り返します。レバーハンドルやドアノブが付いたケースロックタイプです。美和ロックの製品では、停電時には停電前の状態が保持されるようになっています。停電した際には、キーやサムターンによる操作で解錠することができ、施錠時にはレバーハンドルが固定されます。電気錠の施解錠および扉の開閉状態は、電気的に確認することが可能です。美和ロックの瞬時通電施解錠型の電気錠には、AUSシリーズ、ALAシリーズ、ANSシリーズなどがあります。
○通電時解錠型
電気が流れたら解錠され、電気が流れなくなると施錠されます。美和ロックの製品は、停電時には自動施錠されるようになっています。「アンチパニック機能」が搭載されており、停電時にはキーやサムターンによる操作で解錠することができます。美和ロックの多くの電気錠は、この通電時解錠型を採用しています。美和ロック通電時解錠型の電気錠には、ALGTシリーズ、ASTシリーズ、ASZシリーズなどがあります。
○通電時施錠型
通電時施錠型は、電気が入ると施錠し切れると解錠されます。万が一停電したときは、自動解錠されるようになっており、通電するまで施錠はできません。停電時にはキーやサムターンによる操作で解錠できるアンチパニック機能が搭載されています。ただし、レバーハンドルを回すまでは解錠の状態が保持されます。美和ロックの通電時施錠型の電気錠には、ALGRシリーズ、ASRシリーズ、EMLシリーズなどがあります。
○通電時解錠・通電時施錠兼用(切替型)
通電時解錠型と通電時施錠型を切り替えることができます。施工時にいずれかを選択します。錠ケースのフロント部分に内蔵されているスイッチを切り替えることで、簡単に方式を変更することができます。停電時にはキーやサムターンによる操作で解錠することができ、施錠時のレバーハンドルやバーハンドルは固定されます。「アンチパニック機能」が搭載されており、設定するかどうかも切替が可能になっています。美和ロック通電時解錠型の電気錠には、AUシリーズ(AUT/AUTA/AUR/AURA)などがあります。美和ロックのAUシリーズは、特に日本国内で多く利用されています。
○モーター施解錠型
通電によりモーターの力を利用して施解錠を行います。停電の際は、停電前の状態が保持されます。停電時にはキーやサムターンによる操作で解錠することができます。
美和ロックのモーター施解錠型の電気錠には、2022年度新製品「AL4Mシリーズ」があります。美和ロックのAL4Mシリーズは、マンション共用玄関やオフィス出入り口、非常口等に設置するタイプの本締電気錠になっています。
○インテリジェント電気錠
錠の本体に制御基板を内蔵した、新しいタイプの電気錠です。旧来の美和ロック製品と異なり、通信によって施解錠を制御します。通信制御のため、高いセキュリティ性が保たれているのが特徴です。旧来の製品は構成によって多くの機器が必要になりますが、美和ロックのインテリジェント本締電気錠には必要ありません。機器代や工事費用などのコストを抑えることができるうえ、それぞれを設定する手間がないため、導入が非常にスムーズです。操作盤を電源装置に接続するだけで、美和ロックのさまざまな電気錠システムを利用できるようになります。なお、停電の際には停電前の状態が保持される構造になっています。美和ロックのインテリジェント電気錠には、IEDMシリーズ、IEVMシリーズがあります。官民合同会議の試験に合格した防犯建物部品が使用されています。また新方式のデッドボルトを採用しており、確実な施解錠が実現されています。美和ロックの製品には、マンション用インテリジェント電気錠「iELシリーズ」もあります。防犯の基本ワンドア・ツーロックを2つの電気錠によって実現し、防犯性が考慮されたつくりになっています。施錠追従機能も装備しているので、片方だけの締め忘れの心配もありません。

◎オフィス向け出入管理システム「PicoA」
美和ロックの電気錠システムには、さまざまな種類が要されています。代表的なものが、オフィス向け出入管理システム「PicoA」です。美和ロック旧来製品のような出入管理機能をすべてカードリーダに小型化し、電気錠の制御機能を扉内設置のアダプタに集約しました。電気錠とアダプターユニット、カードリーダーユニットを扉に設置するだけの簡単な作業で、本格的な出入管理の導入が可能になります。施工が簡略化できるので、施工費を削減できるのが大きな特長です。さらに、美和ロック製品のインテリジェント本締電気錠IEDMを採用すれば、電気錠アダプタも不要になり、さらにコストダウンを実現できます。旧来の美和ロックのシステムでは、カードリーダを壁や袖パネルに設置するのに対し、PicoAではカードリーダを扉に設置します。標準IDキーはカードかおサイフケータイです。カードリーダは環境に合わせて片面リーダタイプ/両面リーダタイプを選択できます。また、リーダ本体に内蔵されたロータリースイッチを使用することで、カード情報の登録や抹消やデータ管理などの操作が簡単に行えます。リーダ室内側にUSBスロットが内蔵されており、市販のUSBメモリでデータをアップロード/ダウンロードすることもできます。美和ロックのPicoAを導入すれば、オフィス扉の通行や管理がよりスムーズに行えるようになります。美和ロックのPicoAには、コンパクトながらも高いセキュリティ性が備わっています。「警戒セット機能」を利用すれば、カードリーダを警戒状態にすることができます。警戒状態になると、それ以降の入室を制限することができるとともに、照明や空調、防犯機器などと連動させることも可能になります。美和ロックの専用PCソフトを使用すると、さらに便利に利用することができます。「アクセスタイプスケジュール機能」は、特定の使用者のカード使用時間を制限する機能です。また「解錠タイムスケジュール機能」は、電気錠を時間によって施解錠させる機能です。

◎まとめ
現在の侵入窃盗の多くは玄関からであり、電気錠を設置すれば締め忘れなども防げて安心です。美和ロックの電気錠はセキュリティ性も高く、ピッキング等の犯罪を防いでくれます。カギ舎では、美和ロックの電気錠の施工も受け付けております。美和ロックの電気錠をご検討の方は、ぜひお見積もりをご依頼ください。