入退室管理 高精度の指紋認証リーダーとカード認証リーダーKJ-3400シリーズ
多くのマンションや公共施設、オフィスなどの出入り口には入退室管理システムが導入されています。入退室管理システムの認証方法として、人間の身体の一部を活用して認証を行う指紋認証が採用されています。この記事では、入退室管理システムにおける指紋認証の仕組みやメリット、指紋認証リーダーKJ-3400シリーズの製品の詳細や施工事例をご紹介します。
◎生体認証における指紋認証の仕組み
人間の手の指には指紋があります。指に指紋が刻まれているおかげで、指で物を掴んだり持ち上げたりできます。指紋は物の重さや温度、素材などをすぐに脳に伝達するセンサーに似た重要な役割も果たしています。体の一部を利用する生体認証の一種である指紋認証においては、最初に個人の指紋をデータとして事前に指紋認証リーダーに登録します。認証の際には、指紋認証リーダーに内蔵されているセンサーで指紋の形や模様を読み取ります。指紋を分析することにより個人を特定し、登録されている指紋と一致すればカギを解錠します。指紋認証はスマートフォンのロックを解除する際などにも活用されており、身近で誰もが利用しやすい方法です。人間の指紋は隆線と呼ばれる模様で成立しています。隆線には、端点と呼ばれる指紋が切れている部分と枝分かれしている分岐点があります。指紋の隆線の端点や分岐点を特徴量として利用し、照合します。指紋の形は、渦状紋、蹄状紋、弓状紋、変体紋に大きく分けられます。日本人に最も多いとされているのが、指紋の中心が渦を巻いている渦状紋です。蹄状紋は馬のひづめに形が似ていることからその名前で呼ばれています。弓の形に似ている弓状紋やそれらのどれにも属さない変体紋は、非常に珍しいタイプの指紋であるといえます。指紋認証リーダーの認証方式には、静電容量方式や光学方式、超音波方式があります。スマートフォンなどの指紋認証に利用されているのが静電容量方式です。体に含まれている電子が、指紋認証センサーに接触すると移動する性質を利用した方法を採用しています。センサーの感度や認証精度が高いことや消費電力が少ないことがメリットとしてあげられます。ただし指紋認証リーダーのセンサーに指を当てる際に、汗をかいていたり指先が乾燥していると正しく認識されないことがあります。光学方式は、指紋を2D、つまり平面的に捉えて認識する方法です。指紋の表面に光を当て、凸部分と凹部分の光の屈折具合や反射の違いにより本人確認します。指紋認証リーダーのセンサー面に汚れなどが付いていると、光の反射に影響を与えることがあります。指紋認証の超音波方式と比較すると認識速度も遅く、認識精度も低いといえます。最新の方法である指紋認証の超音波方式は、指紋の凹凸部分を3Dとして立体的に捉え照合します。指紋に超音波をあてた際に返ってきた超音波の強さや角度により認証を行います。認証精度が非常に高く速度が早いため、迅速で正確に指紋情報を読み取ることが可能です。超音波方式は、指紋認証の静電容量方式や光学方式のように指の水分や乾燥、付着した汚れなどが認証に影響を与えることがないため、指紋認証する際にやり直しなどのストレスがありません。指紋認証のセンサーに直接指をおかなくても認識可能な製品もあり、非接触でより衛生的です。オフィスなどの入退室管理システムにおいてKJ-3400シリーズの指紋認証を導入すれば、さまざまなメリットが得られます。

◎入退室管理システムにおける指紋認証のメリット
店舗など入退室管理システムの中には、ICカード認証や暗証番号認証が導入されているケースがあります。入退室管理システムのICカード認証とは、出入り口付近などに設置された認証機器にICチップが内蔵されたカードをかざしたり通すことで認証を行います。入退室管理システムの暗証番号認証は、出入り口付近に設置された機器に決められた番号をタッチパネルやボタンで正確に入力して認証します。指紋認証は指を認証部分にあてて本人確認するため、ICカードを持ち歩く必要がありません。持ち歩かなければ外出先でなくすリスクを避けられます。オフィスなどではICカードを利用者全員分用意しなければならず、コストがかかります。指紋認証であればカードを作成しなくてもよいため、コスト削減に貢献します。暗証番号認証は番号を忘れてしまったり第三者に見られるなどのリスクがありますが、指紋認証であればその心配がなく安心です。基本的に指紋自体は年齢を重ねても形が変化しないため、経年変化の影響を受けにくいといわれています。人間の指紋はひとり1人異なるため、指紋認証リーダーに指紋を登録すると高い確率で本人以外は認証を行うことができません。そのためオフィスや店舗などにおいて部外者や不審者の侵入を防げます。KJ-3400Fの指紋認証はなりすましや偽造が非常に難しく、カード認証や暗証番号認証などそのほかの認証方法と比べてセキュリティ性は非常に高いといえます。指紋認証は、指紋の読み取り機器が小さいため場所を取らずに設置できるうえ、入退室管理システムにおいて比較的低コストで導入できます。指紋認証はスピーディーに本人確認が行えることもメリットとしてあげられます。KJ-3400Fであれば、センサー部分に指をかざすだけで0.1秒という速さで認証が完了します。指紋認証リーダーは製品により登録や保存できる指紋の数が異なります。規模の大きいオフィスなどにおいては、登録数の多い指紋認証リーダーを選ぶと出入りする多くの人の認証が素早くできます。KJ-3400Fのように、指紋認証だけではなくカード認証にも対応している製品があります。複数の認証方法を備えている指紋認証リーダーであれば、設置する場所により認証方法を使い分けることが可能です。オフィス内の機密文書保管室やサーバー室など高いセキュリティ性を保ちたい場所には指紋認証リーダーKJ-3400Fの指紋認証を、多くの人が頻繁に出入りする執務室にはKJ-3400Fのカード認証を採用すれば、より利便性が高まります。最近では指紋認証のセンター部分に指を置かなくてもよい非接触型の製品もあります。

◎指紋認証リーダー・カード認証リーダーKJ-3400シリーズ
KJ-3400シリーズは、高い照合精度と世界最速クラスの1秒未満の認証速度を誇る、優れた指紋認証リーダーやカード認証リーダーです。KJ-3400シリーズにはいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。サイズは48mm×138mm×38mmとコンパクトで、出入り口にあまりスペースがなくても設置が可能です。
○KJ-3400F
指紋認証はもちろん、カード認証も可能なのが指紋認証リーダーKJ-3400Fです。機器の表面には液晶ディスプレイと指紋認証のセンサーがあります。KJ-3400Fのセンサー上に指を置いた際に、360度どの角度でも指紋を読み取り認証可能な自動および方向指紋認識機能を備えています。KJ-3400Fのカード認証は、機器の表面に軽くカードをかざすと認証されます。1.8インチサイズのカラー液晶ディスプレイと解像度の高いLCDにより表示が見やすく操作しやすくなっています。指紋認証リーダー指紋KJ-3400Fには、指紋は5,000指まで、認証用カードは40,000枚まで登録できるため、規模の大きい企業や施設に導入できます。KJ-3400Fは複数の言語に対応しており、日本語だけではなく英語や韓国語でも利用可能で32bit CPUです。電波を使用してRFタグのデータを読み書きする自動認識システムを備えたKJ-3400FのRFリーダーは、13.56MhzのMIFAREのIclass、IclassSやFeliCaなどのカードを利用できます。そのほかにも13.56mhzと周波数125Khz帯のチップを搭載した125khzDualカード、125KhzのEM/Indala/HID Prox、BLEも利用可能です。ネットワークはTCP/IP、RS-485orRS-232、Bluetoothに対応しています。外部インターフェースはウィーガンド、USBメモリーカードが利用できます。
○KJ-3400D
KJ-3400Dは、認証機器にカードをかざすと1秒未満で読み取り本人確認を行います。洗練されたデザインであるため景観を損なうことがありません。KJ-3400Dの表面には、1.8インチカラーTFT LCDの液晶ディスプレイが採用されています。KJ-3400DのTFT LCDは見る角度にあまり影響されることなく視野の角度が広く、非常に見やすくなっています。500DPIと高い解像度を誇る光学センサーを内蔵しています。KJ-3400Dのテンプレートの容量は5,000、カード容量は40,000で、イベントログにおいては20万件まで保存可能です。指紋認証リーダーKJ-3400Dの認証には、MIFAREのIclass、IclassSやFeliCaなどのカードが利用可能です。KJ-3400Dは、IP65等級の防水・防塵性能を搭載しています。IP規格とは、日本工業規格で採用している電子機器の防水・防塵の規格です。を指しています。「IP00」から「IP68」の表示で対応規格を示しており、10の位が防塵、一の位が防水を表す数値です。IP65規格はチリやほこりが機器の内部に入らず、あらゆる方向からの噴流水による影響がないレベルとなっています。そのため指紋認証リーダー指紋KJ-3400Fは、建物内だけではなく屋外への設置も可能です。
○KJ-3400C
製品の表面に液晶ディスプレイのないKJ-3400Cは、シンプルなデザインでコンパクトサイズであるため設置場所を選びません。KJ-3400Cの表面に軽くカードをタッチするのみで認証が可能です。指紋認証リーダーKJ-3400Cは、最大で40,000枚までカードを登録できます。カード認証可能なカードには、非接触型ICカードの国際通信規格として標準化されたMIFAREや、SuicaやPASMOなど交通系カードとして利用されているFeliCaなどがあります。
○KJ-3400BQ
カード認証に加え、QR コードやバーコードスキャンができる認証リーダーです。スリムサイズなので、狭い場所にも設置が可能、繊細なデザインが特徴です。バーコードを自動で読み取るため認証の度にボタンを押す必要はありません。カード認証は、各種RFカード125KHZ(EM/INDALA/HIDPROX)、13.56MHZ(MIFARE/HIDICLASS/HIDICLASS SE/FELICA)に対応しています。KJ-3400BQはIP65規格であるため、屋外での設置も可能、チリやほこりから守ります。
◎KJ-3400シリーズの施工事例
指紋認証機能やカード認証機能を備えたKJ-3400シリーズは、企業のオフィスや医療機関などさまざまな場所に導入され活用されています
○オフィスにKJ-3400Dを導入した事例
ある企業では、KJ-3400Dをオフィスや工場の入退室管理システムで利用しています。以前は暗証番号入力による入退室管理システムを導入していましたが、番号を入力する際に時間と手間がかかり番号が部外者に知られるリスクがありました。KJ-3400Dはカード認証が利用できます。オフィスの金庫室やサーバー室、新商品開発室などセキュリティ性の高い場所にKJ-3400Dを設置することにより、カード所持者しか出入りできないため防犯性がアップしました。カードをKJ-3400Dに軽くタッチするだけで認証できるようになり、出入りがスムーズになりました。
○マンションにKJ-3400C導入した事例
あるマンションの改築に伴い、出入り口のドア付近やエントランスのエレベーターなどに認証KJ-3400Cを導入しました。コンパクトなタイプの機器なのであまりスペースのないエレベーター付近にも設置できました。読み取り部分のセンサーに軽くカードを触れるだけで手軽に認証できます。入退室管理システムをカード認証に変更することにより、部外者が勝手にエントランス内やエレベーターを使い上階に行く心配がなくセキュリティレベルがアップしました。
○大手病院へ指紋認証リーダーKJ-3400Fを導入した事例
ある病院では、紙カルテから電子カルテへの移行を行いました。以前はカルテ保管室や薬品保管室など高いセキュリティ性が必要な場所には暗証番号認証を採用していました。しかし暗証番号認証ではセキュリティ上の事情で定期的な番号の変更が必要でした。また万が一番号を忘れた時のために、暗証番号を誰でも見える場所に掲示するケースが見受けられました。患者のデータなど重要な情報を保管する電子カルテサーバー室開設時に入室管理システムを導入し、指紋認証リーダーKJ-3400Fを採用しました。指紋認証であれば番号を覚える必要がなく、なりすましもほぼ不可能であるため部外者が入るのを防ぐなど防犯性アップに貢献しました。

◎まとめ
KJ-3400シリーズは、入退室管理において高い精度の指紋認証システムやカード認証を備えた製品です。KJ-3400Fは指紋認証とカード認証、KJ-3400BQはカード認証やQRコード認証、KJ-3400CやKJ-3400Dはカード認証が可能です。KJ-3400シリーズは、セキュリティに優れており利便性が高い製品となっています。カギ舎は、入退室システムの指紋認証リーダーや、カギ廻りに関わるご依頼やご相談に対応しています。指紋認証システムの導入を検討される際は、24時間365日営業しているカギ舎にご相談ください。