出退勤に活用できる入退室管理システムの特徴とメリット
働き方改革により、従業員の客観的な労働時間の把握が求められるようになり、多くの企業において出退勤に入退室管理システムが活用されています。出退勤においてタイムカードによる打刻システムが用いられている企業では、打刻忘れや打刻ミスが起きる場合も少なくありません。出退勤に入退室管理を活用するなら、正確な勤怠管理の運用のほか、業務の効率化などのメリットも期待できます。この記事では、出退勤を入退室管理システムで行うメリットや、入退室管理システム対応の認証リーダーFE-700の特徴をご紹介します。
◎出退勤に入退室管理システムが求められる理由
これまで多くの企業では、出退勤に手書きの出勤簿やタイムカードなどが活用されていました。しかし、働き方改革関連法の施工やリモートワークなどさまざまな勤務形態が増えたことから、入退室管理システムによる出退勤の運用が進んでいます。2019年4月に定められた労働安全衛生法では、客観的な労働時間の把握が義務付けられました。それに伴い企業では、従業員の労働時間の適正な管理を行うため、就業時間を確認し記録するといった必要な措置を取る必要が生じています。出退勤の記録を行うために、自己申告やタイムカードといった方法を採用している場合、正確な出退勤時間の把握は困難です。たとえば、従業員が始業開始前に業務を開始したり、終業時刻に打刻をしたあとにサービス残業を行うといった、出退勤時間の虚偽報告が発生する可能性があります。入退室管理システムで出退勤の記録を行う場合、従業員がオフィスから退出する必要があるため、サービス残業を行うリスクを回避できます。入退室管理システムにおいての入室や退出時間を、勤怠管理の出退勤記録とすることで、労働時間の適正な把握も可能です。また、出退勤にタイムカードやエクセル管理の打刻システムを使用している場合、タイムカードを打刻する作業やパソコンを操作する作業を行う必要があります。そのため、出退勤の際にタイムカードリーダーの前が混み合ったり、パソコンの起動が遅いといったトラブルが起きるかもしれません。入退室管理システムと勤怠管理システムを連携するなら、入退室時に従業員の出退勤を自動的に保存できるため、出退勤に関する問題点を解決します。
◎出退勤に有効な入退室管理システムとは
入退室管理システムとは、建物や部屋などの出入口を管理するシステムです。オフィスビルのエントランスや商業施設の店舗の出入口をはじめ、工業や研究室などの施設の出入口などにも導入されています。出入口を管理する入退室管理システムは、部外者の不正な入退室を防止する役割を備えています。さらに、勤怠管理のシステムと連携して入退室を記録すると、従業員の出退勤による労働時間の把握や管理に貢献します。入退室管理システムの管理には、物理的な鍵ではなくカード認証や暗証番号認証、スマートフォン認証、生体認証などが採用されています。カード認証は、ICカードを用いてカードリーダーにかざし、認証を行うシステムです。企業では、出退勤用の社員証と交通系カードを併用している場合もあり利用しやすく、非接触式のため直接リーダーにふれないことなどが特徴といえます。数字の組み合わせを利用した暗証番号認証は、テンキーに数字や文字を入力してドアを解除する方法で、導入や運用コストをおさえられる手軽さが魅力の認証リーダーです。身近なツールを使ったスマートフォン認証は、スマートフォンでQRコードを読み取ったり専用アプリを利用して認証を行います。従業員の出退勤にも利用しやすく、物理的な鍵やICカードを持ち歩く必要がないため、紛失や忘れのリスクがなく不正侵入の心配がありません。個人で異なる身体的特徴を活用した生体認証には、指紋認証や静脈認証、顔認証、虹彩認証などが採用されています。手の指紋を読み取って認証する指紋認証は、専用ツールが比較的低コストなので、コストをおさえてセキュリティ性が高い生体認証を導入できることがメリットです。静脈認証は、手のひらや指の内側にある静脈によって認証を行う方法で、静脈は経年変化が少ないことから長期的に利用できます。人の目や鼻、口などの顔の配置で認証を行う顔認証は、ハンズフリーで認証が行えるため、感染症対策ができるほか、従業員の心理的負担が少ないといったメリットがあります。虹彩認証は、目のなかにある虹彩部分を読み取り認証するシステムで、非常にセキュリティ性が高くなりすましや偽造が難しいことが特徴です。
◎入退室管理システムの主な機能
人の出入りを管理する入退室管理システムは、勤怠管理においての出退勤に利用できるだけでなく、さまざまな機能を備えています。出退勤に有効な入退室管理システムは、電気錠を用いてドアを解錠します。解錠制御機能では、入退室管理システムと電気錠を結び付け、施解錠を自動的に制御します。入室の際は、入退室管理システムと連携したカード認証や指紋認証などの認証リーダーで照合・認証し、本人であると確認できると解錠される仕組みです。入退室管理システムには、セキュリティ対策として二重認証やアンチパスバックなどのセキュリティ機能が搭載されています。セキュリティ性を強化できる二重認証機能は、2種類の異なる認証を利用できる機能で、高度なセキュリティ性が求められる部屋のドアに適しています。アンチパスバック機能は、出退勤などで起きる共連れを防止する機能です。入室記録が確認できないと退室できない仕組みで、不正侵入者による情報漏洩などのリスクを軽減します。スケジュール機能は、個人の登録をしておけば、従業員の休日や出勤日、出退勤時間の設定が行えます。それぞれの従業員の勤務状況や時間外勤務、休日出勤などの把握ができ、勤怠管理の出退勤の管理に役立ちます。履歴管理機能は、いつ、だれが、入退室したのかを履歴情報として保存できる機能です。詳細な検索ができるため、トラブルが発生した場合、特定のドアの入退室記録を検索することでだれが入室したのか確認でき、問題の解決にもつながります。出退勤に効果的な入退室管理システムは、外部システムの連携機能が搭載されています。業務に関わる勤怠管理システムや会員管理システムなどと組み合わせることで、必要な情報を集中管理できる仕組みです。出退勤に入退室管理システムを有効活用することで、従業員の手間が減るほか、自動的に勤怠管理システムに登録されることで、正しい労働時間の管理が実現します。
◎出退勤に入退室管理システムを活用するメリット
勤怠管理においての出退勤を、入退室管理システムで行うと、正確な労働時間管理や業務の効率化が図れるなど、多くのメリットがあります。出退勤に入退室管理システムを導入するなら、客観的な労働時間の把握を実現します。入退室管理システムに勤怠管理を併用すると、入退室管理システムでの入退室と同時に、従業員の出退勤を記録することが可能です。タイムカードや手書きでの自己申告制の打刻方法の場合、打刻忘れや打刻ミスが起こる恐れがあります。一方、入退室管理システムの記録を出退勤に用いるなら、従業員の出退勤により客観的な労働時間の管理が行えます。また、残業時間や有給休暇などの管理も行えるため、不正な時間外勤務や連日の休日出勤などの防止や抑制にもつながり、労働安全衛生法のガイドラインの対応にも有効です。入退室管理システムと勤怠管理システムをつなげれば、出退勤などの勤怠管理の業務効率化が行えます。入退室管理システムによって、従業員の出退勤時にICカード認証や顔認証で認証するだけで、勤怠管理の出退勤が完了します。タイムカードの打刻方法のように、タイムレコーダーで操作を行う作業がなく、従業員にとっても手間がなく利便性が高い方法です。また、入退室管理システムを設置しているオフィスの出入口やサーバー室、倉庫、工場などの情報を一元化できるため、管理者にとっても業務の効率化が図れます。さらに、出退勤に入退室管理システムを利用するなら、セキュリティ性を高めらるというメリットもあります。入退室管理システムは、出入口からの不正侵入を阻止するため、企業で取り扱っている個人情報や機密情報漏洩に対する対策強化が行えます。出退勤に利用できる入退室管理システムは、防犯性が高い電気錠を採用しており、出退勤に物理的な鍵を使用しません。そのため、紛失や盗難による第三者の不正侵入がなく、高度なセキュリティ対策ができるシステムです。
◎出退勤を入退室管理システムで管理できるFE-700の機能
出退勤に運用できる入退室管理システム対応のFE-700は、0.5未満の高速認証を可能にした静脈認証、顔認証、カード認証が行える多機能型認証リーダーです。認証精度が高い生体認証技術を搭載しているため、オフィスでの出退勤をはじめ、高度な認証技術が求められるエリアにも最適な認証リーダーとなっています。静脈認証には、指静脈認証と、手のひら静脈認証の2種類がありますが、FE-700では手のひら静脈認証を採用しています。手のひら静脈認証は、手を広げるだけで認証が行えるため、子どもや高齢者でも利用しやすい認証方法です。非接触型の静脈認証は、15cm~40cm以内に手をかざすことによって認証を行い、10,000件数の登録が行えます。FE-700の顔認証は、2MPのデュアルカメラで詳細に顔情報を読み取り、カメラレンズから0.3m~1m以内であれば顔を向くだけで認証ができ、登録数も10,000件行えます。顔認証の認識人数は、ひとり用のシングルモードと複数人用のマルチモードを備えています。状況によって切り替えることができるため、出退勤の混雑する時間帯にも有効な機能といえます。顔認証にはライブ検出機能が搭載されており、偽造写真や動画などによる不正な認証は入室させません。FE-700のカード認証では、MifareやFelicaなどのさまざまなカードを利用することができ、200,000件のカードの登録が可能です。FE-700はQRコードを発行することもできるため、従業員の出退勤のほか、取引先や仕入先の来訪者及び、清掃業者などの一時的な入退室の利用にも役立ちます。FE-700の液晶ディスプレイには設定や登録などの操作がしやすい、5インチサイズのタッチスクリーンを採用しています。本体は、211mm×100mm×26mmのスリムサイズのため、場所を選ばず、さまざまなシーンにマッチする認証リーダーです。FE-700はIP65クラスの防水性や防塵性を備えているため、室内はもちろん雨風が吹き付ける屋外の環境であっても、高い耐久性能を保持します。
◎入退室管理システムに静脈+顔+カード認証リーダーFE-700を活用した事例
デジタル化が進むにつれて、出退勤においてタイムカードや出勤簿の打刻システムから、勤怠管理と連携させた入退室管理システムを導入する企業が増えつつあります。
⚪︎オフィスのエントランスに静脈+顔+カード認証リーダーFE-700を活用
オフィスでは、厚生労働省の労働時間のガイドラインにより、従業員の出退勤において客観的な労働時間の管理が求められています。入退室管理システム対応のFE-700は、顔認証や静脈認証などの認証と従業員の出退勤を同時に行うため、正確な出退勤の時間を記録、管理できる認証リーダーです。またオフィスでは、個人情報や社外秘情報などを取り扱っているため、エントランスにFE-700を配置すると、オフィス内のセキュリティ対策の強化も図れます。顔認証や静脈認証は、本人が現場にいないと認証が行えないため、なりすましが困難なことから不審者による不正侵入対策にも効果的な認証リーダーです。
⚪︎工場の出入口に静脈+顔+カード認証リーダーFE-700を活用
勤怠管理システムと入退室管理システムに対応したFE-700を連動すると、入退室時に従業員の出退勤を勤怠管理システムに自動で記録できます。タイムカードやエクセル管理にようにわざわざ打刻をする手間がありません。また工場の勤務体制には交代勤務や日勤、夜勤などの働き方が多く、従業員が一斉に入退室する時間があります。従業員の出退勤に、顔認証のマルチモードを設定するなら、出退勤の混み合う時間もスムーズです。入退室管理システムは、工場や倉庫、本社、支店など複数の拠点がある場合でも、一元管理できます。
◎まとめ
従業員の出退勤時間の客観的な記録をするために、入退室管理システムと勤怠管理システムの連携は効果的です。出退勤において、タイムカードや手書きによる打刻方法では、記録と実態が異なる場合があります。勤怠管理システムと入退室管理システムを連携させると、適正な勤怠管理が実現します。カギ舎では、勤怠管理システムに活用できる入退室管理システム対応の認証リーダーFE-700を取り扱っています。従業員の出退勤時間を正確に把握したい方や勤怠管理の効率化を考えている方は、お気軽にお問い合わせください。