顔情報を正確に認証する顔認証リーダーFE-600
公共施設や医療機関、企業のオフィスなどには、多くの個人情報や機密性の高い情報が保管されています。それらが外部に流出すると、企業側が損害を被るだけではなく個人のプライバシーを脅かすことにつながります。そのような事態を防ぐために、より正確な本人確認が可能な生体認証の顔認証システムを導入するケースが増えています。この記事では、個人情報を守るための顔認証の具体的な仕組みやメリット、正確で素早い認証ができる顔認証リーダーFE-600をご紹介します。
◎顔認証が普及した背景
企業や公共機関などにおいて、不正な情報の持ち出しや事務作業ミスなどにより、個人情報や顧客情報の漏えい案件が数多く起きています。侵入者や不審者により、ノートパソコンや現金などが奪われるリスクもあります。重要な情報や財産を守るためには、建物内へ出入りする際にアクセスコントロールシステムを導入して正確な本人認証を行うことが有効です。アクセスコントロールシステムの認証方式としては、カード認証やパスワード認証、人間の身体の一部を使用する生体認証と呼ばれる指紋認証や虹彩認証、顔認証があります。とくにオフィスセキュリティにおいて、真正性の高い生体認証は急速に普及しています。真正性とは、特定のエリアにアクセスする人物が許可された本人かどうかを正確に認証できることをいいます。生体認証のなかでも、とくに著しい進化が見られるのが顔認証です。顔認証技術の発達により、昨今では認証精度が高く正確な本人確認が可能な顔認証リーダーが広く普及しています。メイクやヘアスタイル変化、経年による顔の変化にも対応可能な顔認証機器も増えています。正確な認証が可能な顔認証機器はセキュリティに関わる市場においても飛躍的に伸びており、今後これまで以上にさまざまな場所に導入されることが予想されます。
◎顔認証が正確に行われる仕組み
人間の顔の目や鼻、口などの特徴点、顔領域の位置や大きさを元に正確な本人確認を行うのが顔認証システムです。顔認証においては、カメラで撮影した映像から目の周囲や鼻筋などの明暗により正確に人の顔を検出します。次にどの人物の顔なのかを正確に識別するために、特性をより精密な特徴量へと変換します。さらに座標を数値化して、正確な顔データへと変換します。あらかじめ登録済みの顔のデータとの照合率が一定値以上になると、同一人物とみなされます。顔認証の精度が飛躍的に向上しているため、顔認証リーダーによってはメガネやマスクを付けたままでも正確な本人確認が可能です。顔認証システムの認証方法には、ビジュアル方式とIR方式があります。2D認証とも呼ばれるビジュアル方式は、顔全体を平面的に捉えてデータ上の顔と照合して正確に顔認証を行います。スマートフォンやタブレット、パソコンなどさまざまなデバイスで、正確に認証する目的で活用されています。ただし、太陽光や室内の照明など光の量に応じて認証精度が低下したり、ヘアスタイルやメイクの変化が認証に影響を与えるケースがあります。IR方式は3D認証と呼ばれています。顔認証リーダーに赤外線センサーを搭載することにより、顔を立体的に捉えて正確な本人確認を行います。認証精度が高く、ヘアスタイルなどの変化に正確さが左右されることが少ないというのがメリットです。顔認証システムは、大きくオンプレミスタイプとクラウドタイプに分けられます。オンプレミス型とは、自社でハードウェアを設置して顔のデータの管理や運用を行う形式です。顔認証のオンプレミス型は、顔データに個人名やIDを紐付けして記録し機器内部に保存します。インターネット環境がない場合でも正確な顔認証ができます。そのためインターネット上に顔認証に使用した情報が漏洩する不安がありません。アクセスコントロールにおける顔認証のクラウド方式は、インターネットを利用して顔認証機器とソフトウェアの通信により登録した顔のデータと照合し正確な認証を行います。クラウドへアクセスするためにはインターネット環境が必須であるため、使用できる場面が限定されます。個人情報である顔のデータをクラウド上にアップロードするため、重要な情報の流出や不正利用のリスクが伴います。そのため導入時にはセキュリティ面で注意が必要です。長期的に運用する場合には、オンプレミスタイプよりもコストがかかる可能性があります。顔認証機器の導入により正確な本人確認ができれば、さまざまなメリットが得られます。

◎正確な認証が可能な顔認証のメリット
顔認証に使われる顔の情報は、カード認証で使用するICカードのように紛失したり他人に無断で使用される心配がありません。決められた番号を入力するパスワード認証の場合、番号を第三者に見られて使用されるリスクがあります。顔認証は偽造によるなりすましが非常に困難であるため、カード認証やパスワード認証と比較してセキュリティ性に優れているのが特徴といえます。生体認証である指紋認証や虹彩認証も、精度が高く正確な本人確認が可能です。システムの利便性に着目すると、顔認証は生体認証のなかでも非常に優位であるといえます。指紋認証の場合、一旦立ち止まり機器に指を置いて認証する必要があるためその分タイムラグが生じます。虹彩認証は一般的に認証リーダーが高額であるため、場合によっては導入が難しいケースがあります。周囲の明るさや認証時の顔の角度が精度に影響を及ぼし、メガネやコンタクトレンズを着用した状態では認証できないことがあります。顔認証であればカメラに顔を向けるだけで正確に認証できます。顔での識別は、人間が相手を誰かを判断する手法として普段から利用されている方法です。そのため利用者の心理的不安があまりないとされており、ストレスを感じにくいといえます。荷物を持つなど両手が使えない場合でも、顔認証であればスムーズに通行できます。正確な顔認証を活用したアクセスコントロールシステムは、どの人物が、いつ、どこの部屋または区画に出入りしたのかというデータを記録して残せることも大きなメリットです。企業や施設内において重要な情報や財産の持ち出しなどのトラブルが発生した場合に、該当する人物の割り出しに貢献して原因を突き止めることにつながります。顔認証システムの導入は外部からの部外者や不審者の侵入だけではなく、従業員などによる内部不正の抑止力にもつながります。

◎顔認証における個人情報の取り扱い
個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利や利益を守ることを目的として定められた個人情報保護法は、2003年に制定され2005年に全面的に実施されました。氏名や性別、生年月日、住所などの情報のほかにも、顔認証システムにおいて正確な本人確認のために使用される顔のデータは、個人情報のひとつとして定義されています。カメラで撮影した顔で個人を特定することが可能であれば、個人情報として慎重に取り扱う必要があります。顔認証においては、カメラで取得した画像をそのまま利用するのではなく、各々の目的に合わせてほかの形式のデータに変換し活用します。顔認証により得た顔の画像から、目や鼻、口の位置、顔の輪郭などの特徴を抽出し、数値化した特徴点のデータは、個人識別符号に該当するため個人情報となります。顔認証システムにおいて、カメラで顔の画像を撮影し特徴量のデータを抽出する行為は個人情報の取り扱いに該当します。顔認証の顔の情報をデータベースとして機器本体やパソコンに保存して使用する場合は、個人データとして取り扱います。従って顔認証リーダーに記録されているデータは、個人情報保護法の規則に従い運用し管理する必要があります。顔認証により得たデータをすぐに破棄したりリーダーに保存しないケースでも、個人情報として扱ったことになります。顔認証は非常にセキュリティレベルが高い認証方法である反面、社内IDやパスワードのように顔のデータは簡単には変えることができません。万が一顔認証データから顔に関わる情報の流出が起こった場合、個人情報保護法違反として罰金などの罰則が課されることがあります。そのほかにも、個人情報が記載されている書類の紛失や記録媒体の破壊、改ざんなどもこれに該当します。そのため、顔認証システムを導入する前には正確なデータの管理や保管方法について明確に定めておく必要があります。顔認証の導入後に個人情報の流出などのトラブルを防ぐためには、国により定めたられたガイドラインに従い「利用する目的を本人に通知、公表した上で運用を行う」「データを正確な本人確認以外の目的で使用しない」などの決まりを明確に定めて、オフィスの従業員や施設の職員に周知することも重要です。
◎正確で迅速な本人確認が可能な顔認証リーダーFE-600
正確な顔認証のほかにも、カード認証や暗証番号認証が利用できるのが顔認証リーダーFE-600です。顔のデータは顔認証リーダー本体に5万人まで登録でき、100,000回分の認証ログの保存が可能です。1秒以下での正確な顔認証を実現し、マルチフェイス認証機能により同時に5名の顔認証ができます。最大3メートル離れた場所から正確な顔認証が可能です。本体のサイズは192mm×92mm×30mmです。カラーはブラックとレッド、グリーンの3色から選択できます。2MPデュアルカメラを備えており、2 core CPUでメモリーは4GBのRAM、8Gのフラッシュです。FE-600には、5インチのIPSタッチパネルが搭載されています。画面をタッチするのみで、手軽にユーザー登録や削除ができます。新たに顔認証用の画像を登録する場合は、画面を長押してメインメニューに入ります。ユーザー管理アイコンを選択して顔を撮影すると、約3秒後に認証用の写真が登録されます。その後画像の氏名やユーザーIDを入力します。メニューの重複チェック機能を利用すると、画像がすでに登録されていないか確認できます。FE-600にはシングル/マルチ検出モードが搭載されています。シングルモードは、カメラが認識した範囲内で最も大きく映った顔を認証します。マルチモードは、大小関わらずカメラに映る全ての顔を検出します。顔認証リーダーのフェイス+マスク検出機能は、マスクを着用した状態で正確に顔認証できます。マスクを着けていない人物を感知した際には、着用を促すために音声アラートを鳴らすことも可能です。カード認証を利用する場合は、顔認証機器の下部にカードを軽くかざすのみで正確な本人確認ができます。温度は-10〜50度、温度は10〜90%の環境下で利用できます。

◎顔認証リーダーFE-600の取り付け事例
フィットネスジムやホテルなどの宿泊施設においては、利用者の多い時間帯には受付で混雑が発生することがあります。24時間営業のジムや民泊の施設においては、常時受付に人員を配置しなければならず、従業員の確保や人員費が嵩む問題が生じます。ジムやホテルにおいてあらかじめ会員登録しておけば、顔認証システムにより正確に個人を瞬時に識別できます。短時間で無人でも受付を完了できるため、混雑の解消や人件費の削減に貢献します。
企業のオフィスや工場において、正確な本人確認のために顔認証機器FE-600を採用すれば、従業員がカメラに顔を向けるのみでスムーズに出入りを行うことができます。なりすましが困難で非常に高度なセキュリティレベルを誇る顔認証リーダーFE-600であれば、オフィスにおいて外部からの侵入による情報やパソコンなどの財産の持ち出しや、内部からの個人情報の漏洩を防ぐことに効果を発揮します
◎まとめ
「個人情報や機密情報を安全に管理する目的で、建物内の重要エリアに顔認証リーダーを採用したい」「自社のオフィスに顔認証リーダーを導入して正確な本人確認を実現したい」など、アクセスコントロールシステムの構築や認証リーダーの設置を行なっております。カギ舎は、東京に本社を置くカギの専門業者です。顔認証リーダーの導入に関わるさまざまな相談や依頼に随時応じています。お客さまのご都合に合わせて対応しておりますので、お気軽にご相談ください。