プライバシーマーク取得を見据えた顔認証システムと個人情報保護
身体的特徴を用いて認証する顔認証の入退室管理では、人の出入りの把握やセキュリティの強化が見込めます。一方で、カメラで撮影された顔のデータは大切な個人情報のため、適切に管理することが重要といえます。プライバシーマークの取得に向けて顔認証システムを導入するのであれば、認証精度だけでなく、セキュリティ対策や個人情報保護対策なども含めて検討することが重要です。この記事では、プライバシーマークの取得メリットや、プライバシーマークの取得に向けた顔認証システムを選ぶポイントなどをご紹介します。
◎顧客の信頼性を高めるプライバシーマークとは
プライバシーマークは、通称Pマークとも呼ばれており、事業者が個人情報の適切な保護措置体制を整備していることを、第三者機関が認めた証とし認定するマークのことです。プライバシーマークの運用は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が行っており、日本産業規格JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項にもとづき、一定の基準を満たすと企業や組織に付与されます。プライバシーマークの取得によりホームページや店頭、名刺、パンフレット、広告用資料等にプライバシーマークを掲載することが可能です。プライバシーマークを取得すれば、企業などでは個人情報を扱う際の運用ルールや保管、管理が整備されていることをアピールすることができ、プライバシーマークは顧客からの信頼性のアップにもつながります。プライバシーマーク自体の取得は必須ではありませんが、個人情報を扱う事業者にとっては、個人情報保護体制を講じることで、企業の信頼性の向上につながることから、プライバシーマークの取得を検討する企業も増えています。
2026年6月末の時点で、約17,700社以上の事業者がプライバシーマークを取得しています。プライバシーマーク制度の目的は、個人情報の保護に関して消費者が安心してサービスを受けられることや、事業者に個人情報の取り扱いを推進することで、消費者から社会的な信頼を得ることです。プライバシーマークの付与対象は、日本国内に拠点をもつ法人単位が対象で、個人単位での取得は対象外となります。プライバシーマークには有効期限があり、2年間ごとに更新審査が必要です。プライバシーマークの付与を受けるまでの流れは、PMSの構築、PMSの運用、申請、審査と進みます。まずは申請までの準備が必要で、プライバシーマークの申請による条件のJIS Q 15001にもとづいたPMSの構築や、そのPMSの運用を「PDCAサイクル」に沿って計画、実行、評価、改善を繰り返すことです。プライバシーマークの申請までには、社内体制を整備に、個人情報保護方針の策定、個人情報の洗い出し、リスク対策の実施、従業員の教育、内部監査の実施などを進め、一連の流れを最低1回以上実施します。
PMSの運用に向けて整備された体制を継続的に運用できることで、プライバシーマークの申請が行えるのです。事業者はプライバシーマークの申請のち、形式審査、書類審査、現地審査を得て、無事に通過すると付与が決定されます。プライバシーマークの取得にかかる期間は、準備から取得まで含めて概ね6ヶ月〜1年程度かかります。事業者にとって、プライバシーマークの取得は、個人情報に対する従業員の意識を高めるだけでなく、プライバシーマークにより個人情報保護の管理体制が適正であることを対外的に示すことで、取引先からの信頼性を深めます。
◎企業におけるプライバシーマークの取得のメリット
企業ではプライバシーマークを取得すると、顧客からの信頼性が高まります。消費者にとっては、その企業に個人情報を預けて安心できるかどうかの判断基準に、個人情報保護体制の整備はひとつの指標となります。プライバシーマークの認定は、第三者機関から個人情報の適切な管理を行っていることを客観的に示すことができ、消費者に対してプライバシーマークは安心感をもたらします。企業間の取引においても信頼性は重要です。プライバシーマークの取得は顧客の個人情報保護体制を整備し社会的な信用を得ることで、企業にとっても収益やブランドイメージの向上につながります。プライバシーマークを付与すると、企業の取引や入札案件において他社との差別化を図れる点がメリットです。プライバシーマークの取得は、個人情報管理体制が整っていることを、第三者機関から証明されることで、企業間の取引においても信頼性を得られます。入札案件などにおいてもプライバシーマークの取得は、他社との差別化を図り商談にも有利です。
企業の取引や入札案件において、取引条件や参加条件としてプライバシーマークの取得を求められる場合もあります。そういった意味でもプライバシーマークの取得は、ビジネスチャンスにおいての幅が広がります。プライバシーマークの取得のメリットは、従業員の個人情報の取り扱いにおいて意識向上が図れる点です。プライバシーマークによるPMSの運用には、全従業員への教育なども含まれており、組織では、プライバシーマークの個人情報保護の社員教育を定期的に実施することが必要です。従業員の1人ひとりの個人情報の取り扱いにおける意識が高まり、プライバシーマークにおける個人情報を慎重に取り扱う文化を築くことができます。そのことからプライバシーマークの付与は、従業員のヒューマンエラーなどによる情報漏洩などの防止対策にも有効です。万が一問題が発生した場合においても、プライバシーマークの改善案を実行することで、早期に事後の調査や対応が行えます。
◎個人情報を扱う顔認証システムの特長
顔認証は、カメラに写った映像から人の顔を検出して、本人を識別する認証方法です。個々で異なる身体的特徴を用いて認証する生体認証のひとつで、顔認証のほか指紋認証や静脈認証、虹彩認証なども生体認証技術に含まれます。顔認証は、高度なセキュリティ対策が行える徹底した個人情報の管理を行うことで、プライバシーマークの取得に向けての活動にも採用されています。顔の画像から目、鼻、口、顔の輪郭や位置や形などの特徴を読み取り、数値化したデータを保存し、登録した顔データと照合率が一定の値を超えれば、同一人物として認識する仕組みです。近年ではAI技術により認証精度が向上しており、顔認証ではマスクや眼鏡などで顔の一部が隠れている場合でも、認証できる機種も登場しています。高精度な認証技術のため、顔認証は複製や改ざんが難しく、なりすましによる不正侵入が困難なことから、入退室管理システムに活用されている認証方法のなかでも、セキュリティ性が高い認証方法です。顔認証を登録する際に、カメラで写した顔の映像は個人情報に含まれます。プライバシーマークの取得を目指す企業では個人情報保護の観点から、顔認証において活用する顔画像はもちろん、特徴量などの情報も個人情報として厳密に管理することが重要といえます。
プライバシーマークを目指す企業であれば、認証性能だけでなく、個人情報のデータ保存方法や適切な管理により改善策を講じることです。顔認証の特長のひとつは、紛失や盗難のリスクがありません。入退室管理に物理的な鍵などを用いている場合、鍵を持ち歩くことから、紛失や置き忘れなどのリスクがあります。紛失した鍵を第三者に拾われ悪用されると、なりすましにより不正侵入される可能性も否定できません。一方で、個人の顔を鍵として活用する顔認証は、紛失や盗難がなく安全性が高いだけでなく、利便性の向上が見込める認証方式といえます。非接触の認証ができる顔認証は利便性においても効果的です。指紋認証は認証センサーに指をのせて認証することから、操作する手間がありますが、顔認証はカメラ部分に顔を向けるだけで認証が行えることから、利便性の向上かつ利用者の抵抗感も軽減します。両手に荷物を持っているときや台車などを押している際においても、顔認証はカメラを見れば認証が完了できることから、利用者は荷物を持ったまま円滑な通行が行えます。
◎プライバシーマークの取得に向けて顔認証システムを選ぶポイント
タッチレスで入退室管理が行える顔認証は、機種によって性能はさまざまです。プライバシーマークを目指す企業であれば、入退室管理に顔認証を選ぶ際、認証精度や個人情報の管理方法などをチェックし、自社に適した顔認証を選ぶことが大切といえます。顔認証の認証技術には、ビジュアル方式(2D認証)とIR方式(3D認証)の2種類があり、認証精度はプライバシーマークの取得においても重要な要素といえます。ビジュアル方式の顔認証はカメラで写った画像を平面的に取り込む認証方式で、特別な認証機器の必要がないことから採用されている端末が多く、選択肢が豊富な点がメリットです。一方で、太陽や光源の量によって認証精度が低下することや、髪型や化粧の変化の影響を及ぼすことがあります。IR方式の顔認証は、ビジュアル方式に赤外線センサーを加えて顔を立体的に検出するシステムで、ビジュアル方式より認証精度が高いことから、光の影響や髪型、化粧などの影響を受けにくい点がメリットです。IR方式は、正確性が高い認証が実行できることから、なりすましによる不正認証のリスクを軽減します。しかし、赤外線センサーが必要なことから、初期費用や維持費用がかかることがあります。顔認証のデータを保存する方法は、プライバシーマークの個人情報を保護するうえにおいて重要な要素です。
顔認証における顔の写真や顔の特徴量などを保存する管理方法には、オンプレミス方式やクラウド方式などがあります。オンプレミス方式は、自社でサーバーやネットワークを構築して運用するタイプで、メンテナンスやセキュリティの対策、保守管理などを自社で行います。社内ネットワークを利用しインターネット通信を利用しないことから、個人情報の流出や不正利用などのリスクがなく、プライバシーマークにおける個人情報の保護の観点から安全性が高い方式といえます。一方で、クラウド方式は、顔認証の顔のデータをクラウドサーバーに登録して顔データのやり取りを行うタイプです。保守管理やメンテナンスなどをクラウドサーバー業者で行うことから、手間がありません。一方で、インターネット上で送受信を行うことから、プライバシーマークの個人情報保護への配慮から、情報漏洩などのセキュリティ性の強化が必要です。このように入退室管理において顔認証を選ぶ際は、個人情報を厳密に管理するシステムや自社に合った機能を搭載したシステムを選ぶことが重要といえるでしょう。
◎なりすまし防犯機能を搭載した顔認証リーダーFE-500
KJ TECH japan のFE-500は、高精度の認証技術により正確性が高い本人確認を実現する顔認証リーダーです。FE-500の最大の特長は1秒以下の高水準の認証速度で、識別時間においても0.3秒未満で照合し認証を行います。入室の円滑な通行が促進できることやセキュリティ性が高いことから、企業ではプライバシーマークの取得対策を講じる際にも活用されています。顔認証リーダーFE-500の認証方式には、顔認証のほか、カード認証、暗証番号認証、QRコード認証などの認証方式を搭載しており、用途にあわせて選択することが可能です。顔認証はFE-500本体に2メートル以内に近づくと顔を認識することができ、顔認証では50,000件のユーザーの登録が行えます。検出方法には、シングルモードとマルチモードの切り替えで構成されており、マルチモードでは、複数人を同時に認証ができるため、大規模の企業の従業員において、一斉に出退勤する出入口などに有効なモードです。顔認証リーダーFE-500ではなりすまし防止対策に有効なビデオ検出機能を搭載しています。ビデオ検出機能では、偽造や複製された写真、動画、3Dマスクなどのフェイクフェイス攻撃を抑制し、なりすましによる不正な入室を阻止します。FE-500は99.99%の認証精度を誇り、本人と間違えて他人を認証する確率が極めて低く信頼性が高いことから、プライバシーマークの取得においても欠かせない要素です。
FE-500のカード認証は、MIFAREやFeliCa、HID prox、Iclass、EM、Indalaなどの種類のカードで用いられている交通系や電子マネー、社員証などを活用することができます。認証方式には顔認証とカード認証を組み合わせて認証する二重認証機能を搭載しており、プライバシーマーク取得に向けて、機密情報や個人情報などを保管しているサーバールームなどの出入口に導入すると、高いセキュリティ対策が実現します。一時的に利用することができるQRコード認証においては、日時を限定して入室することが可能です。QRコード認証は、来訪者や毎月に来る清掃業者などの活用にも適しています。顔認証リーダーFE-500はオンプレミス型のため、顔情報などの膨大なデータの記録や保存ができ、プライバシーマーク取得を目指す企業に安心なシステムです。
◎まとめ
企業においてプライバシーマークの取得は、社会的な信頼性や商談におけるビッグチャンスの拡大のメリットなどがあります。ほかにも、プライバシーマークの個人情報の取り扱いにおける従業員教育を行うことで、従業員のセキュリティ意識向上や社会ルールの整備も進みます。カギ舎では、認証精度が高い入退室管理対応の顔認証を取り揃えております。企業においてプライバシーマークの取得に向けて、高いセキュリティ対策が行える顔認証リーダーをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。












