建物への侵入犯罪を防ぐ強盗対策に効果的な鍵とは
近年は不安定な社会情勢からさまざまな犯罪が横行しており、誰がいつどこでどんな被害に見舞われても不思議ではありません。住宅やマンションなどの住居においても同様で、玄関ドアや窓の鍵を不正に開錠して室内への侵入を試みる空き巣などの侵入犯罪被害が後を絶ちません。侵入犯罪を未然に防ぐためには、普段からひとりひとりが高い防犯意識を持つとともに、侵入に強い鍵を設置するなどの強盗対策を講じることが大切です。この記事では、侵入者がよく使う手口や防犯性の低い鍵とはどんなものなのか、どのような鍵が強盗対策に効果的なのか、具体的な強盗対策の方法などを詳しくご紹介します。
◎建物における侵入犯罪の現状
警視庁の公式サイトのデータによると、侵入窃盗のうち住宅対象侵入窃盗は平成16年から減少傾向となっています。令和4年は1万5,692件となっており引き続き減少していますが、1日当たりの割合で見ると約43件もの侵入犯罪が発生しており強盗対策が必要な状態となっています。侵入窃盗の発生場所別認知件数については、一戸建て住宅が33.0%ともっとも多く、マンションやアパートなども含めると45.1%となっています。侵入犯罪の手口については、空き巣被害が最も多く見られ、全体の約3分の1を占めています。侵入犯罪とは、住宅などの建物に侵入して行われる犯罪のことをいいます。ナイフなどの凶器を突きつけて家人を脅して金品などを奪う手口である侵入強盗、金品を盗む侵入窃盗及び住宅侵入は、主に侵入犯罪と呼ばれています。とくに住宅をターゲットにした侵入窃盗は、空き巣、忍び込み、居空きといった大きく3つに分けられます。空き巣は、住人が不在の住宅に侵入して、現金や預金通帳、貴金属やキャッシュカード、クレジットカードやパスポートなどを盗む手口です。金品のみではなくパソコンや家電製品、また住所の記載された手帳などが一緒に盗まれ犯罪に悪用されるケースもあります。忍び込みは、就寝時に室内に侵入して盗みを働きます。居抜きは住人が家事や昼寝をしている最中に住宅内に入り、金品などを奪う行為です。忍び込みや居抜きの場合、夜間に起きてきた住人と鉢合わせになり脅迫されたり、暴行を受けるなどして生命の危険にさらされるケースもあります。特に女性やご高齢の方が気を付けなければならないのが、侵入犯罪者による留守宅での待ち伏せです。あらかじめ下調べしておいた住宅の近くで待ち伏せして帰宅するのを待ち、家族の知り合いを装いキャッシュカードを奪ったり暗証番号を聞き出して現金を引き出されてしまうことがあります。被害に遭った後には、見知らぬ人間に部屋に侵入され室内を荒らされた恐怖感や再び同じような侵入犯罪に見舞われてしまうのではないかという不安感が根強く残り、まれに心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して侵入犯罪の記憶がフラッシュバックのように繰り返し思い出したり、悪夢に見たりする状態になることがあります。近年はインターネット上で「必ず大金が手に入る」「警察に捕まる心配はなく必ず高額稼げる」などとうたい、高額な報酬と引き換えに違法行為を行わせる、いわゆる闇バイトにより侵入犯罪へと誘う手口も急激に増えています。実際に事件も起きているため、強盗対策が急務となっています。最近は宅配業者や業者の点検を装った被害も急増しています。自宅に荷物が届いた業者が訪ねてきた際に、本当に配達員なのかそれとも侵入者なのかどうかは、インターホン越しの画像をひと目見ただけでは見分けるのがなかなか難しいのが現状です。とくに自宅でひとりの際に来訪者があった場合には、すぐにドアを開けずにドアチェーンを付けたまま相手を確認するなど、何らかの強盗対策を講じることが重要です。侵入者はさまざまな方法を使い住宅に入ろうとするため、注意して強盗対策を行う必要があります。

◎空き巣がよく使う侵入方法
日頃からの強盗対策は、安全な暮らしを送るために欠かせません。一戸建て住宅や集合住宅などいずれのタイプの住宅でも、侵入犯罪のなかでもっとも多い被害が無施錠となっています。無施錠とは、ドアや窓などに鍵をかけていないということをいいます。別の呼び方では、未施錠や無締りなどと呼ぶこともあります。無施錠には、通勤や通学、買い物やペットの散歩などでの外出時に鍵をかけ忘れ強盗対策できなかったケースがあります。自宅から歩いて数分ほどのコンビニエンスストアまでの買い物や朝のゴミ出し、近所のポストへの郵便物の投函など「ほんの数分で戻るから鍵をかけなくても大丈夫」と意図的に施錠せず強盗対策をしない場合もあります。さらに出かける途中で施錠し忘れたことを思い出しても、「ちょっとの時間だからきっと大丈夫」とあえて自宅に戻らず強盗対策しないケースも見られます。「この近辺の家に鍵をかける人がいないから」「うちには何も盗られて困るものは置いていないから」などといった理由で施錠するなどの強盗対策を行わないと、少しの油断が侵入犯罪につながり大きな被害に見舞われるリスクがあります。出かける際やひとりで自宅にいる際には、玄関や窓は必ず施錠する習慣を身につけることが強盗対策につながります。住宅の窓ガラスを破壊する侵入犯罪も多く発生しています。多くの住宅の窓には、クレセント錠が設置されています。クレセント錠とは、三日月状の形をした金具のことを言います。鍵を意味する「錠」という名前がついていますが、もともとは防音性や気密性を高める目的でつけられているものであり、強盗対策としての役割はあまり期待できないとされています。そのことから、クレセント錠のみで強盗対策をしていない窓が標的とされ、さまざまな方法で侵入犯罪を試みるケースがあります。住宅の窓ガラスを破壊し、そこから手を入れてクレセント錠を開けるガラス破りの手口のひとつ「焼き破り」があります。焼き破りとは、侵入者がガスバーナーなどで窓ガラスを熱し、その後水や瞬間冷却スプレーで急速に冷やすことによりガラスを破損させる方法です。侵入者による焼き破りは、数十秒ほどで窓ガラスを割ることができます。急激な温度変化によりガラスが割れる際には音がほとんどしないため、侵入者がよく使う手口となっています。「こじ破り」は、窓ガラスとサッシの間にドライバーなどを差し込み、クレセント錠の周囲のガラスを破壊して手や指を差し入れて開けるという侵入犯罪の手口です。特殊な道具や技術が必要なく、短時間でガラスを割ることができるこじ破りは音もそれほど出ないことから、侵入者に利用されることの多い手段です。窓ガラスのみではなく、施錠された玄関ドアに対して行われることがあるのも侵入者によるこじ破りの特徴といえます。扉は、窓よりも丈夫な作りとなっており厚みがあるため、ドアと枠の隙間にバールなどを打ち込みこじ開けます。侵入犯罪の手口である窓ガラスの「打ち破り」は、ハンマーやドライバーなどの工具でガラスを壊す方法です。ガラスが割れる際に大きな音がしますが、素早く盗みを働いて逃走するため特に住宅において多く見られる手口となっています。「下がり蜘蛛」は、マンションなどの建物の屋上からロープを垂らし、それを伝ってベランダに降りて窓から侵入する手口のことをいいます。高層階の部屋では侵入犯罪が起こらないという油断や、人の目線が上の方には向きにくいという性質を利用した巧妙かつ大胆な方法となっています。蒸し暑くなる夏場などマンションの上階に住んでいると、窓を開けたまま就寝するケースがあります。下がり蜘蛛による侵入犯罪を防ぐためには、たとえマンションの最上階に住んでいてもベランダ側の窓は必ず鍵をかけ強盗対策をするようにしてください。玄関ドアなどに侵入者が行うピッキングとは、特殊な工具を鍵穴に入れて不正に鍵を解錠する方法のことをいいます。手慣れた侵入犯罪者であれば、1〜2分もかからずに鍵を解錠でき室内に侵入されてしまいます。とくに以前に一時的に急速に普及したディスクシリンダー錠という鍵は、侵入犯罪者によるピッキング被害に遭いやすいとされています。玄関のドアには、室内側から解錠するためにサムターンと呼ばれる金属製のつまみがついています。サムターンが縦になっていれば解錠されており、横になっていれば鍵がかかっている状態です。サムターンはシリンダー錠とワンセットになっており、ドアの外側には鍵穴があります。侵入者がよく使う手口であるサムターン回しは、ドアポストやドアの隙間などから細長い器具を差し込みサムターンのつまみを回して不正解錠します。玄関ドアの外側から電動ドリルを使い、穴を開けてサムターン回しが行われるケースもあります。カム送り解錠とは、ドアの外側から鍵穴のあるシリンダーカラーを手前に引っ張り、シリンダーカラーとドアの境目から工具を差し込んで不正解錠する侵入犯罪者の手口です。バイパス解錠とも呼ばれており、ドアや鍵穴を傷つけることがないため見た目ではカム送りで解錠されたことに気づきにくく、発見が遅れることがあります。侵入者は空き巣に入る家を下見した上でターゲットを絞ります。狙われやすい住宅には、共通した特徴があるため注意が必要です。

◎侵入者に狙われやすい住宅の特徴
人通りが少ない道路に面して家が建っていたり、隣の家との距離が長い場合は、目撃される可能性が低いため狙われやすいといわれています。大きな通りに面した道ではなく1〜2本奥に入った細い道路は、街灯が少ないため夜間に住宅を狙いやすく、侵入犯罪に遭うリスクが高まるため、強盗対策が重要となります。住宅が生け垣や塀に囲まれており周囲から見えにくい場合も、侵入者に狙われやすくなります。建物の周囲にエアコンの室外機や脚立、古い椅子や机などが片付けられずそのまま放置されていると、それが足場となり高い位置にある窓や2階からも侵入されてしまいます。ほかにも、物置やカーポートなどを足がかりとして侵入しようとするケースもあります。勝手口にも強盗対策を講じる必要があります。1日に何度も勝手口を利用する場合、その都度鍵をかけるのが面倒になり、あえて施錠をしない場合があります。また勝手口の場合は、玄関ドアよりも防犯性の低い簡素な構造の鍵を使用している場合が多く、侵入者に空き巣に入りやすい場所だと目をつけられてしまう可能性があります。いつも外に洗濯物が長時間干したままになっていたり、自宅の郵便ポストに郵便物や新聞が溜まっている場合、人の出入りが少ない住宅も犯罪侵入者にターゲットにされやすくなります。昼間でも自宅の雨戸やカーテンが閉めてある家も、下見をした犯罪侵入者に留守がちの家だと思われ、狙われやすくなります。残業などでいつも帰りが遅く、家の電気が夜遅くまでつかないことが多い場合は、侵入犯罪者に留守とみなされて標的となり得ます。侵入犯罪者は空き巣に入りやすい家を下見するとともに、逃走するルートを考えてから犯行に及ぶため、逃げやすい条件が揃っている家は狙われやすいです。侵入者のなかには、会社員や訪問販売員に成りすますためにスーツ姿で現れることがあります。ほかにも、ウォーキングやランニングをしているように見せかけるためにラフなジャージ姿で現れたり、点検業者を装うために作業服姿であったり、土木作業員に成りすましたりすることもあります。

◎侵入犯罪の防止効果が高い強盗対策
侵入犯罪の被害を未然に防ぐためには、防犯性の高い鍵の交換を行うことが強盗対策として効果的です。犯性能の高い建物部品を活用したり、玄関の鍵のみではなく窓や勝手口などの鍵を見直すことも強盗対策につながります。
○防犯性の高い鍵への交換
構造がシンプルな鍵であるピンシリンダーキーディスクシリンダーキーは、侵入者のピッキングなどにより比較的簡単に不正解錠できてしまうため、できるだけ早く交換することが強盗対策につながります。ディスクシリンダー錠が発売された当時は、安価なことや利用しやすさから全国の住宅やマンション、アパートなどの鍵として急速に普及しました。しかし1990〜2000年代に入ると、侵入犯罪者のターゲットになり空き巣被害が拡大したため、強盗対策には不向きで防犯性が低い鍵と認識されていきました。ディスクシリンダー錠は手慣れた侵入者であれば2〜3分で解錠できるといわれており、強盗対策に適していません。そのため現在では、鍵の製造メーカーはディスクシリンダー錠の製造を中止しています。ディスクシリンダーは、鍵の両側にギザギザとした刻みがついているのがその特徴としてあげられます。ディスクシリンダー錠は、鍵がかかっている場合は、ディスクタンブラーが外筒に引っかかっています。鍵穴に正しい鍵を差すと、内筒と外筒の境界線が揃い鍵が回り解錠される仕組みです。鍵の複製が簡単で短時間で合鍵を作成できるため、防犯性が低く強盗対策には向いていないといえます。ピンシリンダーキーは、内筒と外筒に分かれた構造になっており、正しい鍵を入れると内筒が回転し鍵を開けます。2000年以前に建てられた建物には、強盗対策には向かないディスクシリンダーキーやピンシリンダーキーが現在も多く残っています。侵入者はドアに不正解錠しやすい鍵がついているなど、強盗対策を行っていない家を見つけて標的にします。ピンシリンダーキーやディスクシリンダーキーを現在も使用している場合は、強盗対策のためにも早めに交換を検討しましょう。インテグラルタイプや円筒型タイプの鍵も防犯性が低いため、強盗対策にはなりません。インテグラル錠は、丸いドアノブに鍵穴とサムターンが付いており、同じケース内にラッチとデッドボルトが入っています。ラッチとはドアノブを回すと動く三角形の形をした金具であり、デッドボルトとは角形の部分のことをいいます。ドアノブを外したりこじ開けなどの被害に遭うリスクが高く、強盗対策には向かない鍵となっています。十数年前までは、多くのマンションなどでインテグラル錠が利用されていました。昔からあるマンションに住んでいる場合、未だに玄関などに強盗対策に不向きなインテグラル錠が用いられている可能性があります。モノロックとも呼ばれている円筒錠は、ドアノブの内部にシリンダー錠が組み込まれている鍵です。ドアノブの内側のボタンを押すことにより、外側のノブが回転しないように固定され鍵をかけます。主に室内扉用として使われていますが、古くからあるマンションやアパートなどの集合住宅や戸建て住宅の勝手口でもよく見られます。円筒錠は構造的に防犯性が低く、強盗対策には適しません。デッドボルトがないため、侵入犯罪者がよく使う手口であるこじ開けにも弱いといわれています。現在は防犯性が高く、強盗対策に適している鍵が多く普及しています。強盗対策に適しているロータリーディスクシリンダー錠は、鍵穴が横長になっており鍵の両端には刻みがあります。鍵穴に鍵を差すと、シリンダー内にあるロッキンバーと呼ばれる棒状タンブラーが回転して鍵がかかる構造になっています。内部が複雑な構造になっていることから、侵入者によるピッキングによる不正解錠は難しい鍵といわれているため、強盗対策に適しています。強盗対策に効果的なディンプルシリンダー錠は、鍵の表面や側面に複数のくぼみがあるのが特徴となっています。くぼみの深さは非常に精密に作成されているため、合鍵を作るためにも高度な技術が求められます。そのため侵入者が空き巣に入るために不正に複製するのは極めて困難となっています。登録制となっており、番号を示さないと合鍵が作れない強盗対策が取られているディンプルシリンダー錠もあります。鍵穴の内部が非常に複雑な構造となっており、強盗対策に適しているといえます。鍵を差すと鍵穴の内部のピンと呼ばれる部品の高さが一致して、鍵が開く仕組みとなっています。鍵のピッキングへの強さは、耐ピッキング性能で表されます。耐ピッキング性能とは、定められた試験方法に基づきピッキング試験を複数回行い、解錠するまでにかかった時間を計測し、もっとも短い時間を性能として表します。一般的なギザギザのついた鍵が5分以内であることに対し、ディンプルシリンダーキーの場合は多くの製品が10分以上となっています。このことからピッキングはほぼ不可能であるとされており、非常に防犯性の高い鍵であり強盗対策に向いています。耐久性に優れているため、破壊開錠などにも強いとされています。マグネットタンブラーシリンダー錠は、鍵の表面に磁石が埋め込まれています。タンブラー錠と鍵の表面の磁石が反発し合うことで、内部のピンが揃い解錠します。磁石であるためシリンダーと鍵が接しないと開かないことから、工具などを差し込んで不正解錠を行うのは非常に難しいのが特徴です。鍵交換を行う際には、強盗対策に適している防犯性の高い「CPマーク」のついた鍵に変えるのも強盗対策として、より高い効果が期待できます。CPとは、防犯を表す「Crime Preventio」の頭文字を取ったものです。侵入者がピッキングやこじ破りなどの行為を開始してから建物内部に侵入可能な開口になるまでの時間を「抵抗時間」と呼びます。商品ごとに定められた試験を行い、抵抗時間が5分間以上であることを確認されたものが防犯性能の高い建物部品、つまりCP部品として認められCPマークがつけられます。鍵のほかにも、サッシやガラス、ウィンドフィルム、雨戸、面格子、窓シャッターなどのCP部品があります。住宅への強盗対策を行う際には、玄関はもちろん、窓ガラスなどへの対策も非常に重要です。

○勝手口や窓への強盗対策も重要
強盗対策として住宅の玄関ドアや勝手口などに補助錠を取り付けて、ワンドアツーロックを心がけるようにしましょう。ワンドアツーロックとは、強盗対策のためにひとつのドアに対し2つ以上の鍵が付いている状態のことをいいます。メリットとしては、解錠する手間が増え防犯性を強化でき強盗対策を講じられることがあげられます。侵入者は、家に入るまでにかかる時間が長ければ長いほど犯行を諦める傾向にあります。鍵を開けるのに5分以上かかる場合は70%、10分以上であればほとんどの侵入犯罪者が侵入を諦めるといわれています。つまり、侵入に時間をかけさせることが、強盗対策としての大きなポイントになります。玄関の外側に補助錠を取り付けるだけでも、ひと目で強盗対策を講じていることがわかります。そうすればここの住宅は防犯意識が高いと思われ、侵入犯罪者に諦めさせる強盗対策効果が期待できます。補助錠には両面テープなどで貼り付ける簡易的なタイプや、本格的な設置工事を必要とするタイプなどさまざまな種類があります。ドアの外側に設置するタイプの補助錠は、大がかりな工事が必要なく、ネジなどで簡単に固定できるため手軽に導入できる強盗対策です。ドアの内側に取り付け強盗対策する補助錠は、ドアやドア枠に加工が必要なタイプや、賃貸住宅にも導入できる簡易取りつけタイプなどがあります。強盗対策にも効果的な面付タイプの補助錠は、ドアの扉に穴を開けてネジでしっかり固定します。ドアに穴を開ける工事が必要になるため、強盗対策として賃貸住宅への設置するのは不向きであるといえます。強盗対策のために、玄関だけではなく勝手口にも防犯性の高い補助錠を設置するようにしましょう。窓ガラスにも補助錠を取り付けることも強盗対策として効果的です。強盗対策のための窓ガラス用の補助錠には、貼り付けタイプと圧着・差し込みタイプがあります。貼り付けタイプは、窓枠やレール部分にテープで貼り付けて設置し強盗対策を行います。工具や穴あけが必要なく、手軽に設置でき強盗対策できるのがメリットとなっています。圧着·差し込みタイプの補助錠は、窓枠やレールに本体をはめ込んだり、差し込んだ後につまみでロックしたりして設置し強盗対策を行います。何度でも設置し直すことが可能で、手軽に強盗対策が行えるため大変便利です。窓用補助鍵には鍵付きタイプがあり、窓に設置する錠前と鍵がセットになっています。侵入者が焼き破りにより窓を割り内側に手を入れても解錠できないため、強盗対策が期待できます。窓に防犯フィルムを貼ることも強盗対策の方法のひとつです。防犯フィルムであれば、窓ガラスに貼るだけで手軽に強盗対策ができます。防犯フィルムを窓ガラスに貼ると、侵入犯罪者がガラスを割るのに時間がかかり諦める可能性が高まり強盗対策となります。防犯フィルムの耐用年数は約10年となっているため、1度貼り付ければ強盗対策として長く活用することが可能です。ガラスフィルムにも強盗対策にも適しているとされているCPマーク認定品があるため、利用すると防犯性がさらにアップし強盗対策できます。本格的に強盗対策を行いたい場合は、自宅のガラスを防犯ガラスに交換するのもひとつの方法です。防犯ガラスは、2枚のガラスの間に樹脂製のフィルムを何枚も挟み込み接着したものをいいます。バールやハンマーで窓ガラスを叩いても割れにくく、たとえガラスが割れても破片が散らばらず落ちず穴も開きません。そのため窓ガラスを割り侵入しようとする強盗対策に適しています。窓ガラスの外側にシャッターや格子をつけることも、強盗対策として効果が期待できます。シャッターなどが設置してあれば、侵入者は窓ガラスを割る前にシャッターや格子を取り除かなければなりません。侵入犯罪者のターゲットになりにくく、強盗対策への効果が期待できるといえます。玄関のドア枠にガードプレートを取り付けることも、強盗対策となります。ガードプレートとは、強盗対策のためにドア枠とドアの隙間を塞ぐための器具です。侵入者によるドアのこじ開けや、サムターン回しなどの手口に効果を発揮し強盗対策に適しているとされています。多くの侵入者は、庭を通り住宅に侵入しようとします。強盗対策として庭に防犯砂利を敷くことも防犯性を高める効果があります。防犯砂利とは、軽く踏むだけで大きな音が出るように強盗対策用として作られた、特殊な砂利のことをいいます。強盗対策のための防犯砂利の素材には、防犯砂利のなかでもっとも一般的な素材であるガラス製をはじめ、天然石や溶岩、瓦製などがあります。強盗対策への効果の高さを重視するのであれば、踏んだ際の音が大きい防犯砂利が効果的です。しかし強盗対策はしたいものの、近隣の家との距離が近く騒音が気になる場合は、砂利を敷く種類や場所を考えて選ぶのが良いでしょう。住宅の玄関ドア付近に、防犯カメラや人が通ると自動点灯するセンサー付きライトを設置することも、強盗対策として効果的です。

◎今すぐできる家の強盗対策
侵入者は、下見をする際にも常に周囲の目を気にしており、姿を見られてしまうことを嫌います。強盗対策のためには、住宅の周りに生け垣などがある場合には日頃から手入れをして見通しが良い状態にしておくと強盗対策につながります。家の周りに踏み台になるようなものは置かずに、片付けておくことも強盗対策になります。洗濯物はできるだけ室内干しにしましょう。女性のひとり暮らしなどの場合は、男性用の下着などを干しておくと強盗対策につながります。日頃からご近所同士でコミュニケーションを取り、不審者や車両などについて情報交換を行うことも強盗対策にとって重要です。住宅の玄関や駐車場に花を飾ると、人の目が集まりやすくなり侵入犯罪者が狙いにくく強盗対策効果が期待できます。警察で配布している防犯チラシなどを、目につきやすい場所に貼っておくことも強盗対策として効果的です。郵便受けに配達物や新聞が溜まっていると、侵入犯罪者に留守がちであると知られてしまいます。強盗対策として、事前に新聞などの配達を止める手続きをしておくと良いでしょう。来訪者があった場合には、カメラ付きインターホンやドアスコープ越しに必ず相手を確かめることが強盗対策になります。宅配便などが届いた場合には、すぐにドアを開けずにドアチェーンを掛けたままやり取りをして強盗対策を行ってください。インターホン越しに差出人を確認したら、玄関先に荷物を置いてもらうのも強盗対策となります。置き配サービスを利用するのも強盗対策のひとつの方法です。置き配とは、あらかじめ荷物を置いてほしい場所を指定しておき、対面することなく荷物の受け取りができるサービスです。ただし、荷物を長時間玄関前などに置いておくのは盗難に遭うリスクがあり危険なため、強盗対策の一貫として宅配ボックスを用意するのも良いでしょう。

◎まとめ
侵入犯罪者による被害を未然に防ぐためには、防犯性の低い鍵をセキュリティ性に優れた鍵に交換するなど強盗対策を講じるのが効果的です。CPマークがついていて高い防犯性が認められている鍵や窓ガラス、ガラスフィルムなどを取り入れると、強盗対策ができ防犯性が高まります。鍵の交換に加えて、防犯カメラやセンサーライト設置を行うのも強盗対策として良いでしょう。鍵の専門業者であるカギ舎では、強盗対策のための防犯性の高い鍵への交換はもちろん、鍵に関するあらゆる相談や依頼に365日24時間体制で対応しています。住宅の強盗対策についての相談にも応じますので、鍵や強盗対策のことでお困りの場合はカギ舎へご一報ください。