ビジネスホンとカメラ付き機器の連携
現代においてカメラ付き機器の普及率はとても高く、旅先で写真や動画を撮影してシェアしたりなど「楽しむ」目的でカメラ付きの機器が使われています。ほかにも、画像や映像によって記録や証拠を残したり、防犯対策が目的だったりなど、カメラ付き機器の役割にも変化があらわれています。この記事では、オフィスに欠かせないビジネスホンの便利な機能や、どのようなカメラ付き機器と連携できるのか、何ができるのかなど詳しくご紹介します。
◎ビジネスホンの便利機能
ビジネスホンとは、内線や外線などの電話回線を複数の電話機で共有できるシステムです。主装置と呼ばれる交換機の役割をする機器にビジネスホン専用の電話機が接続されており、主装置を介して通話を共有しています。ビジネスホンで知られている基本的な機能は、内線・外線・保留・転送などがあげられます。かかってきた外線電話は、ビジネスホン主装置に接続されているどの電話機からでも受けられ、内線機能を使って違うデスクの人へ転送もできます。ビジネスホン主装置に接続されている電話機同士での通話機能以外にも、ビジネスホンにはほかの設備と連携した便利機能が数多くあります。ビジネスホンに連携できる機器のひとつはスマートフォンです。ビジネスホンの機能のうち「転送」は、オフィスにかかってきた電話を違うデスクの人や離れたフロアにも内線機能を使って取り次げますが、スマートフォンにも転送が可能です。オフィスへの着信を外出中の社員のスマートフォンに転送するには、かかった電話を保留状態にしてからスマートフォンに発信します。相手が出たら外線が入っていることを伝えてビジネスホンの「転送」ボタンを押すと保留中の通話が転送されます。オフィスが無人になるなど、誰も外線電話を受けられない状況のときには、ビジネスホンをスマートフォンと連携させての自動転送が可能です。あらかじめ転送させたいスマートフォンの電話番号をビジネスホンに登録しておくと、オフィスに着信させずに直接スマートフォンに転送できます。そのほかにも外出先のスマートフォンからビジネスホンの留守番電話を確認したり、不在中の着信をビジネスホンがメールでお知らせしてくれたりなど、ビジネスホンとスマートフォンの連携で使える便利機能は多くあります。ビジネスホンの主装置はユニット(基板)を装備すると、さまざまな設備との連携が可能ですが、その中のひとつはカメラ付きインターホンです。カメラ付きインターホンをビジネスホンと連携させると、これまでインターホンの親機で操作をしていた来客への応対がデスクの電話機でできるようになり、ビジネスホンの主装置に接続されたどの電話機からでも応答が可能です。またインターホンが玄関や裏口など複数箇所にあってもビジネスホン1台で応対できるので便利です。機種によってはインターホンとの通話内容を録音し履歴を残せるビジネスホンもあるので、「いつ」「誰が」来たのかなどを後から確認できます。ビジネスホンと連携できる機器として、工場や倉庫などの広い場所で勤務している人に向けてアナウンスできる「構内放送設備」もあります。ビジネスホンと構内放送設備のスピーカーやアンプを連携すれば、ビジネスホンの電話機からアナウンスが可能です。たとえば工場内で作業をしている人に電話が入った場合、保留状態にしてビジネスホンの電話機から「●●さん、1番にお電話です」と放送をします。電話に出たい人は近くのビジネスホン電話機まで行って保留を解除すれば通話が可能です。そのほかにも「●●グループの方は会議室へ集まってください」などと、社員に呼び出しをかけたり音楽やチャイムを鳴らして休憩時間を知らせたりなども可能です。このようにビジネスホンはさまざまな機器と連携することで通話機能以外にも便利に使うことができるので、さらなる業務効率アップが期待されるツールです。近年オフィスなどビジネスの場にも普及が拡大しているものに「カメラ付き」の機器類があります。カメラ付き機器は、画像や映像によって業務効率化やセキュリティ対策に役立っており、ビジネスホンとカメラ付き機器を連携が可能です。

◎ビジネスホンとカメラ付き機器を連携してできること
オフィスでよく使われているカメラ付き機器に「カメラ付きインターホン」や「ネットワークカメラ」「受付電話機」などがあります。ここではビジネスホンとこれらのカメラ付き機器を連携してできることをご紹介します。
○カメラ付きインターホン
一般家庭だけではなくオフィスにもカメラ付きインターホンを設置するところが増えています。入口に設置されてあるカメラ付きのインターホン子機で呼び出しをすると、カメラが作動して屋内のインターホン親機のモニターに映像が表示されます。カメラ付きインターホンはドアを開けて確認をしなくてもカメラで訪問者の顔がわかるので受付応対がスムーズなうえ、不審者の侵入防止などセキュリティ強化にも役立ちます。そんなカメラ付きインターホンは非常に便利なので設置しているオフィスも多くありますが、いくつか問題点もあげられます。インターホンの呼び出しに応答するためには、屋内側のインターホン親機で受けなければならないため、席を立たなければなりません。1日の来客数が多かったりオフィスが広かったりする企業では、来客のたびに業務を中断して応対しなければならないため大変です。またインターホン親機に席が近い人ばかりが来客応対をしなければならないという問題も起こります。そこで、ビジネスホンとカメラ付きインターホンを連携すると、デスクのビジネスホンで来客の応対が可能になります。インターホンからの呼び出しは、ビジネスホンの主装置を介してオフィスの電話機のどこからでも応答ができるようになるので、特定の人だけに来客応対の負担がかかることがありません。相手が誰だかわかるので、担当者本人がインターホンを受けて応対をすれば、取り次ぎに時間を要することもなくスムーズにお客様をご案内できます。またインターホンとの通話内容を録音する機能を持つビジネスホンもあるので、取り次ぎの際の内容確認や悪質な勧誘業者への対策などにも役立ちます。カメラ付きインターホンはドアを開ける前に相手の顔がわかるので、不審者の侵入防止に効果があるほか「モニタリング」や「録画」といったセキュリティ面に優れた機能も持っています。たとえば外で不審な物音や気配を感じたときに、カメラ付きインターホンのモニターを使って室内から外の様子を見ることができるのがモニタリングです。機種にもよりますが、訪問者があった際に自動的に録画をしてくれる機能を持つカメラ付きインターホンもあります。自動録画した映像があると、事故や事件が起こった際の原因究明や証拠提出などに役立ちます。またカメラ付きインターホンと電気錠と連携させると、さらにセキュリティ性が高まります。電気錠とは、電力で施解錠し、扉を閉めると自動的に鍵がかかるオートロック機能を持つ鍵のことを指します。部外者を侵入させないので、窃盗やイタズラなどの被害を未然に防いだり顧客情報や社内の機密情報の漏洩を防止したりできます。この電気錠の解錠もビジネスホン電話機のボタン操作でできるので、来客応対がすべてデスクに座ったままで可能になります。
○ネットワークカメラ
出入口はもちろんのこと、オフィス内や倉庫、駐車場などにネットワークカメラ(防犯カメラ)を設置している企業が増えています。ネットワークカメラはインターネットを利用して映像を常時確認できるカメラのことです。ネットワークカメラを設置すると建物の内外にいる人間を確認したり、出入りする人や車の検知をしたりなどが可能です。セキュリティ対策としての役割を持つので、万が一事件や事故などのトラブルが起こった際には、録画機能によって記録されたカメラの映像で状況確認ができます。業務時間外や休日など無人のオフィスでは、空き巣やイタズラなどの被害にあう危険性もありますが、ネットワークカメラの存在自体が犯罪の抑止力ともなり、被害にあってもカメラの映像が証拠となるのでセキュリティ対策としては非常に効果的なツールです。ネットワークカメラもビジネスホンとの連携が可能で、デスクのビジネスホンでネットワークカメラの映像が見られます。不審者や不審物の発見時にはビジネスホンの電話機でネットワークカメラの映像を見ながらカメラの切り替えやカメラの向き、ズーム調整もできるので、安全に状況確認がおこなえます。訪問者があった際にはカメラ付きインターホンの映像は正面からしか映りませんが、ネットワークカメラを後方に配置しておけばインターホンの死角になっている場所も映せるので、訪問者に紛れて入り込もうとする不審者などの侵入を許しません。防犯機能を持つビジネスホンには、無人の事務所などでセンサーが不審者を検知すると電話機から大音量の警告音を発して威嚇し通報するものがあります。このとき連携したネットワークカメラでは映像を録画しているので、不審者の特定や警察への通報時に役立ちます。またミーティングルームや食堂などの共用スペースにネットワークカメラを設置しておくと、ビジネスホンの電話機でリアルタイムに映像が見られるので、使いたいスペースが空いているかの確認が事前にでき、行ってみたら使用中だったなどということがありません。ネットワークカメラの映像はビジネスホンの専用電話機以外でもスマートフォンで閲覧できるものもあるので、デスク以外の場所からでも必要に応じてネットワークカメラの映像確認が可能です。
○受付電話機
ビルのエントランスホールに受付者が座っていて、オフィスへの案内をしている光景を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。多くの部署がありさまざまな人間が働く企業では、訪問者を案内するための受付が必要です。近年では感染症対策やテレワークなどの働き方の変化による影響で、人による受付を廃止して無人の受付電話機を採用している企業が増えてきています。受付電話機もビジネスホンとの連携が可能で、受付内容を担当者に通知する機能を持っています。

◎ビジネスホンと受付電話機でスマートな来客応対が実現
受付担当者による有人受付をしているところや、お客様がチャイムを押しての呼び出しなどをしているオフィスが多くあります。そんななか、新しい受付方法として注目を浴びているのがビジネスホンと連携した無人の受付電話機です。受付電話機は、ロビーやオフィスの入口などに設置して訪問者自身で操作を行います。機能がシンプルな受付電話機は、受話器を上げただけで直接内線電話がオフィス内につながるようになっていたり、訪問者が内線番号表を見て訪問相手の内線番号をプッシュしたりという仕組みです。しかしこのようなタイプの受付電話機では、オフィス内の特定の人だけが受付応対に追われることになる、訪問者が内線番号を探すのに手間がかかるなどのわずらわしさがありますが、カメラ付きの受付電話機とビジネスホンを組み合わせると、スマートな来客応対が実現します。カメラ付き受付電話機は誰が使っても目で見てわかりやすいタッチパネル式が多く、受付内容が「氏名」「部署」「内線番号」などで検索できるほか「●●担当」などの個別名称や、どこにつないだらよいかわからない場合の「総合案内」などの設定が可能です。名前や部署の検索も「あ」や「か」など最初の文字を指定すると該当する名前が一覧で出てきて、そこから選ぶだけなので機械操作が苦手な人でも安心です。カメラ付き受付電話機で呼び出しをすると、担当部署や担当者のビジネスホンに直接通知が入り、カメラの映像がビジネスホンのモニターに表示されます。カメラに映った訪問者の顔がビジネスホンで見られるので、確実に相手が確認できます。約束をしていない人の訪問で相手が名乗っても「誰のことだかわからない」と名前だけでは思い出せないこともありますが、相手の顔を見ることで、記憶がよみがえりやすくなります。また訊ねなくても相手の状態が映像でわかるので、人数に応じた応接室への案内やお茶の準備などの来客応対がスムーズです。ビジネスホンとカメラ付き受付電話機の連携は、受付の応対に割く時間が必要最小限となるので業務効率が上がります。また必要な情報を入力するだけでスムーズに案内される受付電話機は、お客様から見ても「最新の機器を使っている」など企業のイメージアップにもつながるでしょう。受付電話機を設置していない企業は、ビジネスホンと連携したカメラ付き受付電話機の設置を検討しても良いでしょう。

◎まとめ
ビジネスホンとカメラ付き機器が連携できることや、どのような機能があるのかなどについて解説しました。ビジネスホンもカメラ付き機器もビジネスにおいて非常に便利なツールですが、連携させることでさらに業務効率アップやセキュリティ強化に役立ちます。「ビジネスホンとカメラ付きの機器を別々に使っている」「一方だけ設置している」のであれば、ぜひビジネスホンとカメラ付き機器を連携してみてはいかがでしょうか。多くの企業にビジネスホンを設置しているカギ舎では、カメラ付き機器との連携も設計から導入までトータルでご提案いたします。ご相談だけでも無料なので、カメラ付き機器やビジネスホンに興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。