情報漏洩対策に最適なオンプレミス型の指紋認証システム
企業では、個人情報や機密情報を保有しており、情報漏洩が発生すると莫大な損害賠償のほか、社会的な信用を失う恐れがあります。生体認証の指紋認証システムはセキュリティ性が高い認証システムで、情報漏洩対応の強化を求めるのであれば、オンプレミス型指紋認証システムが有効です。この記事では、情報漏洩のリスクや指紋認証システムのクラウド型とオンプレミス型の特徴、また指紋認証リーダーKJ-3500Fについてご紹介します。
◎情報漏洩が企業に及ぼすリスクと影響
近年、個人情報漏洩やデータ流出などのニュースをよく目にします。情報漏洩とは、企業や組織が保有している個人情報や機密情報が、何らかの形で外部に漏れてしまうことです。企業において情報漏洩が発生すると、計り知れないほどの影響を及ぼすことになります。具体的には、社会的信用の低下や損害賠償の問題、及び二次被害の発生などのリスクがあげられます。企業で顧客情報や個人情報の漏洩が発生した場合、状況に応じて情報漏洩の旨を自社のホームページなどで公表し、取引先や本人への謝罪、報告などを行わなければなりません。情報漏洩は、原因に関係なく企業のイメージが著しく低下し、取引先や顧客が離れてしまうだけでなく社会的信用を失うリスクがあります。また情報漏洩のリスクとして、事故対応の時間や損害賠償による金銭の損失が発生します。情報漏洩事故が発生した場合、事故対応が優先されることで本来の業務が停止し、事故原因調査や復旧作業に時間がかかります。被害者の状況によっては、損害賠償の支払いや個人情報保護法の罰金が発生する場合があります。また、取引先や被害にあった顧客に通知したり公表するための費用、再発防止のための原因追究対策費用など、さまざまな費用が発生することになります。さらに、情報漏洩から二次被害につながる可能性もあります。顧客情報が漏洩した場合、顧客の住所や氏名、クレジットカードなどが悪用されると、二次被害につながるので非常に危険です。インターネット上で認証情報が漏洩した場合、管理画面から不正アクセスして個人情報が改ざんされると、さらに被害が増える恐れがあります。
◎セキュリティ性の高い入退室管理が実現する指紋認証システム
指紋認証システムは、高度なセキュリティが実現できることから、オフィスや施設、病院などさまざまな場所で導入されています。指紋認証システムは生体認証の一種で、身体の一部である指紋の情報を利用し、建物や部屋の出入りを管理する入退室管理システムです。生体認証には、指紋認証のほかに顔認証や静脈認証、虹彩認証、音声認証などがあり、バイオメトリクス認証とも呼ばれます。指紋認証は、人体の一部を登録し照合と認証を行うため、偽造やコピーが困難なことから安全性が高い認証システムといわれています。指紋認証の登録の際は、指紋センサーに指を置くだけで、指紋の特徴点と呼ばれる端点や分岐点などをデータに登録します。認証する際は、登録した指紋のデータと本人の指紋が一致すると認証し許可する仕組みです。指紋認証の認証方法は、静電容量方式と光学方式、超音波方式の3つの方式が主に活用されています。指紋認証の静電容量方式では、人や物が持っている電子が移動する性質を利用しています。指紋の凹凸部分の凸部分である隆線が、指紋センサーに触れると電極が流れ、その反応を利用して認証を行います。指紋認証の静電容量方式は、低コストで導入できる反面、水や汗などに弱い性質を持っています。指紋認証の光学方式は、指紋センサーに触れた指紋に光源を当て、指紋の凹凸部分の異なる反射具合をもとにデータを登録し認証を行います。光学方式は、認証精度や速度が速く比較的コストが低いため、さまざまなシーンで多く利用されています。指紋認証の超音波方式は、超音波の強さや角度の違いによって指紋を認証します。平面的な光学方式と異なり、超音波を利用して3Dで立体的に認証を行うため、偽造やなりすましが困難で不正侵入や不正アクセスの防止に役立ちます。また指紋認証の超音波方式は、手が濡れていたり汚れていても正確に認証することができます。指紋はほとんど変わることがないため、年月が経っても同じデータを長期的に利用できるという点も、指紋認証の特徴です。指紋認証システムの指紋データなどを保存するサーバーには、大きく分けてふたつの種類があります。クラウドサービス提供業者が運用するクラウド上で管理するクラウド型と、自社内でシステム構築するオンプレミス型です。
◎外部サーバーで管理するクラウド型の指紋認証システムの特徴
指紋認証システムのデータを保存するサーバーには、クラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型とは、自社でサーバーを持たずに、外部のクラウドサービス提供業者が管理するクラウドサーバーを用いてシステムを構築する方法です。指紋認証システムのクラウド型は、製品によっては機能に限りがあるため、自由度が低い傾向にあります。そのためクラウド型では、自社にとって必要な機能が十分に使用できないかもしれません。またクラウド型は、クラウドサーバーに他社が同じクラウド型の機器で同乗している場合、極端に負荷がかかる利用をすると、ほかの利用者のパフォーマンスを低下させる恐れがあります。さらに指紋認証システムのクラウド型は、インターネットを利用してクラウド上でデータ送受信を行うため、情報漏洩やサイバー攻撃などセキュリティ面でのリスクがあります。企業や組織において、情報漏洩は重大な悪影響を及ぼし、取引先から信頼できない会社と評価され、取引停止となる可能性も少なくありません。クラウド型は、サーバーを自社で持たないため、初期費用が安く済みます。その反面、インターネット通信のクラウド上でデータをアップロードするため、情報漏洩などのリスクが伴うのです。指紋認証システムのクラウド型でトラブルが発生し、多大な損害が生じてしまった場合、結果的にコストが高くなる可能性もあるでしょう。
◎安全性が高いオンプレミス型の指紋認証システムの特徴
指紋認証システムのオンプレミス型は、自社内でサーバー機器などのハードウェアやアプリケーションなどのソフトウェアを保有し、管理を行う運用方法です。オンプレミス型の指紋認証システムは、カスタマイズ性が優れていることやセキュリティ性、安全性が高いことが特徴となっています。クラウド型の場合、運用管理を外部のクラウドサービス提供業者が行うため、自社が必要とするセキュリティレベルに合わせるのが難しいケースがあります。その一方で、オンプレミス型では、保守管理やセキュリティ対策も全て自社で管理します。そのため自社のセキュリティポリシーに合わせて、出入り口や部屋のセキュリティレベルを自由に変更することが可能です。オンプレミス型の指紋認証システムは、自社のビジネス規模に合わせてサーバーや回線、セキュリティレベルをシステム構築し、運用することができます。クラウド型は、クラウドサービス提供業者が運用管理しているため、自社の希望に柔軟な対応ができないケースもあります。しかしオンプレミス型は、カスタマイズの自由度が非常に高いため、自社のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能です。クラウド型はクラウドサーバーを介して運用するので、ネットワーク環境が必須となります。一方、オンプレミス型は、インターネット通信ができない環境であっても指紋認証が可能です。たとえば、出入り口が離れた場所やインターネット通信が不安定なときでも、オンプレミス型は高速で安定した認証を行えます。さらにクラウド型の指紋認証システムは、インターネット通信のクラウド上でデータをやり取りするため、データ流出や情報漏洩のリスクがあります。しかしオンプレミス型は、自社でサーバーを保有し、社内ネットワークやローカル環境を利用するため、情報漏洩のリスクが低く、セキュリティ性が非常に高い運用方法といえます。また自社内で独自にシステム構築するオンプレミス型は、社内ネットワーク内で運用するため、既存システムとの連携がしやすい点もメリットのひとつです。指紋認証システムを選ぶ際、既に運用しているシステムとの相性も重要なポイントとなります。クラウド型の場合、機能に限りがあるため既存のシステムとクラウド型との相性が悪いと、どちらかを選択しなければならないケースがあります。オンプレミス型は、社内でシステム構築するため既存システムとの相性がよく、オンプレミス型の既存のシステムと併用することが可能です。
◎オンプレミス型の指紋認証リーダーKJ-3500F
KJ-3500Fは、安全性が高いオンプレミス型の指紋認証システムに対応している指紋認証リーダーです。KJ-3500Fは、世界最速の認証速度を誇る指紋認証リーダーのひとつで、優れたアルゴリズムで指紋認証を行います。指紋認証リーダーKJ-3500Fは、500DPI光学センサーを搭載しており、指紋センサー部分には読み込みやすい20mm×23mmの広幅プリズムを採用しています。認証精度を強化するマルチスペクトルイメージングセンサーをオプションで搭載することも可能です。マルチスペクトルイメージングセンサーは、汚れた指や乾燥した指、濡れた指、汚染された指でも完璧に認証が実現できる、高度な認証技術を用いています。オンプレミス型の指紋認証リーダーKJ-3500Fは、指紋認証のほかにも、カード認証や暗証番号認証を利用することが可能です。カード認証は、マルチカードリーダーで、EM 、HID Prox、iclass 、Iclass SE Felicaでのカード認証ができ、オプションでMifare カードに対応することもできます。暗証番号認証や設定の操作を行うキーパッドには、4.3WVGAタッチスクリーンを採用しています。キーパッドサイズは143mm×143mm×40mmで、見やすく使いやすい大きさになっています。また、指紋認証リーダーKJ-3500Fは、1.3MEGA PIXELカメラを内蔵しています。カメラをオプションで利用するなら、ユーザーの顔写真を写真ログデータとして最大20,000件登録が可能です。指紋認証リーダーKJ-3500Fの本体には、IP65レベルの防水性と防塵性が用いられているため、室内だけでなく玄関ドアや屋外で使用することも可能です。KJ-3500Fは、日本語、英語、韓国語の言語に変更することができ、多言語対応しています。イベントログを、500,000回記録することができるため、問題が発生した場合でも履歴から確認や追跡することが可能です。
◎オンプレミス型の指紋認証リーダーKJ-3500Fの活用シーン
オンプレミス型の指紋認証システムは、クラウド型と比べるとインターネット通信による情報漏洩やデータ流出などのリスクが低くなります。指紋認証リーダーKJ-3500Fは、セキュリティ性が高い場所で活用されています。
〇病院のサーバールームに指紋認証リーダーKJ-3500Fを採用
医療現場のサーバー室では、個人情報のカルテや機密情報などが保管されており、入退室管理システムの入室には制限を設けることが求められています。そのためサーバー室に、安全性が高いオンプレミス型の指紋認証リーダーKJ-3500Fが設置されています。関係者や許可された社員のみに権限を付与して入退室を管理し、セキュリティを強化できます。指紋認証リーダーKJ-3500Fでは、指紋認証とカード認証の異なる2つの認証方法を組み合わせた二重認証が可能です。サーバー室の入退室にも二重認証機能を設定すれば、さらにセキュリティレベルを高められます。
⚪︎工場の研究室に指紋認証リーダーKJ-3500Fを採用
工場の研究室や実験室には、セキュリティレベルが高い入退室管理システムが必要です。不正アクセスやサイバー攻撃による不正侵入が原因で情報漏洩が発生すると、稼働停止になり企業の損害につながります。オンプレミス型対応の指紋認証リーダーKJ-3500Fを導入すれば、高度なセキュリティ性を確保することが可能です。研究室には、試作品や製品の情報データなどが保管されているため、KJ-3500Fによる認証を行うことで、安全性が高い指紋認証システムを実現できます。
◎まとめ
クラウド型の指紋認証システムは、クラウドサービス業者が提供するクラウド上のサーバーを用いて管理運用するため、情報漏洩や不正アクセスに弱い傾向があります。オンプレミス型は、自社内のサーバーでシステム構築するため、セキュリティ対策の強化が見込めます。カギ舎ではKJTECH japanのKJ-3500Fの取り付けや、安全性が高いオンプレミス型の指紋認証システムの構築を承っております。ご興味のある方は、年中無休で24時間受付をしているカギ舎までお気軽にお問い合わせください。