入退室管理における顔認証システムの導入メリット
近年、入退室管理システムを導入する会社や病院が増加傾向にあります。人の出入りや時間帯などを管理することで、セキュリティの強化が実現できます。入退室管理方法にはカード認証・暗証番号認証・顔認証などのシステムを用いたものがあります。なかでも、顔認証システムはほかの認証システムよりもセキュリティが高いと注目を集めています。この記事では、入退室管理の顔認証システムの精度や入退室管理の導入するメリットについてご紹介します。
◎入退室管理が重要視されている理由
入退室管理が重要視されている主な理由として「部外者へのセキュリティ対策」「社員の出退勤管理を効率化」「感染症対策」の3つがあげられます。入退室管理は「誰が」「いつ」「どこに」など細かく管理できるので、不審者対策や情報漏洩など会社の機密に関わるトラブルを未然に防ぐことが可能です。まず入退室管理することで外部者へのセキュリティ対策になります。入退出管理は会社を立ち入りした部外者の顔や日付、時間を把握することが可能です。これらを管理することにより、外部への情報漏洩や不法侵入を防ぐことができ、トラブルが起きた際にも入退室管理記録を確認し、すぐに対処することが可能になります。入退室管理記録を取ることで、社員の出退勤管理がしやすくなるため確認や集計作業のリソースが不要になります。入退室管理の記録によって、誰が何時から何時まで会社にいて業務を行っていたかを正確に管理できます。正確な勤怠管理は、社員の過度な残業を防ぐことにつながります。ほかにも、社員の働き方の多様化に伴い、誰が出社しているのかを把握することもできます。入退室管理の導入は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症への対策が可能です。社員が感染したときに入退室管理の記録を見ることで、接触者の特定や在宅勤務へ切り替えるなどの感染拡大を予防する対策が取れます。義務化されている労働環境への安全を配慮することにもつながります。これらの理由から入退室管理を導入する会社や医療機関などが増えています。

◎顔認証の精度の高さと技術
顔認証システムには2D方式と3D方式があり、それぞれの構造により顔認証の精度は変わってきます。2D方式はRGBカメラから本人を検出するシステムです。カメラで撮影した写真から目や鼻、口、輪郭などの配置を計測し、その結果を元に登録されているデータから本人かどうかを判断しています。メリットはネットワークカメラで導入できることや特殊なセンサーが必要ないことですが、化粧をしている顔や照明の明るさなどに影響を受けやすいデメリットもあります。3D方式はRGBに赤外線を加えたカメラでデータを取り込み、顔の立体的な部分を認証するシステムです。赤外線カメラを使用し、顔の凹凸などの特徴を読み取ってデータ化します。その結果を元に登録されているデータから本人かどうかを識別します。メリットは顔の奥行きや明るい部分から影になる部分まで細かく分析できることです。そのため髪型が変わったときや化粧をしている顔、照明の明るさなどにも対応できる上に、偽の顔写真や動画でのなりすまし防止にもつながります。専用カメラを導入しなければならないため、コストがかかってしまうというデメリットがあります。2D方式と3D方式では、生体検知機能に必要な赤外線カメラのある3D方式の方がセキュリティ性が高いとされています。顔認証には、マスクを着けたままでも検出ができる高精度なシステムもあります。感染症拡大の影響を受け、感染対策のためにマスクをしている人は多くいるため、マスクを着用していても、本人と判断できる精度の顔認証システムは欠かせないといえるでしょう。顔認証システムの種類によっては、本人認証と同時にその人の表面温度も計測できます。なりすまし防止機能を搭載している顔認証システムは精度がより高くなっています。なりすましを防止するために2段階認証やジェスチャーの指示をして顔写真ではないことを検知する機能があります。動きがなかったり、画像のゆがみや光の当たり方によって偽物の写真だと判断することができるので精度が高くなっているといえます。精度の高い顔認証システムを選ぶポイントは3つあります。1つ目は第三者によって顔認証システムに対する評価が行われていることです。顔認証システムはアメリカ国立標準研究所(NIST)が実施しているベンチマークテスト(FRVT)で評価されています。ベンチマークテストは、本人認証時のエラー率などさまざまな項目でテストが行われています。ベンチマークテストの結果は客観的に評価されたものとして、製品を選ぶ際の検討材料になります。2つ目は周りの明るさや光線の状態が変化しても認証できることです。顔認証システムは、周囲の明るさや光線状態などの外部環境の変化によって精度が変わり、その変化に対応できるかも製品によって異なります。そのため設置する場所や環境に合わせて、顔認証システムを選ぶことが重要です。設置場所の日当たり加減や逆光、防水性などを確認しておくと良いでしょう。3つ目は速くて正確に本人認証ができることです。精度がいくら高くても、認証する速度が遅く渋滞してしまうと、本来の目的を果たせない可能性があります。認証速度はシステムによって変わるので、使用目的に合わせて精度と認証する速さを一緒に確認することが大切です。

◎入退室管理に活用される顔認証のメリット
顔認証システムを採用するメリットはさまざまです。1つ目はほかの入退室管理の認証システムよりもセキュリティレベルが高いことがあげられます。入退室管理の暗証番号認証やカード認証の場合、パスワードが漏れてしまったり、カードを盗まれたりなど第三者によって不正利用される可能性があります。その点、顔認証の入退室管理は偽造される心配や対策は必要ありません。そのため、入退室管理のセキュリティをさらに強化する手間や時間を省くことができて、効率化にもつながります。2つ目は非接触の入退室管理の顔認証システムによって衛生面が安心できることです。入退室管理のために設置された認証機器に触れなくても認証でき、コロナなどの感染症対策になります。荷物などで手がふさがっているときや人が多いときでもスムーズに認証することが可能です。3つ目は入退室管理に導入しているシステムに必要なカードの紛失や暗証番号が第三者に漏れる必要がないことがあげられます。これらは、暗証番号を忘れてしまったり、カードを無くしてしまったりするリスクがあります。そのような場合は、入退室管理システムを利用するために新しく暗証番号を設定したり、カードを作成する作業が発生します。入退室管理の顔認証システムを導入することにより、自分の顔を事前に登録しておけば、顔をカメラに映すだけで認証できます。利用者にとって使いやすさは入退室管理するために重要なことです。4つ目は不正抑止になることです。入退室管理をすることで社員の勤務時間の不正や情報漏洩の防止につながります。そして万が一トラブルが起きたとしても、入退室管理の記録を見ることでスムーズに対処することが可能です。

◎顔認証システムを導入するポイント
入退室管理システムにはクラウド型入退室システムとオンプレミス型入退室管理システムがあります。クラウド型入退室管理システムは構築されている入退室管理サービスを利用するもので、契約からの導入までスムーズで、導入コストや運用コストを抑えられることが魅力です。オンプレミス型入退室管理システムは、自社に合わせた入退室管理サービスにカスタマイズして利用します。コストや時間がクラウド型の入退室管理システムよりもかかってしまいますが、セキュリティ性が高いことやレベルの高い入退室管理システムを構築できることがメリットです。入退室管理に使用する顔認証システムを選ぶためのポイントは、自社の環境や使用する場面、設置する場所との相性を確認することです。入退室管理の顔認証システムを購入したけど狭くて設置できないことや、光の変化で正確に認証できないことが起きてしまわないようにしましょう。設置場所の広さや日当たり、照明の明るさなどに適した入退室管理のシステムを選ぶことが大切です。入退室管理に導入したい顔認証システムの精度の高さを決めておくことも大切です。認証精度が用途や目的に適していないと、不法侵入や情報漏洩を防ぐために導入したにも関わらず、思うように認証されないケースがあります。そのため、求めているセキュリティレベルや使用目的に合わせて、入退室管理に使用するシステムの精度を決める必要があります。自社と相性の良い入退室管理の顔認証システムを見つけても入退室管理記録が複雑だと管理が難しくなります。そのため、社員や管理する人に合わせて入退室管理方法を選択することが大切です。最後に、サポート体制が整っている入退室管理の顔認証システムを選ぶようにしましょう。入退室管理に導入したシステムのトラブルや故障が起きた際に、サポート体制が充実していればすぐに対処することができます。専門知識がない人でも対処できるようにサポート体制がしっかりした入退室管理の顔認証システムを選ぶことで、時間のロスが軽減します。これらのポイントを意識して、入退室管理に導入する顔認証システムを選ぶようにしましょう。
◎KJTECH&KJTECH japanの顔認証リーダー


入退室管理に導入できるKJTECH&KJTECH japanの顔認証リーダーは「FE-400」「FE-500」「FE-600」があります。KJTECH&KJTECH japanの顔認証リーダーはさまざまな場所で活用されています。FE-400は、ジムなど会員制施設での施設内状況の把握や防犯、受付管理に活用されています。FE-500は、病院での受付や患者の発熱検査、来院者の入退出記録に使用されることが多く医療関係で活躍しています。FE-600は、工場での衛生面管理や業者の出入りの管理、防犯目的で取り付けられています。
○FE-400


FE-400は顔認証、カード認証に対応した顔認証リーダーになっています。カードリーダー部分は、近距離無線通信のNFCを使用できるので、交通系ICカードやスマートフォンなどのNFC搭載機器で解錠ができるようになっています。顔のデータは1万人登録することができ、1mまでの範囲であれば、1秒以下で顔認証を完了することができます。サイズは56mm×183mm×34.6mmでスリムなこともあり、設置場所が狭くても使用できます。
○FE-500・FE-500S


FE-500は顔認証、カード認証、QRコードの利用が可能な顔認証リーダーです。顔認証の速度は1秒以下で、最大3mの距離からの認証が可能になっています。そして最大5人の顔を同時認証することもできます。3D認証方式を採用することで、眼鏡を装着している場合でも瞬時に顔認証を行えます。さらにFE-500Sにはマスク検出に加えてサーマルセンサーが搭載されており、マスクを着用したまま表面温度を計測できます。サイズは192mm×92mm×30mmとなっています。登録可能な顔のデータは5万人とFE-400の5倍の数となっています。さらに指紋データは5,000人登録することが可能です。設置場所や利用する状況に応じて切り替えることができるシングル検出モードとマルチ検出モードが搭載されています。フェイス+マスク検出を活用することで、マスク未着用の場合にアラームで着用を促すこともできるようになっています。
○FE-600


FE-600は、最大5人の顔を同時に認識できるのが特徴の顔認証リーダーです。認証時にマスクやサングラスを着用していても登録ユーザーを特定することが可能です。FE-600は、2〜3メートル離れた場所からの顔認証が可能で、動体検知機能も備えています。そのため、不審な人物や侵入者を人混みのなかでも素早く対応できます。顔認証のほかに、カード認証や指紋認証にも対応しており、規模や施工事例に応じて選択できます。FE-600の顔認証リーダーは粉塵対策を施しているため、屋内だけでなく屋外でも使用可能です。顔認証は、カード認証や暗証番号認証と異なり、個々の顔を使用して認証するため複製される心配がないため安心です。FE-600のサイズは、192mm×92mm×30mmとなっています。
◎まとめ
顔認証システムを活用した入退出管理は、使用する目的や環境に合わせて製品を選ぶことでセキュリティを強化できます。入退室管理の顔認証システムは、ほかの認証システムよりもセキュリティ性が高く、非接触で利用可能なので利便性も期待できます。カギ舎では、顔認証システムを利用した入退室管理システムの導入工事を承っております。入退室管理システムに関するお問い合わせは、年中無休で24時間受付けしております。お見積りなどお気軽にご相談ください。