玄関を引き戸の電気錠にするメリット
一般的な住宅の玄関に使用される引き戸にはさまざまな種類があります。今回は、引き戸の材質や鍵の種類、より防犯性を高めたいという場合に最適な引き戸に設置できる電気錠について詳しくご紹介します。
◎玄関に使われる引き戸の種類
住宅の玄関によく見られる引き戸には、引き違い戸や片引き戸、両引き込み戸などがあります。引き違い戸とは2枚以上の引き戸を左右どちらにも開閉できるタイプの引き戸のことをいいます。最も一般に流通している引き戸であり、扉の枚数により2枚引き戸、3枚引き戸、4枚引き戸などがあり閉めた際に扉を引き込む場所が必要ないのがメリットとなっています。片引き戸は1枚の扉を左右どちらかにスライドさせ開閉するタイプの引き戸です。玄関の片引き戸には、玄関の内側に引き込む内引き込みタイプ、壁の方に引き込む外引き込みタイプ、扉とガラスを組み合わせた袖付きタイプなどがあります。両引き込み戸とは左右の壁に扉を引き込むタイプの引き戸です。開口部を広く取ることができるためベビーカーや車椅子などを玄関内に入れる際などに大変便利です。引き戸には扉の枚数や開き方による違いのほかにも、扉そのものの材質にもさまざまな種類があります。

◎玄関引き戸の材質
玄関引き戸によく使われる材質としては木製やアルミ製、ステンレス製やスチール製などがあります。木製の玄関引き戸は断熱性が高く、軽くて温かみのある風合いのがその大きな特徴となっています。寒い季節でも外気の侵入を防いでくれるため結露も発生しにくいとされています。引き戸に樹脂性のシートを貼った樹脂シート仕上げ、天然木材を薄くスライスして張り付けた突板仕上げの木目調引き戸や、天然の1枚板を使用した無垢材の引き戸などさまざまな種類があります。無垢材の引き戸の価格は比較的高めですが、湿度の高い時期には空気中の水分を吸収し、空気が乾燥しやすい時期には適度に水分を放出してくれるなど環境に適応するという優れた特徴があります。金属製の玄関引き戸の中でもアルミ製の製品は非常に軽く丈夫なため耐久性も高いのがメリットとしてあげられます。利点が多く扱いやすい素材であるため、数多くのメーカーがアルミ製の玄関引戸を取り扱っています。デザインも豊富で光沢もあるため玄関を明るい雰囲気にしたいという場合に向いています。アルミ製の引き戸は、玄関が直接日光の当たりやすい場所にあっても色あせたり変色しにくく掃除もしやすいです。ステンレス製の玄関引き戸は、熱に強く丈夫でサビにくいという特徴があります。スチール製の引き戸はアルミ製の引き戸より重さはありますが耐久性が高く長く使用することが可能です。防音性や防犯性にも優れており比較的落ち着いたデザインの引き戸が多いため、住宅の玄関だけではなくマンションなどの共用玄関スペースの扉にもよく使われています。このように引き戸の材質にはさまざまな種類があり機能性や家の雰囲気などに合わせて選ぶことが可能ですが、引き戸はほかにもさまざまなメリットがあります。
◎引き戸のメリット
玄関を引き戸にすれば開き戸のように扉を開くため前後にスペースが必要なく、なおかつ広い開口部を確保できるのがメリットとしてあげられます。大きな荷物を玄関から運び入れる際や、小さな子どもを抱っこしながら玄関から入る場合にもスペースに余裕があるため利便性が高いです。引き戸は子どもや高齢者の方でも簡単に開閉できることもよい点としてあげられます。開き戸の場合は、扉を開けたままにするためにはドアノブを持ったまま支えたり、ドアストッパーを使用しなければなりませんが、引き戸はそのような手間をかけなくても1度開ければそのままの状態にしておくことができます。引き戸であれば玄関前に荷物を置いていても開閉ができるため、買い物後に帰宅した際に荷物を玄関ポーチに1度置き、引き戸を全て開けてから運び入れることも可能です。開き戸タイプなどの玄関と同様に引き戸タイプの玄関にも鍵がついています。

◎引き戸の鍵の種類
引き戸の玄関に設置できる鍵には、戸先錠、引き違い錠、電気錠などがあります。戸先錠は引き戸を閉めた際に引き戸側面と戸枠が当たる部分に付ける鍵であり、戸先鎌錠と呼ばれることもあります。鍵を回すと引き戸側から鎌のような形をした部品が飛び出し、戸枠側に設置されたストライク、つまり錠受け部分に納まり施錠される仕組みとなっています。引き戸の両開きの2枚戸の中央に設置してある鍵を引き違い戸錠と言います。2つの扉が重なる中央部分に取り付ける鍵であることから召し合わせ錠や2枚建錠とも呼ばれています。引き戸の室内・室外それぞれに錠前を設置し、鍵を回すと引き戸同士がつながることで施錠されるようになっています。一般的な玄関扉と同様に引き戸タイプにも電気錠を設置することが可能です。電気錠は文字通り電気を使い施錠する仕組みとなっている鍵ですが、非常に防犯性に優れているため玄関の防犯対策を強化したいという人に最適です。
◎引き戸タイプの玄関を電気錠にするメリット
玄関引き戸に設置できる電気錠にはリモコン、カードタイプや暗証番号タイプ、指紋認証などの生体認証タイプやタッチキータイプなどがあります。カード・リモコン型の電気錠は、鍵の代わりにリーダーにカードをかざしたりリモコンを使用することで解錠可能です。カード型の電気錠はもし失くしてしまった場合でも、紛失したカードをすぐに無効化して再発行することができるため安心です。リモコン型の電気錠はバッグや上着のポケットの中からでも操作できるため鍵を出す手間が省けます。暗証番号型の電気錠はテンキーにあらかじめ決めておいた暗証番号を入力することで解錠をすることができます。鍵を持ち歩く必要がないため、鍵の紛失や盗難などの心配がないのがメリットとして挙げられます。生体認証型の電気錠のなかでも最も一般に普及している指紋認証型の電気錠は、リーダーに前もって自分の指紋を登録しておき解錠する際にはそれを機器に読み取らせ本人確認を行います。暗証番号型と同様に鍵を持つ必要がないのがメリットとなっています。タッチキー型の電気錠は鍵がリモコンキーになっており、手をセンサーの部分に触れるだけで電気錠がリモコンキーの電波を受け取り、バッグのなかなどに入れておいたままでも解錠できます。玄関引き戸に設置可能な電気錠はどの種類も非常に防犯性が高いため、引き戸の鍵交換を検討しているという人におすすめですが、引き戸に電気錠を設置する場合にはいくつか気を付けなければならない点があります。

◎電気錠を設置する際の注意点
電気錠は電気の配線により作動するため、引き戸への電気錠の設置には配線工事が必要となります。配線工事は電気工事士の資格を持っていなければ行えないため、有資格者が多く在籍しているカギの専門業者に依頼をしましょう。電気錠の寿命は約7年ほどとされているため、玄関の引き戸に電気錠を設置してその程度の年数が経過したら新たな電気錠に交換することを検討しましょう。電気錠の使用頻度が多い場合や設置した場所の環境などによっては、これより早く交換しなければならない可能性もあるため注意してください。電気錠に不具合が起こりこれを繰り返すという場合には、さらなるトラブルを防ぐためにも早めにカギの専門業者に依頼して修理や交換を行うようにしましょう。
◎まとめ
玄関の引き戸の鍵や電気錠の設置は、鍵についての豊富な知識と多くの経験を持つカギ舎にお任せください。カギ舎は年中無休で24時間鍵の種類を問わず引き戸の電気錠などあらゆる相談や依頼に対応しております。鍵に関してお困りの方はぜひご一報ください。